交流戦首位の楽天は交流戦優勝マジック2という状況であり、カープとしても満員の観客でビジター感がたっぷりある中での試合となった。

 

試合は初回にツーベースと大瀬良投手の捕球ミスで2アウト13塁といきなりの大ピンチを招いたが、渡邊選手を打ち取り凌ぐと、2回裏も先頭の浅村選手にヒットを打たれるが凌いだ。

3回裏も1アウト後からイレギュラーバウンドのヒットを境に連打で満塁とされたが、渡邊選手を打ち取り、浅村選手を見逃し三振で切り抜けると、この3イニングを耐えた事で投手戦へとシフトした。

 

5回を終えた段階でカープは會澤捕手のヒット1本のみで四球もなしと何も打てる手がない状況であったが、6回表に1アウトから二俣選手が捕らえてセンターに落ちてフェンスを越えてエンタイトルツーベースでチャンスを作った。

打席は秋山選手で3ボールまで行ったのだが、なぜか4球目のど真ん中に無反応でストライクからの空振り三振。

矢野選手も空振り三振であった。

 

その前の堂林選手の打席の時にも3ボールがあったが4球目の真ん中を見逃して最後はゴロであった。

相手がほとんど四球を出さず、打てる手もないという状況であれば3ボールの時位はど真ん中の直球を1本で待って欲しいと私は思うのであるが、見逃したという事は一体どんな球種を待っていたのだろうか?と素人ながら疑問に感じる待ち方であった。

 

6回裏は浅村選手にヒットを打たれたが無失点で抑えると、7回表はカープは先頭の菊池選手が出た。

どう考えても今日は1点勝負だと思うのであるが、末包選手にバントの指示はなく初球打ちで凡退、小園選手も初球打ちでゴロで打ち取られるなど、もう少し打てる手はなかったのかと感じさせられた。

 

大瀬良投手は7回も抑えて防御率をついに0点台にして、過去3年とは全く違う姿を見せて交流戦を終える事となった。

カットボールだけを頼りにしていた数年前より、あらゆる球種を駆使する姿が相手打線を翻弄しているように見えた。

 

8回表。

1アウトからようやく會澤捕手がチームとして初めての四球を奪ったが、DHで石原捕手を起用しているだけに代走は難しいかと思ったが、普通に代走を起用した。

宇草選手が代走で先ほどヒットの二俣選手にバントという形で2アウト2塁としたが、今日の秋山選手は早川投手に全く合っていなかった。

3球三振であっさりと打ち取られた。

 

8回裏の島内投手は辰巳選手にヒットを打たれると鈴木選手にバント。

1アウト2塁から渡邊選手を打ち取って、浅村選手には前進守備という状況を考えると頭を越される可能性を考慮して申告敬遠をした。

だがフランコ選手にストレートを拾われて2アウト満塁となった。

島内投手の時で分かった事は、楽天打線はストレートに的を絞っていた。

だからこの状況であれば、腹を括ってチェンジアップを投げられるかどうかだと、私はXで呟いたわけであるが、実際は代打の茂木選手に対してチェンジアップを投じてファールフライでピンチを切り抜けたのである。

 

9回も続投した早川投手に抑えられた後、その裏にカープは守護神の栗林投手を投入。

同点で使うと後ろの継投をどうするんだと正直思うのであるが、栗林投手は3人で抑えて試合は延長戦となった。

延長でも早川投手が続投で、カープは3人で片づけられると10回裏はまさかの塹江投手であった。

 

そして死球、バントで8回と同様のピンチを招くと代打はカープキラーとして中日時代に君臨した阿部選手。

そこでカープも右に強い左の森浦投手をそのまま左の塹江投手に代えて投入。

中日時代の対戦成績は1打数1三振という話が楽天戦の実況から語られたが、結果は空振りの三振。

そして頭を越されないように浅村選手は申告敬遠すると、フランコ選手にまたしてもストレートを弾き返されたが、前進守備でホームには返さなかった。

2アウト満塁と8回同様のサヨナラのピンチでもあったが、2球で石原捕手を追い込むと粘られたがセカンドへのゴロでまたしてもピンチを脱出した。

 

11回表。

ようやく相手の投手が宋投手に交代したが、二俣選手がヒットで代走羽月選手を送った。

ノーヒットであった秋山選手にバントをさせて1アウト2塁を作ると、打席は矢野選手であったがそこで羽月選手が3塁に盗塁を成功させて一気に大チャンスを組み立てた。

そして矢野選手が犠牲フライを打ち上げて、2回目のチャンスを物にして先制した。

 

この試合のこの打席。

松山選手を送るという選択肢もあったが、最近の矢野選手の打に賭けたという面もあると思うが、そもそも矢野選手の所に松山選手であれば申告敬遠だっただろう。

となると二遊間の選手は一人しか交代させられないカープは、菊池選手に代打は送れなかった。

だが矢野選手に代打を送らなかった時は、矢野選手が打ちとられるなら菊池選手に代打松山選手起用であっただろう。

その場合は仮に歩かされても、4番の末包選手勝負でありチェックのかけ方としては完璧である。

そして矢野選手が得点をしてくれた事で菊池選手に代打を送る必要はなくなり、次の回の守備という点でもカープは良い形であった。

 

その裏。

多くのファンはハーン投手の登板に期待をしているが、こういうパターンは矢崎投手だろうという諦めに近い物も出ていたが、首脳陣の選択はハーン投手であった。

ストライクゾーンにストレートを投げてもほぼ抑えるという投手は、先頭打者にストレート3球で三振。

そして小郷選手も打ち取ると、今日は複数安打の村林選手も打ち取って3人であっさりと試合を締めて来日初セーブ。

栗林投手を休ませる日は彼を代役守護神として使うという選択肢が出来た事を示した結果であった。

 

今日の試合はセリーグは阪神以外全勝だったので、楽天相手に負けなかったのは大きな勝ち星であったと同時に、交流戦9勝目で5割を確定させたのであった。

本当に例年苦しんだ交流戦を新井監督になってから5割を守れるようになったのは、大きな成果であると思うし、パリーグ相手に戦えるという事はリーグに戻ってもある程度は気持ちの上でも優位に戦えるだろう。

残り2試合、貯金で終わると2017年以来の記録という事であるが、頑張って貰いたいですね。