スタメンでベテランの菊池選手や田中選手を休ませるなど、やや佐々木朗投手に対して若手中心という形にしたが、矢野選手セカンド、小園選手ショート、羽月選手はセカンドではなくサードという変則的なスタメンになり、ファーストも坂倉捕手が入った。

 

玉村投手は初回から連打でピンチを招くが、今日スタメンのソト選手を併殺に仕留めて無失点スタート。

佐々木朗投手相手に2アウトから野間選手が死球、小園選手がヒットで12塁と得点圏を作ったが、末包選手がセカンドゴロで無得点であった。

 

2回表は佐藤捕手に四球と牽制で誘い出したのに送球が逸れて盗塁を許したが、連続三振で切り抜ける。

その裏に坂倉捕手アウトの後の矢野選手は三振したが暴投となり振り逃げとなると、石原捕手がヒットで続いた。

そして玉村投手がバントをしたが、佐々木朗投手が1塁に悪送球。

この間に矢野選手が一気にホームインで先制した。

なお玉村投手のセーフ判定がアウトに覆っている。

 

その後は2イニング互いに3人ずつで片づける形で迎えた5回表。

またしても佐藤捕手にヒットで出塁を許すと、中村奨選手にもヒットで繋がれた。

小川選手バント、佐々木朗投手三振で2アウト23塁と後アウト1つで勝ち投手の権利まで進んだが、荻野選手のサード正面の打球を羽月選手が後逸して2失点。

小園選手をサードにして矢野選手をショートにして、羽月選手をセカンドとしていれば、果たしてこういうミスが起きただろうか?

本職外にわざわざ起用して勝ち越しを許してしまうエラーというのは、首脳陣の起用にも問題があるだろう。

 

玉村投手は5回裏に代打を送られ、自責0で今日も勝ち投手になれずに降板となったが、6回は森浦投手が髙部選手の打球でベースカバーが送れた事もあり内野安打。

その後2アウトまでこぎつけるが、三度佐藤捕手に打たれてしまった。

今日は彼一人にやられたと言っても良いレベルであるが、その後も四球に小園選手の失策と、新井監督の抜擢したポジションでミスが連発したが、佐々木朗投手を三振で何とか望みを繋いだ。

 

だが6回以降もヒットはたった1本、四球が2つではチャンスらしいチャンスも作れずに敗北。

中継ぎ陣は無失点リレーとはなったが、ハーン投手は少ない球数であったが黒原投手は20球、塹江投手も18球でランナーを背負い続けては反撃ムードも起こせなかった。

 

◆佐々木朗投手の弱点を見極め、実際にそこを攻める事は出来ていたが、肝心のランナーをほとんど出せなかった。

 

佐々木朗投手は今年のオフにもポスティングメジャーではないかと言われる逸材であるが、カープサイドはソフトバンクとは違ってロッテに関してはかなり分析が出来ていたと思う。

佐々木朗投手は157キロ前後を良く投げる投手であるが、この球速であってもクイックが遅いという弱点がある。

その弱点を把握しているからこそ、足がない菊池選手よりも足がある羽月選手というのは理に適っているし、坂倉捕手も足は田中選手よりは速い。

だからベテラン勢を休ませて、足を使って攻めて行こうという方針であったと思う。

 

実際に2回裏も振り逃げにミスの1つで一気にホームに帰るなど足を活かしていたし、2点差が付いていても小園選手が盗塁を相手の送球なしという完璧に盗んで決めている。

足を使えば進塁出来るというのも球団として把握できていたのであるが、肝心の佐々木朗投手の前にランナーを出すという根本が出来なかった。

 

羽月選手は起用したが4打席4三振に加えてタイムリーエラー。

せめてセカンドで起用していればと思うが、それでもボールが前に飛ばないのでは肝心の足を活かす事が出来ない。

坂倉捕手をファースト起用も最初の打席こそ良かったが、2打席目以降はいつもの姿であり、やはり2軍で再調整させてやるべきではないかと改めて思ったし、これなら林選手を起用した方が良かっただろう。

 

佐々木朗投手を6回までで下ろすという攻め方もまあまあ良かったと思うが、攻略すべき救援陣からヒットが0ではどうする事も出来なかった。

スコア以上に完敗であったという事である。

 

◆日曜日はデータが豊富にあるメルセデス投手相手である。

 

元々今日の敗戦というのはチームとしては織り込み済みであると思うし、セリーグが2勝に終わっているのでカープとしては助かっている。

明日は元カープアカデミー(2016年)で巨人時代も何度も戦ったメルセデス投手であり、データがない相手ではない。

ここはキッチリと勝たなければならない相手であると思うし、交流戦を五分に戻して遠征に出るのと、マイナス2で交流戦首位を走る楽天戦を残す状況となるのでは、5割というラインが目標としても雲泥の差である。

 

今日の玉村投手は粘り強く投げていたと思うし、守備が良ければ勝ち投手の可能性もあっただけに、打たせるタイプが守備が緩いバックというのは大変な難易度であったとも思う。

勝たせてあげられる投球内容だっただけに、本当に今日の失敗は首脳陣の失敗でもあるだろう。

これに報いるには日曜日の試合をキッチリ勝つ事である。

勝ち運があるのかどんな状況でも負け投手にはならないアドゥワ投手の持っている力にかけて、何とか勝ち星を拾いたい所である。