初回はライナー併殺、2回は末包選手が相手の失策で出ると盗塁も決めたが、田中選手が三振。

その後失策で12塁、敬遠で満塁と塁を賑わせるが大瀬良投手がライトへのフライで無得点。

3回も1アウトから連続失策でチャンスを作るが末包選手三振。

田中選手が四球を選ぶが菊池選手も三振でアウトが全部三振となり、この回までで4失策を貰いながら無得点という、流れとしては相手のペースになってもおかしくはなかった。

 

そんな試合展開であったが大瀬良投手が色々な球種を今日は使って、相手が粘って来ていたが1四球に抑えて4回を投げ終えた。

 

4回裏も矢野選手四球、會澤捕手ヒットで0アウト13塁と得点のチャンスであったが、大瀬良投手に23塁を作るバントを命じていたが矢野選手が飛び出した。

挟殺プレーに時間がかかっていたが結局アウトで1アウト2塁。

そのままバントを続けるのかと思いきや、大瀬良投手にバスターを指示して結果は三振。

ベンチの作戦がバタバタし過ぎており、結果的には0アウト13塁が2アウト2塁と、これなら空振り三振の方がまだマシだったという結果になってしまった。

 

4失策貰っても得点出来ず、0アウト13塁も風前の灯火と、完全に追い込まれたが秋山選手がヒットを打つと、13塁から野間選手が引っ張ってタイムリー。

1塁ランナーの秋山選手もホームに帰って来て2点を先制。

これが67イニングぶりのタイムリーという、どれだけ打ててなかったんだという結果であった。

 

相手に流れが行きかねなかった所で点を取れた事で5回も3人で片づけて、交流戦では5年勝てていないという大瀬良投手に勝ち星の権利が舞い込んだ。

先発の美馬投手はまだ100球いっていなかったが、5回裏からロッテは継投というのは驚いたが、得点は出来なかった。

 

6回表に1アウトから2番手横山投手の代打に出た池田選手を歩かせた。

ここでどうなるかという所であったが、ショートへのゴロで併殺で切り抜けると、3番手の中村投手から會澤捕手四球、大瀬良投手バント、秋山選手が進塁打で2アウト3塁から野間選手は3ボールとなった。

勝負を避けて来るかなと思いきやフルカウントになったが、結果は四球。

ここが今日の勝負を分けた場所のように見えた。

歩かせるならスパッと歩かせた方がカープとしても嫌な形であったと思うが、勝負に来て歩いたとなれば次は行けるという空気になる。

そして小園選手の打球は普通の守備力のレフトであればレフトフライであったと思うが、守っているのは巨人時代から守備能力の低さでリリースされたポランコ選手であった。

その結果が捕れずにボールも弾いて走者一掃となるスリーベースとなり4-0と、かなり勝利を近づけた一打であった。

 

7回も2番からの打順を3人で抑えた大瀬良投手を見て、球場ももしかしたらあるのかとざわざわしたが、この7回表の当たりから球が高めに抜け始めて来ていたので、限界も近いなと私は見ていた。

 

8回表に中村奨選手に四球を与えたが、その後を抑えて8回もノーヒットを継続した。

7回裏、8回裏と打者もノーヒットノーランに意識がいったかあまりいい攻撃は出来ずに迎えた9回。

代打ソト選手と友杉選手を抑えて後1人までこぎつけたが、追い込んでから角中選手には四球、髙部選手にはストライクが入らず四球で逆に1安打出ると栗林投手を投入するしかないという形になっていた。

球速も球威もコントロールも120球を超えていっぱいいっぱいで迎えたポランコ選手。

 

ランナーいない時はポランコシフトというシフトで対応し、サードがショートの定位置に入る位の極端なシフトであったのだが、ランナーが二人いるので定位置であった。

ここがどうなるかという所であったが、打った打球は力ない打球でライトの野間選手が捕球して試合終了。

 

マツダスタジアムでカープの投手が初めてノーヒットノーランを達成した瞬間となった。

前回は12年前の横浜スタジアムの前田健太投手以来という事で、カープの投手のノーヒットノーランも本当に久しぶりの事であった。

巨人がこの試合が終わる前にオリックスに敗れたので、0.5差ではあるがカープが一応首位に浮上となった。

 

明日が佐々木朗投手という事で、こちらは玉村投手でかなり分が悪いという事は事前に分かっていたので、今日の勝利は非常に大きな勝利であった。

巨人の敗戦はおまけでしかないが、明日はかなり気持ちも楽に試合に入れるだろう。

ダメで元々という気持ちで、向かって行って欲しいですね。

 

◆明日の玉村投手が佐々木朗投手と渡り合えるならば、ローテ6枚が完成というかなり大きな形になる。

 

今まではカットボール中心であったが、今日はあらゆる球種を駆使して投げていた。

これが勝てていないパリーグ対策であったのか、それともアップデートした姿であったのかは分からないが、最高の結果となったという事は今後もそういう投球を続けて行く可能性は高い。

例年5月以降は大きく失速し、DeNAと巨人にしかまともな投球も出来ないというシーズンが約3年続いていたが、6月ノーヒットノーランという事であれば勝ち運がややあるアドゥワ投手、両輪の床田投手、森下投手、そして開幕投手の九里投手も昨日はよかったので、そこに大瀬良投手が定着となると、いよいよ先発枠はあと1である。

玉村投手は3度目の先発で一定の結果を示す必要が出て来ている。

もし佐々木朗投手としっかり渡り合えるなら、今年のカープのローテ6枚が完成と言って良いという事になるだろう。

 

◆育成の佐藤選手がようやく支配下契約。来週にも1軍昇格か?

 

育成の佐藤選手が背番号94を貰い支配下契約へと移行した。

ずっとセカンドを守り続けていたが、最近の2軍戦では守備に難という点もあってかファースト起用が増えた。

ファーストの候補がシャイナー選手が2軍でも1割台、堂林選手も2割。

坂倉捕手をファーストにした日もあったがこちらも2割前半と苦戦して、結果的に今は田中選手が入る事態になっている。

だが2軍で首位打者である佐藤選手をファーストで使えるという事であれば、早期1軍とファーストスタメンという言葉も現実味を帯びて来る。

 

来週はパリーグ主催なので、DHで打に専念という可能性もあるが、そういう起用をするという事は、球団フロント・首脳陣はシャイナー選手とレイノルズ選手を事実上構想から外したという事でもある。

助っ人陣に関してはハーン投手が思わぬ掘り出し物となっており、海外スカウトも辛うじて面目を保った事もあり、助っ人野手2名を見切りやすくなった点もある。

その結果が基本は69枠運用のカープに、69枠目を与える決断をさせたという事であろう。

 

新人で2軍とは言え開幕からもう6月でも3割以上の打率をキープし続けているのは、今年の全体的な打低のシーズンではかなりすごいことである。

大卒即戦力ドラフトメンバーがほぼ戦力になれていないチームの現状を考えると、佐藤選手が新井監督のドラフトでの少ない成功例になるチャンスである。

1軍に上がるのは来週であると思われるが、上がった時にどれだけ出来るのかにも注目したいですね。