前日の勝利で貯金2の壁を超えたいカープは、スタメンから菊池選手の名前が消え、矢野選手が2番、ずっと4番であった小園選手が3番になり、末包選手を4番に据えての試合となった。
初回は特に何もなかったが、2回表に大きく暗転する。
坂本選手にヒットを打たれると、1アウトから岸田捕手にもヒットを打たれ12塁。
そして打率0割台の新人泉口選手にもヒットを打たれ、あっさりと失点をした。
勝てていない投手という所で九里投手も粘れないという事が続いているわけであるが、バントの構えをしている赤星投手の時にはもうバッテリーが勝手に崩れた。
2ストライク目を奪ってランナーが飛び出しているのに2塁に坂倉捕手が送球して13塁となると、スリーバントスクイズもあっさりと決められ九里投手のホーム送球も高くセーフ。
さらに丸選手にも四球で、1アウト満塁とこのまま行くとこの回で試合が決まってしまうというレベルに追い込まれるが、オコエ選手が2番であった事が数少ない救いであった。
2番が例年通り吉川選手であればスクイズという事もあったと思うが、オコエ選手が2番であれば小技はない。
打者との力と力の勝負で、かなり浅いレフトフライで打ち取り、吉川選手も抑えて何とか2点で留めた。
2回裏は連打で0アウト12塁と即座に点を返せそうな雰囲気を出すが、その後が進塁打も打てずに無得点で終わると、3回も矢野選手がツーベースを打つが得点圏の鬼である小園選手が打ちとられ無得点。
九里投手は毎回ランナーを出しながらも粘るという投球で凌いだ4回裏。
1アウトから坂倉捕手に久しぶりの複数安打が出てランナーが出ると、二俣選手は併殺崩れとなるが、久しぶりのスタメン羽月選手がレフト線へのタイムリーで1点を返した。
ただせっかくの長打もオーバーランでタッチアウトと言う点は、ちょっともったいない。
1点差に迫った5回表も九里投手は得点圏にランナーを背負ったが凌ぐと、その裏に先頭の8番林選手に長打のツーベースが出た。
0アウト2塁という所で、何と5回裏で早くも代走大盛選手を起用するという新井監督の采配が起きる。
だが九里投手がバントが出来ずに三振に終わると、秋山選手はヒットで繋いだが矢野選手がサードへのゴロで3塁ランナーが挟まれてアウト。
ランナーは23塁で小園選手の場面で末包選手の数字を考えると敬遠というのもあるのかなと思っていたが、勝負で追い込まれながらもタイムリーで試合をひっくり返した。
逆転してもらった九里投手であったが、勝てていない投手というのはそこで3人で抑えて戻るという事が出来ないのであろう。
岸田捕手に先頭ツーベースを打たれた。
だが走っている途中で何かがあったのか、岸田捕手が下がり代走が送られた。
泉口選手がバントで1アウト3塁となった所で、代打が長野選手で球場は盛り上がったが九里投手を新井監督は森浦投手にスイッチした。
長野選手を追い込みながらも四球で13塁となり、さらなるピンチとなって継投が大丈夫だったのかと思わせたが、続く丸選手を併殺打に抑えて九里投手の勝ち投手の権利は維持された。
その裏に坂倉捕手がホームランで4-2となって以降は攻撃は特に大きな事は出来ず、防戦一方へとシフトとなった。
7回表登板の矢崎投手は1アウトから四球、ヒットとピンチを招くが、坂本選手と秋広選手を打ち取り14球というピンチの割には少ない球数で耐えると、8回表の島内投手も途中出場の小林捕手にいきなり打たれ、2アウトから丸選手にもヒットを打たれるがオコエ選手を打ち取り、こちらもピンチの割には10球という少ない球数で凌いだ。
2点リードで最終回は中日のマルティネス投手よりもランナーを出さない栗林投手という事で、日本人最速100セーブに向けて安泰と思われたがここから思わぬ暗転をする。
吉川選手にヒットを打たれると、岡本選手にも打ち取りながらも内野安打で0アウト12塁。
さらに坂本選手にもヒットを打たれ3連打となると、レフトの末包選手が掴み損ねて2塁ランナーが止まったがホームに帰って来て失点となって、さらにアウトを1つも増やせなかった。
同点に追いつかれた時点で九里投手の今年初勝利も、自身が可能性を残している日本人最速100セーブの記録更新の可能性も断たれる中、秋広選手の打球は抜けそうになるが二俣選手がジャンプで捕球して2塁をアウトにして1アウト13塁となった。
そして小林捕手の場面で、カープは前進守備ではなく二遊間併殺の構えを取った。
その相手のシフトを見てか、巨人が取って来た作戦はなんと初球セーフティスクイズであった。
投手は取れなかったが、二俣選手が前進して素早くホームへ送球してタッチアウト。
ランナーが止まらずにホームに突っ込んで来られたら同点であったと思うが、相手のランナーは一瞬躊躇して止まった分がホームでもアウトとなった。
運もあり2アウト12塁となるが、泉口選手に四球を出して満塁とまたしてもピンチとなってしまう。
ストライク先行で進んでいても決め球が決まらないという所で苦しんで、代打萩尾選手を打席に迎える。
2ボールスタートで球場もざわつくが、何とかカウントを整える。
だが次のフォークが外れてフルカウントとなり、もう後が完全になくなったバッテリーは、思い切ってストレートを真ん中の構えに対して投げ込んだ。
球は少し浮いて見逃せばボールになった可能性もあると思うが、フルカウントでストレートを投げられると打者は見逃せない。
萩尾選手を空振り三振に仕留めて辛うじて逃げ切った。
1イニングで30球という栗林投手にとっては珍しい不調であったが、フォークが見極められカットボールが決まらず打ち返されという所が苦しんだ理由であろう。
その中で2アウト満塁フルカウントまで追い込まれたのは、栗林投手も腹を括ったストレートを投げるという選択しかなかっただろう。
本当に栗林投手が苦しみながらも最後の最後で踏ん張った所は守護神であると思うが、日曜日の試合はこの球数的にも投げさせるのは難しいように感じた。
そうなるとどういう継投を日曜日に描くかであるが、日曜日のマツダスタジアムはここまでカープは1点も取れていない。
そのトンネルをどう抜け出すか。
勝ち越しは決めたので負けたとしても、3試合に1試合無得点、ホームでは2試合に1試合無得点、日曜日のマツダスタジアムは無得点という、全ての条件が日曜日は無得点だと示しているだけに、ここだけは何とか阻止したい所である。