相手の阿部監督に「今日は勝ち」と言われる引き分けに終わった。

勝ちパターンを相手は温存に成功し、こちらは全て投入したという風に考えるとホームという点も踏まえると実質負けとなってしまうのも仕方ないだろう。

 

初回に2アウトから野間選手が3塁打を打ったが堂林選手が三振に終わると、九里投手もランナー出しながら粘りの投球で、完全に投手戦になった。

4回裏1アウトから野間選手が戸郷投手強襲のヒットで出ると、2アウトから小園選手も繋いだが、坂倉捕手がサード正面のゴロ。

それ以降はカープはランナーが出ず、防戦一方になってしまった。

 

6回表に門脇選手四球からゴロで進塁打となると、2四球だった丸選手を申告敬遠で歩かせて塁を埋めて、萩尾選手を打ち取った。

本当にピンチらしいピンチはその位だったと思うが、球数は109と6イニングとしてはかかってしまったので、交代になるのはやむを得ないだろう。

 

7回からは矢崎投手が上がるが先頭四球というスタートから、バントを阻止したが戸郷投手への代打を取りやめた相手サイドの連続バント作戦に対して、追い込みながらもバントを許してしまった。

さらに代打大城捕手の所の初球はバウンドもしていないのに坂倉捕手が弾いてランナーを3塁に背負うという、今日の大ピンチを迎えたが最後はセンターへのフライで凌ぐと、8回は島内投手が6球で抑えるという投球を見せた。

 

8回裏に高梨投手から1アウト後に代打二俣選手がヒットを打った。

この場面でカープの9回は12球団で最も安定している救援投手の栗林投手が行く事は決まっていた。

ならば、代走を送るのであれば羽月選手を送ってダメ元で走らせて勝負という場面であると思ったが、代走に起用したのは代打要員の宇草選手。

ここが今日の勝負のポイントだった。

盗塁で1アウト2塁で秋山選手に賭けるという選択をして欲しかった所であったが、代走要員が違った事で秋山選手が歩いて12塁を作ったが、1本じゃホームに帰れないという事で相手のプレッシャーもあまりかかっていなかった。

菊池選手の打球は進塁打にはなったが、1番頼りになる野間選手が打ちとられると、カープの勝ちの可能性はここでほぼなくなった。

 

栗林投手が三者三振で安定感を示した後は、益田投手がピンチを招いて塹江投手にスイッチして凌ぎ、中﨑投手も2アウトからヒットを打たれたがオコエ選手を三振に仕留めた。

だが前者は継投で時間はかかっているし、後者は球数が23球と20球を超えていては反撃ムードも起きない。

 

11回裏の菊池選手の打球がもうひと伸びでホームランという形であった位で、最終回の黒原投手は左打者に対してインコースに捕手が構える事は最後まで今日もなかった。

最後は右の坂本選手だった事で三振で切り抜け負けをなくした。

最終回は2アウトから坂倉捕手がヒットで出て代走羽月選手を起用したが、田村選手に代打松山選手では走っても歩かされるだけだっただろうし、相手側は余裕を持っていた。

ここで田村選手そのままか石原捕手を代打に立てていたなら、相手も少しは考えたと思う。

打者が松山選手なら基本は牽制アウト狙いで、走られたら申告敬遠でOKという形で投げられていた。

結果は誘い出されてアウトであっさり試合終了。

ここの作戦の組み方も首脳陣が悪かったように思えた。

 

そういうアウトになっても仕方ないというギャンブルをやるのであれば、8回裏に代走羽月選手を送って同じ事をして欲しかった。

最終回にそれをやっても歩かされるだけで効果は薄いように感じたし、結果大失敗で試合終了ではもったいない。

絶対的守護神を起用するのであれば、その前に勝負を仕掛けて点を取りに行くべきであった。

8回裏に攻めに行けなかった時点で、今日の勝ちは遠のいたように思えた。

 

負けなかった事で日曜日に5割に戻して遠征という道は残せたが、昨年までと違って巨人分析に複数配置していたのを辞めており、今年は岩本スコアラー単独先乗り担当である。

昨年阪神に対戦成績で大きく後れを取ったスコアラーでは、巨人の新戦力の分析の遅れも目立っているように思う。

特に昨年阪神のケラー投手に簡単に封じられた部分では、前年も見ていたはずでは?という思いもあり、この先乗りスコアラーでシーズン対戦成績で勝ち越せるのか?という疑問は拭えなかった。

 

打線が3点取れば勝てる。

その3点をどう取るかの作戦面も含めて、巨人との差は大きいなと痛感した試合でした。