自主トレでは遠藤投手が前田健太投手、森下投手と同じ所でやって次期エースへの道を進んでいたり、田村選手は松山選手とやって打撃の向上を図り、田中選手は単身トレでバットその物から改良してパワーをより強化する形を取り入れたり、現役ドラフトの内間投手はDeNA山﨑投手のツーシームに改良するという事で、その使い分けが出来るようになれば2種類のツーシームを操るとなれば本当に勝ちパターンに入れる可能性は高まる。

 

色々な選手が向上を図るべく自主トレのニュースとなっていたが、今回は新井監督と江夏氏の対談から今年のカープの展開を見て行く形にしようと思う。

 

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新井監督と江夏氏の対談で新井監督は金本氏に就任前に連絡をしていたが、結果的には頼るという事はせずに自身で決断している事が伝わって来た。

試合だけではなく、ファームの状態からの入れ替えやローテーションという部分の組み換えでの決断でもやる事がいっぱいあるという事が初年度の苦労として書かれていた。

 

前年の佐々岡政権3年目は「走塁改革」として盗塁練習と走塁練習をキャンプの全体練習に組み込んでいたが、イチロー氏は高校生に走塁・盗塁の指導をした時に「1塁ベースには反応で戻れる位のリードで良い。そうしたら牽制が来ても反応で絶対に戻れるから、後はフォームを見てGOで先の塁を目指すだけで良くなる」という指導をして記事にもなっていたが、そのタイミングで東出コーチと河田ヘッド(現ヤクルトコーチ)は「とにかくリードを大きく取る事で2塁への距離が縮まるので盗塁しやすくなる」という指導をしていた。

 

日本の野球選手で最多安打のイチロー氏と、河田ヘッド・東出コーチの指導は完全に逆であった。

私はブログの中で「どちらの指導が正しいのかは素人の私には分からないが、シーズン終了後にはどちらが正しかったかカープの盗塁数でハッキリするだろう」と書いている。

結果は新井監督が「前年度は盗塁を含めて走る事に消極的だった」としているように、カープ史上最低の盗塁成功数26で失敗数は29と盗塁成功率が50%にも届かないという散々な結果に加えて、盗塁阻止率も218とダントツで12球団ワースト。

明かに指導者のせいで数字が落ちた事は明白であり、河田ヘッドは辞任でヤクルトに戻り、東出コーチと倉コーチも事実上責任を取らされ2軍に回る事となった。

 

その改革に乗り出した2023年は、東出コーチが「走れる選手がそもそも少ない」と言い切っていたメンバーに変化はないのだが、盗塁成功数78、失敗数50で成功率は609と、1割以上も成功率を上げた上で盗塁成功数も3倍、盗塁阻止率も坂倉捕手が初の正捕手の年でやる事もたくさんある中で、阻止率は302と良い数字ではないけども前年度よりは8分以上の向上と、指導者が変わればここまで変わるのかという数字をたたき出した。

 

「成功したら選手の手柄、失敗したら監督の責任、自分は叩かれるのは慣れてますので」と新井監督が締めたが、選手の成功度の向上は指導者を新井監督に託すと決めたオーナーの英断が実った形となった(本来の監督手形の順番から言えばまだ新井監督にはならないはずであったので)

 

江夏氏が2024年の展望を聞いた時に、投手よりも得点力という部分を課題に挙げていた。

「外国人が全て代わるが実際にどこまで戦力になるか判断できない」とした新井監督であるが、若手を育てて阪神のようにレギュラーの野手陣の固定を若い年齢で構成したいというのが伝わってくる内容であった。

江夏氏も最年長が梅野捕手(32歳)と年齢構成の完成度に触れており、しばらく阪神の強い時代が続くと新井監督も認めている。

 

そこをどう対策するかの中で、カープは先乗りスコアラーの配置変更を行う事となった。

4人のスコアラーが各自の担当球団を持ち、残る1球団を複数人が視察するというフリー枠になっており、21年、22年はヤクルト、23年は巨人に設定されていたその枠を今年は阪神に設定するという事が公開されている。

 

4人のスコアラーというと、白濱氏(中日)、玉山氏(ヤクルト)、土生氏(DeNA)、岩本氏(昨年阪神)という事になるのだろうが、岩本氏が巨人専任に回ってという形になるのだろう。

先乗りスコアラーとしては最終年以外は常に勝ち越していた吉年氏がチーム付になって個別担当がなくなってしまったのが痛かったように思うが、パリーグ専任の庄司氏と分析担当の一岡氏も含めた裏方の成果は非常に戦いには重要である。

土生氏がDeNAに就いてからは苦手だった横浜スタジアムでも勝てるようになって来ているし、この変更で阪神との対戦成績と巨人との対戦成績の2つがどう変わるかには注視していきたいですね。