今日の試合は左打者に強い左投手のピーターズ投手(来日して無敗)が先発という事で、カープも磯村捕手以外の右打者を全員スタメンに組み込む形で勝負に出たが、初回の1アウト満塁のピンチを森下投手が凌いだ後は、高レベルの投手戦となった。
1回裏から7回表まで、ヤクルトが出したランナーは3回の山崎選手のヒット1本のみ。
カープが出したランナーは、4回2アウトからの秋山選手の2塁打、5回の堂林選手のヒット(次エンドランで空振りで盗塁死)、6回の森下投手の失策出塁(続く菊池選手併殺でチェンジ)の3人だけ。
球数も7回表で森下投手が105球、6回裏でピーターズ投手が78球。
ここまでの投手戦だと作戦も何もあったものではなく、そもそも残塁が1というカープはまたしても左腕にやられるのかという空気も漂った。
だが勝負を大きく分けたのは、7回1アウトからの秋山選手への死球だったのではなかろうか?
ヤクルト投手陣が死球の数がリーグトップであり、DeNA戦の時は3死球で乱闘寸前まで行っている。
インコースが抜けての死球であったが、それ以降は打者のインコースに攻めれなくなっていた。
その結果、外中心となるがコントロールが乱れてマクブルーム選手四球。
そして西川選手が上手く拾ってタイムリーで先制をした。
その後代走曽根選手を切って勝負をかけて堂林選手が内野安打で繋いだが、會澤捕手が投手への併殺に倒れて1点しか取れなかった。
それでもここで代走の切り札羽月選手ではなく、曽根選手にしたのは1つのファインプレーだったように思えた。
8回表にターリー投手が連打を浴びるが無失点で凌ぐと、その裏に代わった大西投手から田中選手がヒットで出ると、矢野選手を代打で送りバント、そして菊池選手がタイムリーで2-0。
秋山選手の死球から8回裏のこのタイムリーまで、ほぼインコースがなかった。
死球でコーチが騒動を大きくしたと報じられた事で連敗が続いているという部分で、ヤクルトサイドに余裕がなくなっているのかなと。
代打の切り札松山選手は倒れた後、秋山選手は申告敬遠で迎えた場面で、カープは曽根選手の所に代打で坂倉捕手を起用した。
ヤクルトも左の山本投手を起用して左対左というのは想定された展開であったが、ここもインコースに投じられる事はなかった。
外に張る坂倉捕手の読みが当たり2点タイムリーで4-0。
秋山選手への死球が四球であれば、この試合は分からなかったと思う。
だが死球だった事で、そこからヤクルトの配球が外一辺倒になった。
死球を貰った事が、今日の投手戦の勝負を分けたように思った。
準備をしていた事で、4点リードでも矢崎投手がマウンドに上がったが、8球連続ボールで2人のランナーを出すと、代打武岡選手の打球がレフト前に落ちて0アウト満塁という大ピンチになってしまう。
中村捕手に初球の甘い球を打たれて犠牲フライとなり、ついに無失点記録は途絶えた。
なお1アウト12塁というピンチであったが、長岡選手をファーストゴロで進塁打となったがアウトを2つにすると、打率299という高打率なのになぜスタメンから外れたんだろうと感じていたサンタナ選手が登場。
1発で同点という場面であったが、フルカウントから最後は何とかサードゴロで凌いで試合終了。
森下投手に待望の白星が付いた。
久しぶりのカード勝ち越しで貯金1。
阪神が巨人に勝った事で3位に浮上した。
阪神が直近15試合で14勝(1敗はカープが付けた物)という圧倒的強さの陰に隠れてはいるが、解説者から最下位予想が大量であったカープの下馬評の低さを考えると、交流戦前で5割以上確定というのは健闘している方ではないだろうか?
その一方で連覇していたヤクルトは9連敗となり自力優勝が交流戦前に消滅した。
おそらく前年優勝チームが交流戦前に自力優勝が消滅したのは史上初だと思う。
◆なぜヤクルトがここまで苦しんでいるか?。2019年のカープに近い状態に陥っていると感じた部分。
カープも3連覇の後に丸選手移籍の穴を言われたが、リードオフマン田中選手が怪我もあり低迷した事や、守護神中﨑投手も怪我で不振だった事が大きかった。
当時の佐々岡コーチの案で一岡投手と中﨑投手以外は全員先発調整という方向にした結果、中継ぎ調整の2人は共に怪我。
先発調整から中継ぎにした投手も相次いで不振、その年に雇った新助っ人投手も通用しなかった。
シーズン中盤には監督と選手の隙間風が監督の野間選手の暴行事件で明るみになり、軸の選手だった助っ人選手がドーピングに引っ掛かり事実上の解雇になると、最後は3番打者がいないなら4番を3番にすればいいと鈴木選手以降の打順を1番ずつ上げたが、最終成績は5割で連覇はおろかAクラスも逃す結果に終わった。
守護神にフランスア投手を抜擢したが、その前を投げれる投手もいなくなったのである。
今年のヤクルトも軸であったリードオフマンの塩見選手が複数回の離脱、柱の青木選手も不在、3番山田選手も先日下半身の違和感で今日の試合欠場、抑えのマクガフ投手が退団して田口投手を充てた結果、中継ぎが1枚足りなくなりそこを埋める為に雇った助っ人救援投手が失敗という部分も、カープの2019年に非常に似ている。
ヤクルトが本当に立て直しを図りたいのであれば、村上選手を3番に上げてオスナ選手を4番、チームで1番打率の高いサンタナ選手を5番で固める事であると思う。
1番打率が高い打者が今日スタメンじゃないという時点で、求心力は失われているのではないかと感じる。
3番4番は日替わりだとチームが安定しない。
今年の村上選手はWBCの球速に合わせた影響で選球眼は健在であるが、恐さは昨年よりは減っている。
だが3番になって出塁が増えれば、オスナ選手とサンタナ選手で返す野球は可能であると見る。
先発投手でも小川投手とピーターズ投手の長いイニングが投げられる2投手を、土日に固めていては中継ぎの助けにならない。
カープは長く投げられる九里投手と森下投手をカードを分けて5割付近にいる。
ヤクルトもこの二人を分ける事で、中継ぎ陣が休める日が作れるはずである。
そういう当たり前の考えが昨年出来ていたチームが、今年の開幕と5月でここまで雰囲気が違うかと正直驚く位に出来ていないのである。
もちろんヤクルトの詳しいチーム事情は、カープファンの私には分からないけども、打てる手はあるのになぜ打っていないのか?という疑問を感じている。
先日の神宮で照明が目に入って落球した選手に対して「顔面に当ててでも止めるという姿勢がない」と高津監督が言っていたが、今の若い子はこういう言葉をいう指導者に付いて来れない。
新井監督なら「照明なら仕方ない。次に活かしてくれれば」で終わっていただろう。
高津監督がこの発言は良くなかったと選手の前で頭を下げるという事が、チームの立て直しには必要だと他球団ファン目線で感じたという事である。
明日はアンダーソン投手で相手が小川投手で少々苦しいが、ここを取れれば交流戦にも勢いは付いて入れるだろう。
何とか貯金で入れるように頑張って欲しいですね。