カープと巨人の両球団が、今年12月に38歳となる長野選手の無償トレードの合意を発表した。
カープ側からの提案に巨人が受け入れの返答をした事で、このタイミングでの移籍発表となった。
↑詳しい経緯については、デイリースポーツが1番分かりやすく解説しているので、気になる方はこちらをご覧ください。
カープは昨年から長野選手と話し合いをする機会がある中で、出番が限られて来ている現状に対して鈴木本部長が「巨人での引退」という最後の形を考えるようになっていたそうである。
例年であれば夏場に活躍をする事でカープで代打で存在感を持っていたが、今年はコロナもあってか夏場でも数字が上がって来る事がなかった。
そしてカープはレギュラーとして6月に秋山選手を獲得。
2000本安打まで面倒を見る事は獲得時に事実上表明したような形となり、1枠は既に埋まっていた。
そして野間選手と西川選手のFA移籍がなく残留となると外野は既に埋まっており、そこから若手も使っていくとなると、来年からは必然的に長野選手には代打1本しか道がなくなった。
だが巨人復帰であれば、たまにスタメンもあるかもしれない。
そういう方向で考えるという事は本人にも伝えていたことで、巨人側にも夏場から尋ねるなどして、ドラフト・戦力外通告が終わり巨人サイドの受け入れ表明の返答が来て、新井監督も「今が1番良いタイミング」と放出に理解を示した事で代わりの選手も求めないという無償のトレードが決定した。
減額制限を打診している時点で、長野選手自らが自由契約を選択して退団。
もしくはFA権行使での移籍模索という道もあったが、それを断り契約するという方向を本人は意向として示していたが、球団はトレードをまとめたという背景であった。
■長野選手も会見でひげを剃り、涙を流した。
↑全ての質問と回答はデイリースポーツの記事をご覧ください。
長野選手の会見も行われ、送別会は受け付けないなどのらしさ全開の会見であったが、カープファンへの言葉を求められると涙を流したという文が残っていた。
人前で泣かない男が見せた涙は、カープの配慮への球団・ファンへの感謝の想いがあふれたのであろう。
退団で泣いてくれたという事であれば、カープにとっても良いトレード放出であったと思う。
元々引退後は巨人で指導者だろうと思っていたので、いずれは返す事になる人材である事は人的補償で指名した時から分かっていた。
当時の巨人が若手を多くカバーした事で、カープが獲得出来る候補は長野選手か亀井選手か谷岡投手の三択であると見ていた私であるが、決定発表直前には長野選手ではなかろうか?と分析していた。
というのも、丸選手の移籍には人的補償+1億500万という補償金が付くので、長野選手への実質負担は1億1500万だったからである。
そしてその当時の私のブログでもこのように書いている。
↑当時のブログはこちら。
「巨人では年々出番は減っていたが、カープでは使い方を間違えなければ後3年はやれる。丸選手が移籍していなかった場合は6年はレギュラーで使わざる得なかった。そう考えると世代交代の流れも作りやすくなったという所はカープにとっては大きなプラス」
出来る補強の中では当時代打1本の亀井選手より、スタメンで出れる可能性がある長野選手という選択が1番良かったのは間違いなかった。
そして一定の力を発揮したのが2021年までの3年間で今年は低迷と考えると、私の「後3年はやれる」という見立ては間違っていなかった。
ただ大きな誤算としては、外野の世代交代は進んだがレギュラーと控えの選手の差が大きくなってしまった事でAクラスをこの4年で1度も達成出来なかった事である。
今ではカープは外野があふれる位の選手がおり、逆に内野が足りない状態である一方、巨人は右の外野が不足していた。
ちょうどいいタイミングというのは、まさにこの事であろう。
来季は巨人の長野選手という事になって、カープとしては丸選手を失っただけに終わったと思う人もいるだろうが、このまま長野選手を抱えていても球団としては年俸高いのに2軍固定では厳しかった。
来季35歳以上のベテラン枠では松山選手と會澤捕手と秋山選手で十分足りており、そこの世代は減らす必要性もあった。
また西川選手か野間選手がFA宣言であれば、こういう話はなかっただろう。
色々な流れでこうなったが、数年以内にあるであろう長野選手の引退試合はカープ戦で行われる事はほぼ確定事項ではなかろうか?
カープで果たした色々(ここではあえて書かないが)な役割は数字以上に大きかった。
人的補償で来た時は複雑な想いはあっただろうが、良く貢献していただいたという感謝の気持ちしかない。
来年は他4球団相手に爆発してください。
うちには勘弁してくださいませ。
なお12月まで練習施設はカープの施設を使って構わないというオーナーの意向が伝えられており、もしかすると12月頭までは広島で練習するかもしれませんね。
当時のレギュラーのスター選手が人的補償というのは衝撃的であったが、本当に4年間お疲れ様でした。