今日の試合を私はナイターだと思って寝ていたら、デーゲームという事で非常に驚きましたがスコアを見てさらに驚きました。

 

良い所が何もなく完敗。

対巨人に5連敗という7年ぶりの屈辱を味わい単独最下位転落など、非常に厳しい数字が並んでいる。

なぜここまで弱くなってしまったのか?

ファン目線で分析してみる。

 

◆要因1.コーチの指導力の低下。

 

まず数字を見てみよう。

()はリーグでの順位、名前は責任者のコーチ名。

 

2015年 新井コーチ。チーム打率246(5位)、平均得点3.54(3位)

      畝コーチ。チーム防御率2.92(2位)、与四球419(2位)

 

2016年 石井コーチ。チーム打率272(1位)、平均得点4.78(1位)

      畝コーチ。チーム防御率3.20(1位)、与四球418(2位)

 

2017年 石井コーチ。チーム打率273(1位)、平均得点5.15(1位)

      畝コーチ。チーム防御率3.39(3位)、与四球476(4位)

 

2018年 東出コーチ。チーム打率262(3位)、平均得点5.04(1位)

      畝コーチ。チーム防御率4.12(3位)、与四球535(6位)

 

2019年 東出コーチ。チーム打率254(3位)、平均得点4.13(4位)

      佐々岡コーチ。チーム防御率3.68(2位)、与四球513(5位)

 

2020年(7月31日分まで)

      朝山コーチ。 チーム打率281(1位)、平均得点4.50(3位)

      澤崎コーチ。チーム防御率4.39(5位)、与四球125(5位)

      ※最下位の中日は試合消化が3試合多くて与四球128なので実質最下位。

 

◆これだけみると、2015年は指標上は1位なのに4位という数字になったが、チーム打率は新井コーチと緒方監督の内乱が報道されるなどして5位であったが、得点力は3位と苦しいながらも運用していたことが分かる。

前田健投手、黒田投手、大瀬良投手、野村投手、ジョンソン投手に福井投手と戸田投手が絡んでローテが余ると言われた投手陣は防御率、与四球共に2位で一定の数字を出した。

 

2016年は石井コーチに変わり、投打で圧倒的な成績で1位。当然優勝出来るだけの数字である。

2017年は打撃部門は最高値になる代わりに、投手力が黒田投手引退でやや落ちる。

2018年は石井コーチがヤクルトに行き、東出コーチになりチーム打率は下がるが得点力は維持。

逆に与四球がリーグワーストに転落し畝コーチから佐々岡コーチに責任者が交代という形になる。

 

2019年は真価が問われたが、チーム打率は下がり平均得点も1点ダウンと丸選手の移籍の穴が完全に露呈した。

防御率は佐々岡コーチで改善したが与四球は5位であった。

 

2020年は朝山コーチになり、チーム打率は7月31日終了時点でリーグ1位。2015年から振り返っても1位の数字であるが、平均得点は2016年にも及ばない3位止まり。

打順の組み方の悪さが露呈している事に加えて、澤崎コーチが13年ぶり1軍コーチであるが防御率は過去6年で最悪の数字となり、与四球も試合消化が少ないのに5位と3試合消化が多い与四球最下位の中日とは3しか差がなく、投手が相手と勝負しきれていない現状が露呈している。

 

この数字を見たら打ち勝つ野球にしか活路を見いだせないと思うのであるが、そういう野球が出来ていない。

 

◆要因2・バント野球

 

次にバントと盗塁を見てみよう。

 

2015年 バント135(3位)、盗塁80(4位)

2016年 バント91(3位)、盗塁118(1位)

2017年 バント116(1位)、盗塁112(1位)

2018年 バント109(1位タイ)、盗塁95(1位)

2019年 バント111(1位)、盗塁81(3位)

2020年 バント30(1位)、盗塁15(4位)

 

昔からカープは犠打もするが、それと同じ位盗塁も敢行していた。

盗塁が1位の年は優勝している。

ところが今年はバントの数と比べて盗塁の数が圧倒的に少ない。

バントだけで他球団より消化数が少ないのに既に30個のアウトをプレゼントしている計算である。

ワースト2位が5位の中日で犠打が28、次のヤクルトが22と上位になるほどバントは少ない野球になっている。

そもそも投手力がかなり落ちている中で、守り勝つ1点を目指す野球というのはチームにマッチしていない。

リーグどころか12球団で最強のチーム打率を誇る打線を持ちながら、犠打数も1位、盗塁は4位では攻めきれていないと言えるだろう。

パリーグの最下位も、犠打数が他より多いオリックスとなっている。

オリックスの場合はチーム打率が245でDH制もあるのでバントが多くなるのも分かるが、281のカープがバントに頼るというのは厳しい数字を示していると思う。

 

◆要因3・トラックマン未所持と、スコアラー力、スカウト力の大幅な低迷。

 

カープの上位を支えていたのはスコアラー部門とスカウト部門であったと思う。

その重要性を理解しているからこそオーナーは資金を珍しく拠出し、カープアカデミー再建、海外スカウトをシュールストロム氏1名からマクレーン氏を追加し、今年からエルドレッド氏も追加して、東、中央、西の3か所に分散してチェックという体制を作り上げた。

それでも、今年の獲得した助っ人を見ると機能したとは言い難い。

 

またスコアラー部門も頼れるのは対巨人を圧倒した吉年現中日担当スコアラー1名のみ。

井生スコアラーの出世で、本来は経験ある田中スコアラーと玉山スコアラーが引っ張っていく必要があるのだが、田中スコアラーは担当チーム3年連続負け越しにばく進しており、玉山スコアラーは新井氏が信用できないと名指ししただけのことはあり、対巨人1勝6敗1分と既に今年の戦犯に名前が上がる始末である。

 

スコアラーの重要性を感じ、1名ずつ増員し今年はパリーグ担当まで新設するなど合計9名にまで増員している。

スコアラーリスト。

◆飯田スコアラー(3軍スコアラーだが選手の動作解析やデータ分析に従事)

◆奥スコアラー(昨年巨人担当、今年は担当はなくまとめ役の模様)

◆庄司スコアラー(パリーグ担当スコアラー兼編成部)

◆岩本スコアラー(ヤクルト担当)

◆玉山スコアラー(巨人担当)

◆田中スコアラー(阪神担当)

◆吉年スコアラー(中日担当)

◆土生スコアラー(横浜担当)

◆岸本スコアラー(2軍担当?詳細なく不明)

 

だが彼らの調査不足を補えるスイング速度の分析が出来るトラックマンが導入されていない為、11球団が持っている情報を我々だけ持てていない。

もしトラックマンがあったならば守護神問題も球の回転数などから選出する事が出来ただろうが、未だに日替わりという事になっている。

 

鈴木本部長はトラックマンがあったらホームラン打てるわけではない。という理由で却下したが、回転数やスイング速度でその選手の好不調が試合前に判断できる相手と、試合で判断しなきゃならないカープ。

導入完了年の翌年から顕著に成績に出るとアメリカの結果で言われていたが、この差がかなり顕著になってしまった。

この責任は松田元オーナーと鈴木本部長の2名の導入しない判断をした責任者が負うべき責任であろう。

 

◆要因4・一体感も目的もないチームの雰囲気。

 

選手会長に田中選手が就任したが、その本人の成績が2年続けて低迷しており周りにどうこう言える感じにないのだろう。

新井氏や黒田氏がいた頃なら100%出来なかった負け試合での笑顔や、1つ1つのプレーに対する集中力は明らかに欠けており、指導者の限界が出てしまっている。

チームの為にという言葉を鈴木誠選手が声高に叫ぶが、残念ながら大半の選手はチームの為には戦っておらず、自分のお金の為に戦っている。

だから競争相手が凡退するとベンチで笑顔になってしまう選手が実際テレビで何度も抜かれている。

具体名を書いて球団ご意見に意見した事もあるが、ああいう姿は昨年まではなかった。

おそらくだが、緒方監督が鉄拳制裁をしていたからこそ集中していたのであろう。

 

暴力は良くない事であり、佐々岡監督はそういう物とは無縁であるからこそ監督にされたわけであるが、その優しさに選手のほとんどが甘えてしまっている。

佐々岡監督も監督特有の好き嫌いはあるのだろうが、好かれている選手のミスは非常に甘い指導であり、苦言でもあるが期待はしていてもそこまで好きではない選手には容赦ない言葉を浴びせている。

この差が選手のやる気を下げていると感じる。

 

◆要因5・オーナーチェンジに向けて体制変更をやっている最中である。

 

球団も「つなぎの監督をやってくれそうな金本監督案」を観測するためにゲンダイから情報を流してみたが、評判は佐々岡監督以上に悪い。

山﨑氏が1軍監督に内定しても年間チケットを購入してくれる地元財界の評判が悪くてなれなかったように、金本監督もファンからの評判はかなり悪い。

 

新井監督に繋ぐ為に金本監督をやりたい。というのが松田元オーナーの本音である。

球団経営が苦しく残留をしたがってた金本氏をFA放出せざる得なかった事を最後まで悔やんでおり、何とかもう一度カープのユニフォームを着せたいとオーナーは思っている。

それを見届けたら代行の一宏氏に正式オーナーになってもらって身を引く予定なのだろう。

 

地元財界との顔合わせの挨拶、ドラフト会議などでも既に一宏氏が主体となって動いており、また一宏氏体制の為にスコアラーで成果のあった井生氏や、ドラフトで成果のあった田村氏を重要なポジションに出世させ、バトンタッチに向けて動いているのは非常に伝わって来る。

一宏氏は外部からコーチを呼ぶ必要性を説いて、自らが交渉役として新井コーチを呼んでくるなど動けるオーナーである事は間違いないが、急な体制変更はできないだろうと周りから変えている段階であった。

 

今年はバトンタッチに向けた体制変更をして若い人材の出世も増えているので、チームの勝敗部分に関しては最初から度外視なのだろう。

だからこそ、補強に動く事もなく資金を最小限にとどめようとしているのが伝わって来る。

そういう身内の変化は選手は敏感に感じ取る物である。

新しい体制では自分が必要とされるかは誰も分からない。

唯一メジャー挑戦という目標がある鈴木誠選手だけが左右されずに動けているのも、そういう事なのだろうと。

 

◆要因6、若手はチャンスなのだが、突き上げがない。

 

1軍の選手が不振であればそれを若手が掴んで飛躍につなげるチャンスであるのだが、ショートの田中選手が明らかな不振であるのだが、若手のそのポジションの候補選手が悲惨である。

 

7月終了時点でのショートが出来る選手の2軍戦での成績。

 

小園選手 打率195

韮澤選手 打率189

中神選手 打率172

 

セカンド要員である羽月選手がショートがやれるなら打率333なので即1軍であろうが、上がれないという事はそういう事なのだろう。

 

二遊間の若手候補は出場機会を多めに貰えているはずなのだが、揃って1割代ではどうしようもない。

若手の育成という名目はあっても、最低でも打率2割5分はないと昇格はさせられない。

打率1割の選手と入れ替わる1軍選手に説明できないからである。

 

ポジションを奪えるチャンスに1ヶ月で全く上がってこない小園選手を見ていると、オフにどういう過ごし方をしたのか?という思いしかない。

2軍戦でもまだ本塁打はなし。

昨年1軍のレギュラー候補まで行った選手が、なぜこうなってしまったのか?

この辺りにも今年の低迷の要因があるように感じますし、投手でケムナ投手が今日は大炎上してしまいましたが、それでも2軍で結果を出して1軍に顔を出している若手もいる。

そんな中で、期待の若手陣が2割すら打てないというのは厳しいの一言である。

 

投手のドラフト1位コンビの岡田投手、矢崎投手も全く出て来ませんし(矢崎投手は3軍である)、この辺りのドラフト1位が機能していないというのも、今年の苦しさに現れている。

せっかくのチャンスなのに、名乗りを上げるスタートラインにすら立てない若手は、このままだと次の若手にとってかわられるぞ。

 

そういう意識を持っている若手が少ないからこそ、鈴木誠選手の苦言に繋がっているんだろうなと。

 

本当に投打で非常に厳しいですけども、何とか立て直して貰いたいですね。