中国相手に戦うなら、「武器」ではなく、「ビジネス」で! | ☆~南蛮クロニカ~☆ ビジネス日記 in スペイン

☆~南蛮クロニカ~☆ ビジネス日記 in スペイン

失業者800万人!? サッカーと芸術とグルメで世界中に夢と愛を与える国スペインに「恩返ししなきゃ!」と起業したワタシ。果たして本当に恩が返せるのでしょうか? 

スペインで仕事をしていると、中国の話がよく耳に入ってきます。

大企業や商社などではなく、個人起業家のレベルが
コンテナ単位で、オリーブオイルやワイン、牛乳やはちみつなど、

スペイン産食材を中国に輸入していると言います。

先日も、中国まで物資を運ぶ貨物船が準備を全て整え、明朝出港という段階に
「中国の入港地を変更したい」という、常識上あり得ない注文が入り、
スペイン取引先の営業担当者が、泣く泣く、輸出書類担当者に連絡するシーンを目撃。

 

輸出書類担当者は、

「大丈夫だよ〜!」と簡単に対応。その声の、頼もしかったこと。
彼の迅速な対応と、困難に動じない豊かな感情のおかげで、入港地変更は一件落着。

 

「中国は世界の貿易の常識を変えているよ」

営業担当者は、フーッとため息を混ぜ、何度も首を振りながら、感心していました。


「すげえよなー」

「昨日まで洋服売っていた小僧たちが、この仕事は儲からんと判断したら、
翌日には『ハイ次!』ともう商売を変えているんだよ。

あの早業には、驚くよ。誰にも真似できないよ」

 

とも。

個人の起業家の実力が、日本の大企業レベル。
このレベルの人たちが何万といる中国。

経済力が、もう、全然違います。

私、80-90年代の、日本がまだバブルの猛威を振るっていた時代、
台北の商社でOLをしていたことがあるんですが、
あの時の日本のバブリーな勢いを思い出すたびに、時代は本当に変わったんだとつくづく感じます。


あの時、日本から来て、私の行く末位を心配してくれた日本人ビジネスマンたちの
判で押したような言葉を、セピア色の写真を見るように思い出します。

「給料の高い日本で仕事しないなんて、君はバカだ。

こんなところにいると仕事できない人になっちゃうぞ」

そんなアドバイスを「いやーどうかなー?」と半疑で聞きつつ、
当時、東京から台北に遊びに来る友達(20代前半)が、平気で10万円以上もする腕時計買うのを横目で見ていましたが、

 

「給料の高い日本で仕事しないなんて、君はバカだ」と堂々と言える時代は、去ったと思うわけです。

あの時、日本人が、どう旅行して良いのかあまり情報がなかった中国。

「中国を旅行した」という人には「えー、どうやって?」と質問攻めにしていたっけ。


時代は変わりまして。


今、中国では、個人の起業家が、ものすごいわけです。

金勘定が非常に上手で、自分のビジネスのために世界の常識を変えられる人たちなのです。

常識ある国から悪口言われても、どこ吹く風。
中国人たちに、「あいつら老外(ガイジン)だから」と、逆に思われる程度です。

今、一番儲かるのが中国との貿易だと、彼らはわかっているんです。

スペインは、過去、世界の半分をモノにしていた大国です。
南米も米国もキューバもフィリピンもユダヤ人も安土桃山も、とにかく世界の歴史を変えた国ですよ。
悪いこともし尽くしたのですが、
言語も、米国の第2共通語、国連公用語と化すほど、
西暦1500年前後のスペインが、今の世界に影響を及ぼしている。

でもかれらは、全然過去の栄光にすがっていません。
長いモノに巻かれて、自国の利益を守り、上手に立ち回っています。
中国人との共存の道を探っています。
 

一方、日本は・・・改憲、戦争、徴兵議論、ヘイトスピーチ、デモ、などで、
政治家も若者もエネルギーを使い果たして、クタクタになっている姿が、不憫で仕方ない。

政治家たちは頭を柔軟にしたらよいのに。
今の中国は、経済レベルが違いますよ。

中国人は、お金を儲けたいんです。
戦争なんてしたくないわけです。
世界の国も会社も人々も、お金を儲けたいのです。


日本は、戦ったら失うに決まっているお金や、若者という人材を大切にし、
お金と若者の命を生かすビジネスを生む政治に向かうべきです。
 

第2次大戦後、負けた日本人たちは米国の経済力を目の当たりにし
「こんなすごい国と戦ったんだ。負けたのも当然だ……」
そう思ったと言うじゃないですか。


中国と戦っても同じことになるはず。


中国相手に戦うなら、「武器」ではなく、「ビジネス」が絶対お勧め。
世界経済を担う個人個人が豊かな経験を通して心も懐も潤うことのできる、
正々堂々としたビジネスを立ち上げるのです。
個人レベルでいいんです。

 

若者や、人生をやり直してみたいと思っている人々は
外国語を一つでも多く覚えて、なんか楽しいビジネスをはじめたらよいのに。


日本なりに長いモノに巻かれつつ、中国マネーを取り込める商売は?
経済で活気を取り戻す社会(=収入を増やして人生を楽しむ自分)を夢見て、
前向きに頑張れるビジネスって、なんだろう?

起業は、最初は試行錯誤の連続だし、言葉も覚えるまでに忍耐と継続が必要だけど、
一旦身につくと、お金では買えない自由が手にはいります。


最初は年収なんて、なんとか食べていける程度かもしれませんし
大きくなろうと焦る必要もありません。
でも、一人一人が経済を回し始めると、それが徐々に大きな歯車になっていくはず。

社会を良くするのは、そういう「正」の連鎖。
最近、つくづくそう思います。