みなさん、こんにちは!
すっかりご無沙汰しています。日本の大雪なんですね。
こちらも暖冬だったのに、いきなり極寒状態に。
北半球は確実につながっていますね。
さあ、早速今日の話題をおしゃべりしましょう!
「たえちゃん、送ったからね」
真由美さんにそう言われていた幻冬舎の文学雑誌『パピルス』Vol.64が届きました!
昨年9月はじめにトレドで開かれた魔女会議について書かれているとのこと。
どれどれ。
うふぉー!
うんうん、書いてある、書いてある。
『人生で大切なことはすべて旅が教えてくれた』がタイトルのエッセイ。
スペイン編・前編の主人公は、バルセロナに住むサッカー少年たちと、
『海外在住メディア広場』管理人の椰子の木やほいさんご夫妻です。
私は、ロックに例えるならベース、浄瑠璃に例えるなら三味線役で登場。
エッセイの水先案内人っぽく書いていただいています。
真由美さんは、感動の達人です。
素直な感動からエネルギーを作り出し、漏らさず「言葉」に還元するのです。
真由美さんの感動エネルギーの単位を「マユミー」とし、1カロリーを1マユミー、一般的に摂取すべき食物からの熱量1500カロリーを「1500マユミー」と表すとしましょう。
彼女は平均10000マユミー、ときには30000マユミーのエネルギーを平然と放出しますから、編集者さんであれ読者さんであれ、彼女の文字を摂取した人はとても元気になるのです。
『パピルス』のエッセイは、50000マユミーは軽く出ていました。
マユミー粒子が余すところなく飛びかっています。
実は私もまたかなりの感動屋で、ポジティブ・エネルギーを放出して熱くなるタチなのだけど、周囲から「感動しすぎだよ」「暑っ苦しい」とよく制されます。
今回、それは話し方が下手だからだとわかりました。
トレドでは、箸が転んでも笑いそうな勢いで、目をキラキラさせながら、何が可笑しいのか、それがどうして面白いのか、なんでも話してくれた真由美さん。
お話の仕方がまたとっても上手で、細部から細部まで丁寧に楽しく話してくれるので情景があれこれ浮かび、いつまで聞いていても飽きないのです。
「もっと話して~」とおねだりしたくなるほどでした。
さてこの9月、真由美パワーを直に受けつつも、「もしや……」と思っていたことがあります。
「鹿児島」というキーワードです。
鹿児島県は、西郷隆盛、京セラの会長・稲盛和夫さんという、日本の政財界の超大物を輩出。
また、シンガーソングライターの吉田拓郎さん、長渕剛さん
私の好きな作家で『西の魔女が死んだ』の著者・梨木香歩さん、
フレンチの鉄人・坂井宏行さん、
歌手の森進一さん、元ちとせさん、中島啓江さん、
俳優のフランキー堺さん、坂上二郎さん……も、鹿児島県人ではありませんか!
これらすごい方々の雰囲気に共通するものを感じます。
それは、パワーと癒し。
日本の最南端で、海原のすぐ向こうが隣国であり、長い歴史を通して外国と接触があることが普通だった鹿児島。
生まれつき外国と接する環境では、バランスを取ろうとする感覚が身につくのでは?
外国と、東京を中心とする日本の間で、上手に生きるための戦略を考えるのは、極めて自然な感覚ではないでしょうか?
日本の内側にいてはなかなか身につかないバランス感覚が本能的に身についているとしたら、鹿児島出身の有名人たちが各分野でずば抜けたリーダーになっているのも、理解できるような気がします。
この鹿児島・九州に、38歳までずっと住んでいたという真由美さん。
その土地独特のメンタリティと、女性であるという宿命に向き合って、
50種類も仕事を変えながら。
あなたは九州の純粋培養エネルギーだったんですね、マユミーちゃん!
へえ、九州か……。
私は小田原です。東京も横浜も近いですし、サザンが歌った江ノ島も高校の窓から見えました。
私の地元の有名人は二宮金次郎と北条早雲。話に出てくる歴史は、豊臣秀吉の小田原攻めが多いです。
九州とはほとんど縁がなく、幕末の維新のことも、正直な話、他人事な感覚です。
そのうち、わたしにとって驚愕のある事実が判明。
マ「あのね」
私「なーに」
マ「あたしの町では、あたしたちの時代でも、集団就職があったのよ」
私「ええっ!」
そんなの母の時代の話で、とっくに終わっていたと思っていた私。
この衝撃から生まれた「あたしたち異人同士!?」感覚は、半端ではありませんでした。
(あたしたち、共通語が日本語というだけの、異郷の者同士?)
日本をこのように捉え直してみるのは、不思議な感覚でした。
たしかに、鹿児島だの奄美大島だのは、私にとっては外国より遠い異国なのです。
この時、頭の中でぐるんぐるん鳴った音楽は、中島みゆきの『ファイト!』
東京に行きたくても田舎と家族の圧力があって夢を果たせず、東京行きの切符を握りつぶした女性の部分です。
そうかー、そうだよなー、
世の中では、東京にいる人たちよりも、いない人たちのほうが圧倒的に多いのだ。
土着のしがらみを受け入れ、
時には耐えて、
その掟の中で達観し、
前向きに生きるコツを見出して、
なかなか実現できそうもない夢はきっぱりと諦め、
けなげに頑張って生きている人たちのほうが圧倒的に多いのだ!
そういう人たちにちゃんと目が行き届き、彼ら・彼女たちの心を理解して、
「こうしたらいいかもよ」って声をかけ、やりきれない気持ちをスッキリ整理するお手伝いをしながら、
彼ら・彼女らの気持ちを代弁し応援しているのが、真由美さん流の仕事論の本の数々であって、
それはとりもなおさず、「仕事論」を通した日本論なのかもしれない、と思い至ったのであります。
真由美さんがトレドにいた3日間、わたしたちはワイワイキャーキャーやっていたのですが、
心の奥では、たえずそんなことを、大晦日の夜空に響き続ける除夜の鐘のように感じていたのでありました。
そんな私たちにも、共通点があります。
ポジティブに生きること、興味あることに取り組むこと。
「もうこれで十分」と思ったら、次の目標にすぐ進むこと。
これを続けていると、好きなモノ、自分に合うモノがわかるようになるんですよ。
あれから3ヶ月以上たち、季節は冬になり、日々のあれこれで忙しく、あっという間に正月も過ぎていきました。
ところが今回、私の手元に届いたエッセイから、50000マユミーの放電を浴びて、気持ちが夏に舞い戻りました。
太陽がまぶしい旧市街のホテルのバルコニーで何時間も話し続けたおしゃべりや、
気がつくと黄金の夕焼けの光に包まれて浮かび上がっていた大聖堂の影に驚いた声や、
石畳や古いスパニッシュ瓦の波に感動してカメラのファインダーから目を離そうとしないマユミーちゃんの姿が、愛しくまぶたに蘇りました。
来月発売のスペイン編後編には、「△△へ行くなら◯◯さんに会うといいよ」と紹介した◯◯さんがご登場とのこと。
読むのが本当に楽しみです。
◯◯さんに会ったあとの興奮は本当にものすごくて、エネルギーの最大瞬間出力はメモリの限度を超えたほど。
その興奮は、今も尚、冷めやってはいない模様で、先日もその話しになったとき、
「あんな面白い人、普通に生きていたら出会えなかったわよー」
と、彼女の声はオクターブ上がりましたから。
うふふ~っ、この出会いのさわりをみんなに言いふらしたい。けど、黙っています。
というわけで、『パピルス』の『人生で大切なことはすべて旅が教えてくれた』では、スペイン編の前編からも後編からも目が離せません。