シアトル便
新幹線並みとは言わないが・・・飛行機だってある程度、時間通りに動いてほしいものである。
その点アメリカの国内線はひどい。
前にもトイレの故障ごときで飛ばなかったシカゴーサンフランシスコ便の話を書いた。(こちら )
今度はサンフランシスコーシアトル便。
夕方にはシリコンバレーに戻れるようにと朝8時半のフライトをブックした大ちゃんと私は8時には他のみんなと一緒に行儀よく搭乗し、あとは出発を待つのみ。。。
待つのみ・・・と40分ほど待ったらアナウンスがあった。
「パイロットが遅刻しています」
うわっ、さすがディスクロージャー王国、正直だねー、日本の航空会社ならそれは言わないねー、などと最初は余裕があった私たち。
しかし待てど暮らせど遅刻のパイロットは姿を現さない。
しばらくたつと
「パイロットの到着を待っているが、念のため、他のパイロットをリクルートする試みを並行してやってます!」というアナウンスがあった。
い、いまから探すんだろうか・・・
さらにしばらくして、「ちなみに次のフライトは10時15分ですが満席です。」
乗客が乾いたため息をついた。
なぜそのパイロットをこっちにまわせと暴動にならないのだろうか。
先入れ先出しFIFOが基本だろ・・・
しばらくしてアナウンスがあった。
「パイロットはオークランドにいました」
・・・空港を間違えたらしい。
その後、パイロットがオークランド空港からサンフランシスコ空港まで飛ぶ飛行機を探したり(ちなみに車を飛ばせば30分の距離)、壊れたコンピュータを直したりのすったもんだでなかなか飛ばない。
パイロットがオークランドで発見されてから1時間以上たった。
今から行ってもなー、とシアトル行きをやめるべきか真剣に検討し始めたそのとき、悪びれない前向きな挨拶に次いで飛行機がよろよろ動き出した。
明るいクルーと静かな乗客・・・
平和は期待値の低さに立脚する。
長いみちのり
リーマン予想がえらいことになっている。
わが社の新卒社員の数学者に「猿でもわかるリーマン予想」の講義を依頼したことは前に書いた。
初めての家庭教師だ。
一回目の講義で子供だましのような比喩を用いずにしっかり教えてと注文をつけたところからえらいことになった。
「もう一回同じことを言ってくれますか」
「どこがわかりませんか」
「全部耳を素通りして行きました」
「僕の説明がわるいんでしょうか」
・・・沈黙・・・
「書きましょう」
そんなすったもんだを繰り返しながら数回かけて、収束の定義から始まり、コーシー列、同値関係、商集合と来て、実数&無理数の定義にたどりつきかけたところ。頭をひと振りするとこぼれてしまいそう。
無理数って分数にできない数、程度に軽く考えていたが、本当に理解するのはえらい大変なんだ・・・
このあとおそらく複素数をちゃんと理解して、オイラーの数式を腹に落としてようやくリーマンさまに到達するのではないかと思う・・・・・ものすごく長い道のり。。。
月に1-2回しか時間とれないこのペースを考えると150周年の今年中に終わる見込みはなさそうだけれど、時間かかってもちゃんと理解したいなぁ。なんか楽しくなって来たからね。
ゆるい時間
カネコの指示でとあるテレビ番組に出て、そこで私のモバゲーのアバターがさらされ、マイルームは知らない人たちで一杯になった。その後ずっと放置していたが、3Dアバターの導入を機にまたモバ活動を再開した。
「モバゲーの社長さん?ホンモノですか?」という質問には
「さあね」と返す。
ゆるい感じの気ままなやりとりはそれなりに楽しい。
ゆるいと言えば、この週末のさくら(うちの駄犬)のゆるさはひどかった。
目の前で爆発する花火に度肝を抜かれて以来、週末の夜になると吠え続けるようになってしまったさくらに犬用の精神安定剤を飲ませたら、瞬時にすべてがゆるくなってしまった。
まず後ろ足が動かなくなり、目がうつろになり、少し涙が出て、オシッコが止まらなくなった。
いつも以上にべっとり私にくっつくようになり、こちらが少しでも離れるとかろうじて動く前足で必死に後を追う。尿問題により人間のベッドにのせるわけにはいかないため、かわりに私が床に横になり、尿まみれのさくらとべっとりくっついて寝ることにした。
床の固さと尿のカホリのおかげか、全く眠れないので考えた。
さくらの長所について、である。
アタマも運動神経も悪く、有益な役務は一切遂行できない役立たずながら、
・動ける
・尿が止まる
・尿を人につけない
・私の自由行動を妨げない
というのはものすごくありがたい長所だったのではないか。
普段もっと感謝しておけばよかった。
よしよしとアタマをなでてやる。
12時間でクスリは抜けると聞いていたが、それよりはるかに長いあいだこの状態は続き、ようやく元気になったのは24時間後。またちょうど同じ夜中の1時半に吠え始めるというドツボな結末を迎え、ほとほと疲れ果てた週末となった。