DNA of DeNA -10ページ目

明けましておめでとう

10年たてば転移のリスクがゼロになります。

友人が医師にそう言われてからちょうど10年の記念日を迎えたのでお祝いの乾杯をした。


晴れて無罪放免。これからは何だってOKになったわけだから、やはりここは煙草やアルコール、化学調味料など、身体に悪いものを詰め合わせてリボンをかけて渡そうと考えたが、それで別の病気でもひろってお前のせいだと言われるのも面倒なので、自分がいつも身につけているネックレスから強運を運びそうなものを記念品として贈呈することにした。


友達思いの私は3つ持参して気に入ったのを選ぶべし、とテーブルに並べた。


1番:ビーズのチョーカー

2番:クリスタルのゴージャスなチョーカーネックレス

3番:シルバーのシンプルなネックレス


友人はどれも素敵だと少しだけ(ほんの3秒)迷った後、すっと3番に手を伸ばした。


さすがだね~、確かにどれも甲乙つけがたくカワイイけれど、3番は1番の100倍の値段だったからね、と告げると、友人はさっさと自分の首に装着した。


それ以来、頼んでもいないのに連日着用中の写メが届く。

「似合うでしょ~」って・・・パジャマ姿に全然似合いませんけど。


昨晩は大口をあけて笑っている口から鎖骨までの写メ。

銀歯見えてるし。


あたしが病魔なら、このお方とは付き合わないね。







本採用面談

3か月の試用期間が終了した中途採用のスタッフと個別に面談することにしている。


期待通りの仕事ができているか、DeNAについて入社前の印象と違っていたことは何か、外部の常識から見てDeNAにヘンなところはないか(多数アリ)、などを聞くことができるので私にとっても気づきがあって良い。


すでにバリバリ活躍中のK氏との面談中、そういえば、電報ありがとうございました!と突然思い出したようにK氏が言った。家族がすごく喜んでました!


祝電は内容を個別にカスタマイズして出すんだけど今回は入社して間もないから私を素通りして総務が出したのだと瞬時に理解した私は


「そうだった、おめでとう!」と直接お祝いを言った。






「祖父の葬式です」


微笑みをたやさずに会話を続けるK氏を前に、5分間時計を戻せるカードが一枚あったら間違いなく今使いたいと思った。






ハラダを忘れたい

やれやれ、とため息をついた。


生まれてから今日までたった2回しか会ったことがないのに、なんで自分の写メ撮って送らなきゃならないのか・・・


相手は謎のハラダだ。


去年友達とカラオケに行ったら突然現れて、友達が歌ったばかりの天城超えをもう一度うなり、挙句に呼んでないのに忘年会で歌う曲の計画まで立て始めた例の自称女性経営者である。(こちらを参照


結局そのハラダをなぜか呼んで新年会が催されたが、そこでハラダは矢島美容室とモンタ&ブラザーズを歌った。両方振り付きだったからコワい。


しかしその新年会でハラダは単なる友達の友達から、垢ぬけした友達の友達になっていた。

美容院を替えたと言う。


へぇーその歳になっても人って変わるもんだねー


それで今回気分転換にそこへ行ってみることにした。ハラダをあそこまで化けさせたのだから、アタシも簡単に化けられるね。


ハラダに美容院の電話番号を聞いたら、カット後に写メを送れと携帯アドレスを送りつけて来た。


下北の小さな美容院だった。施術中、宮城谷昌光を読みふけった。途中何度かスタイリストさんに質問をされ答えたりした気がする。ちょうど読み終わったころ、ハイ、できました、と言われ、鏡を見て愕然とした。


瀬戸内寂聴かと思った。


髪がない・・・

よく見ると顔の上にえどむらさきの海苔がぺとっと乗っている感じ。


ポンチョにショートだけは回避せよと言われてたのになー・・・

宮城谷先生と共に遠い昔の中国大陸をさまよっているうちにバッサバッサ切られていたとは。


一応ハラダ用に写メを撮って、そのまま背中を丸めてはす向かいの店に入り力うどんを注文してから送信した。


すると「お、益々いいですね~」とハートやおひさまの絵文字つきで能天気なレスが来た。


間髪入れずに「ワタシもそろそろ予約すると店に伝えておいてくれ」という追伸まで来た。

カラオケまた行きたいとも書き添えてあった。


軽くめまいを覚えたが、力うどんを食べてすべて忘れることにした。