(ニャン太)

面白い川柳に出会った。高齢者の日常は、こんなものだとつくづく思う

 

      「起きたけど 寝るまで特に 用もなし」

 

若い時分には、あれもこれもと、用事が有り過ぎて、体がいくつあっても足りないくらいだった。主婦であり、女房であり、母親であり会社員でもあった。それでもなんとか上手く立ち回ることで、生きる張りも、自信もおのずと高まり、世間というものの何たるかも身をもって体験したのである。

 

      「立ち上がり  用事忘れて また座る」

 

この川柳にも、「そうよ そうよ」と頷ける。老いてこそ知る何気ない不確かな所作は例外なくやってくる。

どうあがいても、生き物全てが老いていく自然の摂理に抗う事など出来ないが、少しでも元気で永らえる術があるなら、努力精進を重ねよう。

用事は自分で作ること。あれをしよう、これをしよう。こうしたい、ああしたい。自分でしよう。他を当てにしない。

まあこんな当たり前のことすら、なかなか難しくなっていくのだろう。

 

      「ELD    使い切るまで  寿命なし」

 

そうだよね。そうだよね。でも、限りある人生をできるだけ楽しんで明るく生きようではないか。

      「 婆さんよ 犬への愛を 少しくれ」

 

こんな川柳が作れる人は、きっと人生を楽しんでおられるに違いない。