っj

42年勤めた会社を卒業して15年にもなろうと言うのに、当時の暮らしぶりや日々の細々した感情の動きが、ふっと夢となって私を戸惑わせる。

「自分がいなければ会社は困る」・・・歯車の一つに過ぎないことを痛いほど知りつつも、そんな思いで皆勤したものだった。関係業者との口論もした。十人十色の人間模様で、「嫌な奴」もいたけれど、この人にも親あり、家族ありで、苦労しているのだろうなどと、勝手な想像をして、苛立つ己の心を戒めたりもした。

振り返れば、凡庸な人生ではあったが、私と言う人間の長短を、いろいろな角度から 客観的に眺め知ることが出来たサラリーマン時代だった。

「今が一番幸せ」と言える人が本当に幸せな人だとよく言う。

夢で見るあの頃の私は何事も一生懸命だった。「今が一番幸せ」と言わせるためだったのだろうか。結果は正直なもので、笑い皺がすごい。