(ニャン太)

 

今まで簡単に出来ていたことが、結構時間を要するようになった。即答していた返事も、頭の中で考える時間が要る。日付も予定も、何度か確認しないと、うっかり忘れてしまいそうだ。 これが歳をとるということで、今更気付いた訳でもないが、自分はまだ大丈夫だと言う自信が、日々崩れ去っていく。

「・・・・・聞こえている?」と問われても「聞こえているよ・・・」と、返事はするが、おおよそ聞こえたふりをする。その訳は、耳の遠くなった高齢者が皆「うん、うん、」と頷くであろう。

米寿で亡くなった知人は、「人が人でなくなるみたい」とよく言っていた。

その虚しさが痛く理解できるようになった我が身である。しかし、楽しみ方はいくらでもある。一日一つ、小さな喜びを見つけようと心がけていると、毎日が喜びと感謝で満たされる。最後は感謝で締めくくりたい。

     「あれも人 これも人なり 我も人」