夜中にふと目覚めると、儲け物をしたような気分になる。音のない深夜は、どうやら脳の回転が良く、我ながら感心するような発想が浮かんでくるものだ。一度も試した経験も無いブロック塀のひび割れの修復も、庭の松の木の剪定も、深夜の脳みそが教えてくれた。他から見れば何とも子供の遊びのような不細工ではあるが、この手で成し遂げたと思うと、大きな満足感で、又何か次なるチャレンジを試みたくなってくる。

 夜中に目が覚めて寝られないという人の悩みを聞くと、もっと起きていたいのに、いつの間にか眠ってしまうわたしは、もったいないことをしたと後悔するのだが、これも悩みに違いない。