自転車で出かける母さんは、ペタルを踏み出すと決まって歌がとび出してくるんだそうだ。無意識の結果なので、自分でも不思議だと言う。演歌だったり、童謡だったり、時に軍歌だったり。予想もしない曲に、毎朝何を歌ったか記録しておこうかって僕を笑わせるんだ。
「ニャン太もクロちゃんも、歌が歌えるといいのにね」
そこで僕はクロちゃんとしばらく話し合った。誰に聴かせるのではなく、僕とクロちゃんが新しい事に挑戦してみる。そして母さんを喜ばそうではないか。
「どんな歌?、母さん喜ぶかなあ」
「僕にまかせて」
ニャン太・・・・・ ニャア、ニャア、ニャア、ニャアニャアナニャ、
クロちゃん・・・・ ミャアミャアミャアミャア、ミャアミャアナニャ
一緒に・・・・・・ ニャア、ニャア、ミャア、ミャア、ニャアミャアナニャ
僕とクロちゃんの、母さんいつもありがとうって言う感謝の歌なんだ。母さんならきっと分かってくれると思うよ。だって、みんな地球の子だもん。