僕の大先輩の「みい子ちゃん」が、遠い国へ逝ってしまってからもうかれこれ5年になろうかと言うのに、母さんは僕のことをときどき「みい子」って呼ぶんだ。母さんの中で、空気のような存在で居続ける「みい子」先輩を、僕は幸せの象徴だと思っているんだ。苦難の末、母さんの愛を終着駅とした先輩が、今も母さんの懐で生きているのだ。

僕は出来る限りの表現で、母さんの笑顔を引き出し続けようと決心したんだ。遠くの国へ旅立った「みい子」先輩が、今も近くでじっと母さんを見ているように、僕もそばで母さんを守りたい。僕「にゃん太」。母さんにづっと呼ばれたい。「ニャン太〜」 と。