多摩川へ繰り出す


今日は久しぶりの休日だ。


家でゴロゴロしながらお気に入りの

YouTubeを何気なく聴いていた。


「今日の横浜港北は雲一つない空が

広がってます。」

「富士山が今年はじめて白いキャップを

かぶりました」


私のマンションからは武蔵小杉の

高層マンション群の陰に隠れて富士山は見えない。




居ても立っても居られなくなり、
多摩川へと向かっていた。

今年の夏は青春18きっぷで富士宮や日本平
あたりをウロウロとしていたにも関わらず、
富士山を全く見ることができなかった。

それが軽いトラウマとなっていた。

気温が高くて水蒸気が発生しやすい夏の間は
富士山はほとんど見えない。

ということを、恥ずかしながら知らなかったのだ。



川崎市の古市場の遊歩道を歩くと、
古市場ポンプ場が見えてくる。

ここが、多摩川への入口だ。

武蔵小杉が台風19号による浸水災害におそわれ
タワマンが水没したのは2019年の
今と同じ時季だった。

台風直後にここを通りかかった時は、ポンプが
唸りをあげていたが今日は、静まり返っている。

地味な存在だが、この付近で逆流による浸水被害
を防いだのは、この寂びれたポンプ場なのだ。

と、勝手に私は解釈し、感謝している。


富士は何処に?


多摩川の右岸(川崎市が湧き出ている)を
多摩川大橋に向かい、左岸(大田区側)へ渡る。

ここが個人的、富士山のNo.1絶景スポットだ物申す

頭上には雲一つなく、ゴミ焼却場の白い煙突
と青い空が、鏡となった多摩川に
映し出されていた。

否が応でも期待が広がる。


タワマン群の右横には富士山が見えるはずだった。

ところが…

そこだけ、雲がかかっていた。

気が付くと額には汗が吹いている。

遅かった…

家をでてから、気温がかなり上がったため
水蒸気が発生して雲となっていたのだ。



気を取り直して、

排水樋管とポンプ場見学をしながら
田園調布駅の多摩川浅間神社まで歩くことにした。

だいたいのところで排水樋管のあるところに
ポンプ場が設置されている。


富士山現る




すっかり富士を諦めて多摩川左岸を歩いていた。

何気なく遠くの雲を見つめていると
雲が富士山の形に見えてくるから不思議だ…

…良く見ると、雲ではない。

ホワイトキャップの富士山だ爆笑

白い雲に同化しているが、
美しい富士の白い稜線が見えている。


宮内排水樋管



ガス橋を渡り、再び右岸(川崎市側)を
武蔵小杉方面へ歩く。

すると、2019年10月13日(日)

 台風19号による武蔵小杉タワマン浸水事件の
元凶とも言える宮内排水樋管が
姿を現した。

土手ギリギリまで水位を上げた多摩川の水は、
この樋管を通り抜けた。

そして、道路下の下水管を逆流し、
マンホールの蓋を吹き上げながら、中心部まで
侵攻していったのだ。

まるで空爆にあったような恐るべき光景が
この辺りに、広がっていた。


当時は、古市場の排水樋管程度の手動設備
だったと記憶している。

今は遠隔操作可能な、
まるでモビルススーツのような
屈強な青備えとなった。

しかしながら、この辺りには古市場で
大活躍を見せていたポンプ場は見当たらない。

未だ一抹の不安がよぎる。


多摩川浅間神社



漫画「あひるの空」の聖地として有名な、丸子橋
を渡り、左岸(大田区が側)にでる。

そこに多摩川浅間神社がある

浅間神社は各地にあるが富士本宮が総本宮
とされていて富士山信仰との結びつきが
強く感じられる。


小高い丘の上の見晴らしの良い神社で、
登山道のように曲がりくねった石段か続く。

登りの途中の自称「白糸の滝」が
チョロチョロと流れ落ちている爆笑

自然石の子産石は安産祈願の人が撫でて
いくのでツルツルとした照り具合が艶めかしい。

撫で物あり、富士山が見える見晴らし台もある。

小さいながらも神社エンターテイメントの
基本をおさえているので参拝者は後を絶たない。

浄水場跡と多摩川台古墳群


神社の石段を一旦降りて裏手にまわると、小高い
丘が続いていて浄水場跡や古墳群が続いている。


新川崎駅近くの「夢見ヶ崎」の古墳群もそう
だったが、多摩川周辺の小高い丘の上には
古墳が密集している。

1号かから7号まで円墳が規則正しく並んでいて
現代で言えば、霊園のようだ。

主との遭遇



古墳群の最北端にある蓬莱塚古墳の入口で、

またアイツが現れた。

そう、不気味さを増した多摩川のヌシである。

「ここから先は、お前は入ってはならん」

そう言ったように聞こえた。

無視して中にはいると、姿を消した。

前に見かけたのは2023/5/16大師橋付近だった。