“L'Amour et Psyché”


「プシュケ」という名の薔薇が咲きました。

プシュケはギリシア語で
“蝶”そして“魂”を意味します。

そして…
日本でも蝶の古語“かわひらこ”は
魂をあらわすのです。

古今東西、古から
人々は蝶をみて“魂”を感じたのでしょう

それは“玉”であり“ ”でありました。

そのプシュケを
優しく包み込むのが
“愛”という名のキューピッド。

古の物語『キューピッドとプシュケ』は
いつもわたしのこゝろに。



そして、
プシュケという名の薔薇が咲き
プシュケという名のクレマチスも咲きました。

私が庭を“プシュケの庭”と呼ぶ理由です。

「ませに咲く花に睦れて
飛ぶ蝶のうらやましくもはかなかりけり」
西行法師

西行さんの蝶の歌。

桜や月でもなく
蝶を歌う歌は珍しい…

蝶に自身の魂をみていたのでしょうか。
あの花まで飛んでいきたいと。

幾年もの年月が過ぎようと
想いが褪せる事なくひが生き続ける歌は

魂/spiritが宿っているのでしょうね。

“Come into these arms again
And set this spirit free” Annie Lennox


西行の愛した人

刀絵下絵『桜の月影〜待賢門院〜』


西行と桜の想いは

私の刀絵を切り起こす想いと

魂を共鳴します。


「弓張(ゆみは)りの

月にはづれて 見し影の

やさしかりしは いつか忘れん』


半月の微かな光に見た

あなたの横顔の

やさしく美しいお姿は

いつか忘れられますでしょうか…


そんな西行の歌を教えて頂きました。


この月の歌をよみ

西行が愛した人の

横顔を描いておりました。


その横顔を月と重ねて。


鳥羽院の皇妃として生きながら

白河上皇に寵愛された待賢門院。


その魂を桜と月に歌い

愛したのが西行法師でした。


西行の愛した桜…

待賢門院に心合わせてまいります。


刀絵帰蝶

宮本なる 拝