この桜の樹は、富士桜の一種である
御殿場桜です。

近所の桜の中で
いちばん好きな樹なのに
今年はゆっくり見る事が出来なかったから

下を通った時に、
この花を見たかったなと
想いを馳せ、ふと見上げたら…

手をふるう様にして
薄紅色の花がふたひら

風に揺れ咲いていました

『待っていたのよ』と
囁いているかのように



この日は、夜から雨。


あの桜が気になって
雨の後に戻ってみると…

ひとひらの花が、
初夏の風に揺れていました

最後の桜よ
つぎに来る春にまた

さの神を宿したまえ