2017年11月19日初回投稿

2021年8月11日更新

 

Via Vallen - Sayang 再生回数驚愕の1億9千万回超え!(2021年1月17日現在)

 

 

2017年のダンドゥット大ヒット曲『Sayang(サヤン)』と、それを歌うVia Vallenを解説いたします。

 

目次

  1. Sayang、歌詞は?日本語訳は?
  2. Sayangって『未来へ』のカバーなの?パクリなの?
  3. 歌手Via Vallenってどんな人?
  4. そしてシリーズ化されたSayang
  5. そして一部テンプレート化したSayangメロディー
  6. おまけコンテンツ Sayang以外の、J-POPカバー曲
  7. おまけコンテンツの更におまけ

 

 

  1.Sayang、歌詞は?日本語訳は?

 

 

歌詞はこちら

 

 

 
Sayang
Nganti memutih rambut ku
Rabakal luntur treno ku

Wes tak cobo ngelalekne jenengmu soko ati ku
Sak tenan e ra ngapusi isih terno sliramu
Duko pujane ati nanging koe ora ngerti
Kowe wes tak wanti wanti
Malah jebul sak iki koe mblenjani janji
Jare sehidup semati nanging opo bukti
Kowe medot tresno ku demi wedoan liyo
Yowes ra popo insyaallah aku isoh, lilo

Meh sambat kaleh sinten nyen sampun mekaten
Merana urip ku
Aku welasno kangmas aku mesakno aku
Aku nangis, nganti metu eluh getih putih

Sayang
Opo kowe krungu, jerit e ati ku
Mengharap engkau kembali
Sayang
Nganti memutih rambut ku
Ra bakal luntur tresno ku

Hari demi hari uwes tak lewati
Yen pancen dalane kudu kuat ati
Ibarate sego uwes dadi bubur
Nanging tresno iki ora bakal luntur
Sak tenane aku iki pancen tresno awakmu
Ora ono liyane sing isoh dadi pengantimu
Wes kanggo awak mu seng cocok neng ati ku
Nganti rambutku putih ati mu ra bakal krungu

Meh sambat kaleh sinten nyen sampun mekaten
Merana urip ku
Aku welasno kangmas aku mesakno aku
Aku nangis, nganti metu eluh getih putih

Sayang opo krungu tangis e ati ku
Mengharap koe bali nang jero ati iki
Nganti rambutku putih tangis eloh dadi getih
Mbok yo gek ndang bali nglakoni tresno suci
Aku marang sliramu jero ning ati
Aku ra isoh ngapusi sak tenan e neng ati
Mung kango sliramu
Cinta mu tetap abadi
Selamanya sampai akhir hayat ini

Meh sambat kaleh sinten nyen sampun mekaten
Merana urip ku
Aku welasno kangmas aku mesakno aku
Aku nangis, nganti metu eluh getih putih
Percoyo opo pemujamu
Cintamu tetap abadi

 

 

日本語訳はこちらのブログに

 

 

本場のインドネシアの方が訳しておられます。勉強になりますね。

 

 

  2.Sayangって『未来へ』のカバーなの?パクリなの?

 

 

これはKiroro「未来へ」のカバーと言うべきなのでしょうか?それともパクりと言うべきなのでしょうか?

ジャワ語で歌ってますけど、途中、オリジナルにはない半ラップのようなメロディーラインが出てくるので、それが故になんかパクリくさく感じちゃうんですよね。

 

しかし、このスクショを見てください。

 

 

YoutubeのMVページのスクショですが、赤線で囲った部分、

「Original Song Title : Miraie」

「Composed by : Chiharu Tamashiro」

と原曲の情報を明記しておられます。なので、カバーとして認めてあげましょう (^^;

 

 

こちらは日本語バージョン。うん、これは疑う余地もなくカバーです。

 

 

 

 

 

  3.歌手Via Vallenってどんな人?

 

 

このVia Vallenという人がどんな人なのか、インドネシア人のネットパルから聞き出した情報を適当に書き留めておきます(ほぼ自分用)。

 

 

彼女は首都のジャカルタから遠く離れたスラバヤ(といっても同じジャワ島)出身で、十代前半から主にKoploのステージで歌い始めます。

このKoploというのはなんなのかと言うと、一言で言うとドサ回りバンドです。本当はドサ回りとはちょっと趣きが違うんですけど、説明するのに他に適当な言葉が思い浮かびません。とにかくスラバヤをはじめとした東ジャワで発展したKoploはダンドゥットのサブカテゴリーを形成するに至ります。

 

で、このVia Vallenがなぜブレイクしたのかというと、それはインドネシアの人でもよく分からないみたいです(一応言っておきますけど、作詞作曲が出来る若手女性ダンドゥット歌手は、メジャーどころではVia Vallenだけですよ!いや、“だけ”は言い過ぎか。Happy AsmaraとかJihan Audyとかもいるし。でも少数派なのは確かです)。人によっては「単に美人だからじゃない?」という人もいます。でも確かに言えることは、今までのダンドゥット・コプロの歌手とは、特にファッションの面で一線を画しているということです。

Via Vallen登場以前のダンドゥット・コプロ歌手のステージ衣装といえば、一昔前の東南アジアの場末のキャバレーを彷彿とさせるケバケバの衣装で、「そんな衣装どっから見つけてくんねん!」とツッコミを入れたくなったものでした (^^;

それに対してVia Vallenはというと、普段着と変わらないようなカジュアルかつオシャレな衣装*で、一気に東ジャワの若者の心を掴んだようです。

 

そして満を持してジャカルタのメインストリームへ進出した彼女は、そこでも圧倒的人気を博し(と言ってもダンドゥットファンの間だけ)、インドネシア・ダンドゥット大賞の女性歌手部門最優秀賞を3年連続で受賞したりします(Indonesian Dangdut Awardの2017、18、19年度で受賞)。

 

Via Vallenは今最も勢いのあるダンドゥット・アイドルなのです。

 

* 脚注 

ただしそのViaも、デビュー間もない頃はやはり場末のキャバレーのような衣装でステージに立つこともありました。いつ頃から現在のような普段着スタイルになったのかリサーチはしていませんけど、Sayangが1つの区切りだったんじゃないかとマシコは考えます。

 

以下はマシコ先生の勝手な造語です。

前者(場末キャバレーホステス然のセクシー衣装)を「ミドルスクール・ダンドゥット」、後者(カジュアル普段着然の衣装)を「ニュースクール・ダンドゥット」と呼びます。「オールドスクール・ダンドゥット」はどうしたのかっていうと、これはもうロマ・イラマやエルフィー・スカエシの境地だと思います。

 

 

この辺りがYoutubeに上がっている最も古いViaのKoplo映像じゃないでしょうか。テロップによると2009年。まだまだミドル・スクールの雰囲気が漂っていますね。

 

 

これよりも古い映像はきっと存在すると思います。だって昔、16歳のViaが歌う映像を見たことがあるので。もしこれよりも古い映像をご存知の方がいらっしゃれば、ご一報くださいね。

 

 

インドネシアにメジャーとかインディーズとかの概念があるのかは分かりませんけど、もしあるとすれば、ジャカルタのレーベルAscadamusikからリリースされたこれが彼女のメジャーデビューになるかもしれません。マシコは懐疑的ですけどね (*^_^*) 

 

 

2013年にはアノNagaswaraがコプロ映像を公開しています。これはメジャーデビューにならないのかなぁ? まぁ、日本とインドネシアではその辺の概念が異なるということで(^^;

 

 

 

 

この人の名前の読み方ですけど、「フィア・ファレン」と言う人もいれば「ヴィア・ヴァレン」という人もいて、どちらが正しい読み方なのかはっきりしません。もしかするとジャワ人と非ジャワ人で読み方が異なるのかも。知らないけど・・・

しかし、こちらのMVでは冒頭で「フィファ・ミュージック・インドネシア(VIVA MUSIC INDONESIA)*」と本人が言っています。このVIVAというのはVIA VALLENの頭字語なので、Via本人が「フィア・ファレン」と名乗っていることが伺えます。

本人がフィア・ファレンと言うのだから、そうなのでしょう (^^;

 

*脚注 Via Vallenが立ち上げたレーベルです

 

もしかするとあなたも、テレビで知らないうちにVia Vallenを見ていたかもしれませんよ!

 

 

 

2018年にジャカルタで開催されたアジア競技大会。その開会式で歌ったのがこのVia Vallenです。NHK-BSで生中継されてましたね(かくいう私は見ていません)。

 

 

 

2019年に来日されています(↑のインスタ画像は浅草寺)。

ただの旅行だったようです。ライブは行われていません。

 

 

  4.そしてシリーズ化されたSayang

 

 

そしてSayangは後にシリーズ化され、Sayang 2、そしてEnding Sayangと、3部作を構成するに至ります。

それ以外にもSaynag 3とか4とか沢山のSayangがありますけど、2とEnding以外は便乗のようで、正統なSayangシリーズはこの1を作ったAnton Obama氏による下記の作品のみのようです。

 

 

Sayang 2 - Nella Kharisma (C-POP 黄昏のカバー) 

 

 

 

Ending Sayang - Sarah Brillian

 

 

 

こちらは便乗で作られたSayang 3。

 

 

1、2とジャワ語の歌詞だったのに、3ではインドネシア語になります。

それもそのはず、作詞者が違います。1 & 2とは別人です。

 

元々はRindu Menantiという曲名だったようです。Sayangのヒットを受けて、勝ち馬に乗るべく曲名を変えたようです。

サビが思いっきり「さぁ~やぁ~ん」なので、これはイケると思っちゃったのかもですね。

 

 

 

こちらはSayang 4。歌詞がジャワ語に戻りましたけど、作詞者はR. Husin Albanaという人です。別人です。

 

あ、日本語字幕がw

 

 

 

  5.そして一部テンプレート化したSayangメロディー

 

 

Sayangの大ヒット以降、この曲の半ラップのようなオリジナルパートがテンプレート化し、アレンジを加えられて様々な曲で使われるようになりました。

 

一例を取り上げて比較してみましょう。

まずはSayangのオリジナル半ラップパートをお聴きください。

 

(オリジナルパートの0:42から再生が始まります)

 

ではまずこちら。Kimcil Kepolen (by Via Vallen)という曲です。

 

(Sayangテンプレートの1:37から再生が始まります)

 

 

続いてはこちら。Konco Turu (by Dara Ayu Ft. Bajol Ndanu)という曲です。

 

(Sayangテンプレートの1:41から再生が始まります)

 

 

最後はこちら。Ra Jodo (by Nella Kharisma)という曲です。この曲は半ラップだけではなく、その後に続くメロディーラインもSayangを彷彿とさせています。

 

(Sayangテンプレートの0:38から再生が始まります)

 

 

 

 

  6.おまけコンテンツ - Sayang以外の、J-POPカバー曲

 

 

ところでダンドゥットにSayang以外のJ-POPカバー曲ってあるの?

日本人なら気になるところではないでしょうか (^^;

 

私が知っている限りでは、以下のカバー曲があります。

これ以外のJ-POPカバー曲を知っている方がいらっしゃれば、ぜひご一報くださいね。

 

 

Elvy Sukaesih - Jangan Kau Pergi

(原曲 : 恋のフーガ - ザ・ピーナッツ)

 

 

Bella Agustin - Kokoro No Tomo

(原曲 : 心の友 - 五輪真弓)

* 五輪真弓の「心の友」をZivillaというインドネシアのロックバンドがカバーし、更にそれをダンドゥット・アレンジでカバーしたもの。マネーロンダリングみたい・・・

 

 

KIMI NO TORIKO - JIHAN AUDY

(原曲 : Summertime - cinnamons × evening cinema)

 

 

Doraemon - Eny Sagita

(原曲 : ドラえもんのうた - 大杉久美子)

 

 

Sinchan - Linda Ayu

(原曲 : 動物園は大変だ - TUNE'S)




Doragon Ball - Linda Ayu

(原曲 : 摩訶不思議アドベンチャー! - 高橋洋樹)

 

 

Ninja Hattori - Chantika

(原曲 : 忍者ハットリくん - 堀絢子

 

 

こちらはほとんど知られていないと思いますけど、ViaのSayangがリリースされるずっと以前(と言っても5年ちょっと前)に、Lolitaという人が豪快に、いや、コソッと、「未来へ」をパクっていたのです。これはいくらなんでもカバーと呼べないでしょ~。

 

 

 

 

  7.おまけコンテンツの更におまけ

 

 

じゃあ逆に、ダンドゥットをカバーしたJ-POPってあんの?

日本人なら気になるところではないでしょうか (^^;

 

・・・・

 

期待させておいてごめんなさい。それは見たことないです。多分存在しないと思います。

 

しかし、そこで簡単に引き下がらないのがこのブログの特徴です(大袈裟すぎ)。

ダンドゥットはありませんが、クロンチョンならあります。同じくインドネシア生まれの音楽で、世界最古のポップスと言われているジャンルです。

 

Bengawan Solo - Gesang

 

Bengawan Solo - 松田トシ

 

これは私が紹介するまでもなく、すでにみなさんご存知ですよね・・・。

 

ではこれはどうでしょうか。

 

Krontjong Orchest Eurasia - Ajoen Ajoen

 

 

1923年にリリースされた、Krontjong Orchest EurasiaのAjoen Ajoenという曲です。

これを日本語でカバーしたのがこちら。

 

 

ザ・スウィング・ウエスト - 心のときめき

 

 

 

Bakar Room Nya Bro 🏠🔥

 


 

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