鬱になった話④ | おかんのつぶやき

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けいこおかんの考えたこと、感じたこと、経験したこと、失敗したこと。何でも書いていきます~。

皆さま、今日も笑っていらっしゃいますか。

Nalishなお時間へようこそ。

 

鬱になった話を書いているのに、

只今人生で絶好調になっている下りです。

序章

鬱になった話②

鬱になった話③

 

総務部長にこっそり、

「2人で飲みに行こう。アメリカ話聞かせてくれ」と言われて、

はい、と言ったのはいつだったかなぁ。

でもアメリカから帰って時差ボケは治っていた12月の中頃に、

大阪市内に出かけた記憶があります。

部長さんは62歳ぐらいの、

定年退職をされてから2度目のお勤めで来られている方で、

会社で一番お世話になっている方でした。

とても気さくな面白い方で、会社の休憩時間も一緒、

飲みに行くのはしょっちゅう、

総務部の女性と一緒に家族に紹介して頂いたこともあって

父親よりもはるかに年上だけど、でも一人暮らししている身にとって

近くにいる父親代わりのように私は感じていました。

以前のストーカーに変身してしまった彼の事も相談はもちろんの事、

会社にかかってくる電話などをすべて阻止して頂いて、

ものすごく助けていただきました。

だから2人で飲みに行くことに何の疑問も不安もなく、

会社が終わってひょこひょこついて行きました。

 

飲み屋さんと言っても食事が美味しい所に連れて行って頂いて、

たくさんお話しをしたように思います。

自分がアメリカで何を見てきたか、何を感じてきたか。

その時の会話は全く覚えていないけれど、

自分のできる範囲で精いっぱい表現したように思います。

部長さんは常に、

「そうかぁ、そうかぁ」と聞いてくださり、

「もうちょっと聞きたいから次行こか」と、

当たり前のように2件目に移動することになりました。

まぁ時間も早いし、まぁいいか。

そう思って店を出ました。

 

市内といってもギンギラ明るい市内のメイン通りじゃなくて、

少し暗い通りにそのお店はありました。

外は寒いし暗いし私は地理が分からない。

歩き出した部長さんに私は、ついていくことしかできませんでした。

この部長さん、体がとても小さくて、

細っこいからかとてもすばしっこくて、歩くのが速い。

人が歩いてくる中をどんどん行ってしまうので、

見失わないように小走りで

本当に一生懸命ついていきました。

 

ふっと部長さんが建物の中に入ったので、

何の建物だろう、と思いながらついていきました。

白い壁で入口がふさがれていて、

斜めに入口に入ったのを覚えています。

飲み屋じゃないな、と思ったのですが、部長さんが入っちゃったから

とにかくついていくことしか頭になかった私も勢いで入りました。

そしたらようやく立ち止まっている部長さんがいて、

何かを読んでいるようでした。

私も横に立ってみてみると何とそれは、

お部屋を選ぶパネルでした。

そこで初めて私はそこが、「ラブホテル」だと気付いたのです。

私は反射的に外に逃げました。

 

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私の信頼している人が私をラブホテルに連れて行った、

とても裏切られた気がして、怖くて悲しくて、

とにかく人込みに入って、

どちらか分からないけれど駅に向かって走りました。

逃げました。

部長さんはもちろん追いかけてきて私に話したりしようとしましたが、

私は全く聞きたくもないし、顔も見たくない。

さっきまで父と同然と思っていた人が

今は世界で一番汚らわしい人に見える。

寄らないでほしい。

触らないでほしい。

近寄らないでほしい。

とにかく私はここが人の多いところでよかったと思いつつ、

何かあったら叫ぼうと思って、

一旦駅の前で立ち止まって話しを聞くことにしました。

 

部長さんは、

「変な気持ちで連れて行ったんじゃない。

二人きりで静かになって話せる所に行きたかったんや」と言いました。

そんな変な言い訳あるか!むかっと思いました。

何もしないからいいやろ、とかそういう問題じゃない。

ひょこひょこ着いていってしまった私も私だけど、

本当にいいわけみたいに聞こえるかもしれないけれど、

全くその建物がラブホテルだなんて微塵も分からなくて

(大体ラブホに歩いて入れるって言うのが分かっていなかった)、

私は必死で部長を見失わないようについていっただけなのに

入った場所がそんなところか!

私は全身に寒気が走ったし、

今も前にいて話していると思うだけで身体がゾクゾクする。

早くここから立ち去りたい。

こんなオッサン、もう知るか!

 

そこから電車に乗って帰るのですが、

着いてこないでほしいといってもついてくるので

一緒に電車に乗って帰りました。

もちろん降りる駅も違うし、人はたくさん乗っているし、

離れて立って乗って、何とか乗り切ったと思います。

部長さんが先に降りたので(多分部長さんの家に近かった)、

私はちょっとほっとして、ぐったりして家に帰ったように思います。

 

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症状は次の日、会社で現れました。

家にいると何でもなかったのに、

部長がいると思うだけで体中に寒気が走る。

そわそわして椅子に座っていられない、

昨日のことが鮮明に出てきて涙が出てくる、

集中できない。

その日はボロボロで、どうやって仕事したのか覚えていません。

そしてそれは毎日毎日続き、

部長を無視する毎日。

そんなことは立場上してはいけないと分かっていても

返事はできないのです。

顔を見て話せないのです。

近付くことができないのです。

でも、周りの人に迷惑をかけてはいけない、

そろそろ私の態度が変だと思っているかな、

仕事に支障をきたしてはいけない、という時点で

人事部長にその話を打ち明けました。

そして人事部長から総務部長に話が行き、

総務部長は私に謝ってくれました。

 

 

それで少しは気がおさまりました。

が、驚いたのは、総務部長さんは、私がなぜ毎日悲しがっているのか

全く分かっていなかったのです。

どうして悲しい顔をしているのか、

どうして毎日ぶっきらぼうな態度を取られるのか、

無視されるのか、分かっていなかったというのです。

ただ、キラキラした顔をして話している私を見て

二人で静かになって話せるところが欲しかった、というのです。

私は、自分がされたことが大したことじゃなかったのかな、と思おうとしたけれど、

それは難しい話でした。

 

 

幸い年末だったので

家族の元に帰ってしばらく忘れることができましたが、

また新年が始まると、仕事は再開です。

ここから辛い毎日が続きていきます・・・

 

次回に続きます。

感謝を込めて…