⭐️畠山久さんのページに残すつもりが文字数が多くなってしまい新しく綴ります。

島田歌穂さんの主演でダニエル役を演じこの作品が遺作となりました。



原作 レオ・パスカーリア

少年少女向け絵本で葉っぱの春夏秋冬の一生を通して生と死について優しく語っていく物語です。

ミュージカルとしては子供たちが葉っぱを演じて森繁久弥さんが朗読されていることで有名。


島田歌穂さん主演では難病に苦しむ少年フレディと同じ病院に不治の病で隣室で入院中の16歳の少年ダニエルを中心に話が進みます。


出演は他にはフレディのパパとママ、友達のアルフレットとクレア。


ベッドの上で食事を残して夜お腹が空いたり眠れないとぼやいだり、暇すぎてベッドを空と絨毯やスペースシャトルごっこをして騒ぐ少年と見回りにきて処置や叱りにくる看護婦さんとのやりとりが楽しい。


窓から見える木の枝から小鳥が巣立とうとする姿を応援するフレディ…巣立った後の枝に葉っぱの赤ちゃんを見つけます。


絵を描くことが好きな少年ダニエル。窓から見える楓の木の葉っぱの絵を見てフレディは感心します。葉っぱには色々な形と同じ色でも光の加減などでそれぞれ違うと、それを見ていると楽しいと語るダニエルと一緒に葉っぱに興味を持つフレディ。


そして葉っぱに自分の仲良し友達、アルフレットとクレアの葉っぱと自分の葉っぱとダニエルの葉っぱを探して名付けます。


春の若い葉っぱからすくすく大きくなって、やがて雨の多い時期へとなります。昔の思い出。遊園地に遊びにきてジェットコースターに乗りたがるクレアにたじろぐフレディ。急な雷雨に雨怯えながらも濡れそうなクレアのためにハンカチを差し出し照れて去るフレディ。


夏の盛り期に入り暑さを凌ぐ木陰やそよ風を送る葉となります。秋の美しい紅葉の時期に一段と美しくそれぞれの色に染まる楓の葉を見つめながら美しさ絵お歌い上げ出演者のハーモニーが豊かに彩ります。そして少しずつダニエル、フレディが弱っていきます。


冬が来て車椅子になるフレディ。クレアの葉 アルフレットの葉が旅だっていき、ダニエルも病室に篭りきりとなります。


死に近づき怖いと怯えるフレディにダニエルの旅立ちが近づいて原作でもつたえるこの名台詞「変わるって自然なことなんだよ、死ぬっていうことは変わるということなんだよ 新しいところへ引っ越すことなんだよ」と見ている側にも心に響かせます。


もうここからはハンカチ必須です。


ダニエルとフレディの歌声でテーマ曲『いのちの旅』が歌われます。


ダニエルの葉も引っ越してフレディ1人になります。パパママお友だちの強い思いが届かず、雪のクリスマスの夜にフレディは葉っぱと共に引っ越しへいのちの旅へと立っていきます。


K-links制作。ご主人島 健さんが音楽とピアノ担当。弦楽器の美しい音色とピアノの優しい音が物語を優しく演出します。


この作品再演時にはお父さんの職業が役者さんのイメージで変わっていたり、クレア役 桜さんとフレディは女性なので年齢があっても可愛らしさがあって良かったのですが、アルフレットがバリトンの俳優さんでどうしても違和感がありましたが、この方が必要なのはフレディの旅立ちが近づくクリスマスの讃美歌で四声合唱があるのですがこの美しさを支えるにはこの杉江真さんは適任だと思いました。


そしてダニエルの畠山さんはさすがに若く演技の方も評価されましたがやはり年齢的には16歳はきついとも言われていました。


自分でもこの歌が最期だと思わなかったのでは。パンフレットの稽古場での様子でも元気だし、だけどちょっと思ったことが。


再演含めて8回見ておりますが、特に最期あたり痩せてきているし疲れ気味と言っていて。それでいて長く喋ったりしていて。池袋の時は休日だったからか結構ファンの方見えていて一人一人とおしゃべりもしていました。


通りかかった歌穂さんからもニヤニヤお客さん多いねぇと言われておられましたが。すごく楽しくお話しできて嬉しくて次の舞台も楽しみにしていたのに…  そうそう板野俊雄さんに会いにいったと報告したのもこの作品でした。


きらら博のことを楽しそうに私が話す姿をご本人と他のファンの方がニコニコして聞いていたのが印象的でした。


1年半くらいいつもそうだからとのんびり待っていたらそのうち歌穂さんから葉っぱのフレディの再演通知があって、ダニエル役が四季時代の同期堀米聦(ほりごめ あきら)さん。再演は2011年まであったそうですが3度目かの再演時から『命の詩(うた)』とテーマが変わっていて歌詞も変わっていたそうです。


でも、堀米さんのプロフィールには『葉っぱのフレディ』がなくて、回数的にはダニエル役を多く演じているのに、初演のダニエル役をCDとVHSに収めてくださったことにファンとしてはとてもありがたく思っています。


畠山さんサイドから余命がないと連絡がありメッセージを送ったこと、その後色々あって悲しいことが起きてお別れになってしまいました。


それから昨年春、CDを買うまでこの作品のことを触れずにいました。ようやく書けたことを嬉しく思っています。




ある日ぼくがこの世からいなくなっても

きっといのちは残るだろう誰かの中に

それは思い出それは愛 ぼくの分まで生きる力

雨が川に 川が海に 海から雲が 雲が雨に

生まれ変わりめぐりつづける 

おわりのない いのちの旅


ぼくのいのちも残るかな誰かのなかに

パパやママや友達に生き続けるさ

それが思い出それが愛 ぼくの分まで生きる力

春が夏に夏が秋に 秋か冬を越え 次の春に

生まれ変わりめぐりつづける

終わりのない いのちの旅


生まれかわりめぐり続ける 

終わりのない いのちの旅






原作『葉っぱのフレディ いのちの旅』 朗読。