(源典侍6).年ふれどこの契こそわすられね親の親とかいひし一言


@(源典侍6)A.
年を経てもこのご縁が忘れられません。「親の親」<祖母殿>と(桐壺院が)おっしゃった一言を。



(源典侍6)B.
年を経て(桐壺院も藤壺宮も亡くなって)も<あの一夜の契り><この不義の縁>が忘れられません。
私は冷泉帝の「親の親」<父親の父親><祖父>だ、
藤壺宮は冷泉帝の「親の親」<母親でも祖母でもある>のだよ、
と(桐壺院が)おっしゃった一言を。



(源典侍6)C.
年を経ても、この「ちぎり(血切り)」だけは忘れられない。
(一夜の「ちぎり(契り)」が、永遠の「ちぎり(血切り)」になるのだから。)
(冷泉帝の)「親の親」<父親の父親><祖父>と言った桐壺院と、
子(であるはずの冷泉帝)との間の。
(母子姦通という究極のタブーによって皇統が断絶した!)


(源典侍6)D.<鎮魂>
年を経てもこの因縁が忘れられない。
「親の親」<為子の親><斑子(なかこ)女王>が、(我が子藤原穏子の入内を遅らせる)「咎」<罪なこと>を言った、その一言が。
(穏子の入内が遅れた恨みを、為子で晴らしてやる)



(源典侍6)E.<鎮魂>
年を経てもこの因縁が忘れられない。
「親の親」<為子の親>とかいう人<斑子女王>と、
その子<為子>とに。
(末代まで祟ってやる!)