41年の消防人生を終えて定年退職後、福祉関係施設に5年間勤務し、任期満了で退職後は毎日のんびり、ゆっくり、自由な時間を過ごしている年金生活者である。

 

 

幸い今のところ、特に大きな病気、ケガもなく、私の77年の人生で唯一自慢できる入院生活0(検査入院を除く)を継続中である。

 

 

(ただ一昨年5月転倒し、右膝蓋骨を骨折したが、幸い1年間の通院治療と自宅療養で完治した)

 

 

これには丈夫な身体に産んでくれた両親、そして結婚以来50年余、私の健康を支えてくれている妻に感謝!熱謝!心謝!である

 

 

毎日が日曜日、平々凡々とした日常生活を暮らす中で、有り余る時間の有効活用と健康管理のためスポーツジムでの運動や

 

 

ボケ防止、脳内活性化のため、高齢者センターや図書館での読書が生活の一部として、大きなウェートを占めている」

 

 

最近では新聞等で紹介された本やベストセラーの本等、図書館へ行き、たくさん並んだ本棚の中から、

 

 

気に入った作家の作品を無造作に選び、先ず2~3ページをザっと読み、肩の凝らない内容の作品を主に選んで読んでいる

 

 

こういった適当な選択ゆえに、なかなか印象に残る本、感動する本には出合えないところである

 

 

そういう中で久しぶりに感動した本、涙した本として5月12日付けブログで紹介した本が、

 

 

石田衣良著作の「北斗 ある殺人者の回心」であった

 

 

その私の拙いブログに対し、これを読まれたある方から、心温まるコメントと共に一冊の本を紹介していただいた

 

 

それが今回紹介する町田その子著作「52ヘルツのクジラたち」である

 

 

この本は2021年、本屋大賞第1位作品でもあり、ベストセラーとなって既に読まれた方は多いかと思う

 

 

私もそのような本があると認識はあったがまだ未読であり、早速行きつけの図書館へ行き、貸しだしの予約を申し込んだ

 

 

幸い初版発行から3年余を経過して、ブームも一段落しており、3週間で借りることが出来た

 

 

今回紹介していただいた「52ヘルツのクジラたち」は、今更私が紹介するのもおこがましいが、その内容は

 

 

 

普通のクジラの発する声の周波数は大体10~39ヘルツくらいの高さで、

 

 

この物語に出てくるクジラの発する周波数は52ヘルツで、あまりにも高い周波数のため、他のクジラたちにはこの声は聞こえない

 

 

その声は広大な海で確かに響いているのに、誰にも届かない声をあげ続けているクジラは、

 

 

存在は発見されているが、実際の姿は今も確認されていない

 

 

いわゆるこの広い海原に沢山の仲間がいるはずなのに、何も声が届けられない

 

 

世界で一番の孤独だと言われているクジラのことである

 

 

この本に出てくる登場人物が、日常生活に潜む危うい諸問題に関し、皆、声にならない声を出しているが、

 

 

周りは気付かない、或いは無視又は気付こうとしない

 

 

ネグレクト、虐待、DV、トランスジェンダー、自殺と重苦しいシーンが随所に出てくるが、

 

 

読んでいる途中には、主人公を取り巻く優しい人々の助言や手助けなどに、胸が熱くなり思わず涙する場面も再三出てくる

 

 

これらの諸問題は現代社会にも通じる事案が殆どであり、他人事とは思えない緊迫感で読者の胸を熱くする

 

 

最後は思わぬドンデン返しのような展開に息を吞むとともに、主人公が生きることに前向きになることに安堵感を覚えるのである

 

 

さすがに、全国の書店員が自分で見て「面白かった」「お客様にも薦めたい」と選んで投票し、その結果である

 

 

本屋大賞を受賞するだけあって、多くの読者の琴線に触れ、感動を与えるとともに強く印象に残る素晴らしい作品であった

 

 

いい本は心を豊かにしてくれる

 

 

ここに紹介していただいた方に感謝申し上げます

 

 

なお、この作品は映画化もされたとのことで、機会があれば是非見てみたいと思うことだった