「1919年設立の国際労働機関(ILO)は、
国連よりも歴史が古い国際機関だ。
日本はその常任理事国だが、
190ある国際労働条約のうち
批准したのは49条約(廃止・撤回された条約を含む)にとどまる。
約4分の1と、ドイツやイギリスのおよそ半分だ。
 日本が批准していない項目には重要なものも多い。
特に長時間労働の禁止、母性の保護、
パートタイム労働の労働契約などの項目を認めていないか、
改善に消極的だといい、
連合や全労連などの労働組合団体は、
日本政府に早期の批准を求めている。
 この事実を知ると、
なぜ日本で働き方改革が進まないのかがよく分かる。
人手不足と言いながら、自国の学生や女性に対してさえ、
平気で不利な労働条件を突きつける。
弱い立場の外国人労働者などに対してはなおさらだろう。
この状況を放置すれば長期的に大きな損失を招く。
国際労働条約の批准を進めるべきである」
『朝日』12月12日