この人は保守だから、
と決めてかかっていたが、
いいことも書くようだ。

「しかし、それでも私は、
あるひとつの点において「全共闘的なもの」に
共感するところがあった。
それは、この運動が、どこか、
戦後日本が抱えた欺瞞(ぎまん)、
たとえば、日米安保体制に守られた平和国家という欺瞞、
戦後民主主義を支えているエリート主義という欺瞞、
合法的・平和的に弱者を支配する資本主義や民主主義の欺瞞、
こうした欺瞞や偽善に対する反発を根底にもっていたからである」

『朝日』5月11日