佐伯啓思「保守」のゆくえ (中公新書ラクレ) [ 佐伯 啓思 ]885円楽天この人は保守だから、と決めてかかっていたが、いいことも書くようだ。「しかし、それでも私は、あるひとつの点において「全共闘的なもの」に共感するところがあった。それは、この運動が、どこか、戦後日本が抱えた欺瞞(ぎまん)、たとえば、日米安保体制に守られた平和国家という欺瞞、戦後民主主義を支えているエリート主義という欺瞞、合法的・平和的に弱者を支配する資本主義や民主主義の欺瞞、こうした欺瞞や偽善に対する反発を根底にもっていたからである」『朝日』5月11日