桂離宮 その2
前回の記事で桂離宮には季節を楽しめる4つのお茶室があるとお伝えしました。
四季を楽しむ4つの茶屋 春の賞花亭、夏の笑意軒秋の月波楼、冬の松琴亭。
前回お伝えしたのは「冬の松琴亭」
続いてはこちら「春の賞花亭」
壁も障子もなく開けっ広げと言っても良い、部屋というよりは半分外に近いようなお茶室でした。
春の風がそのまま通り抜け、まるで外にいるようなお茶室なのでしょうか。
寒い冬が明け、爽やかな京都の春を五感で味わえるお茶室、そんな風に私は感じましたーーー
うらやましーーー
続いてのお茶室は「夏の笑意軒」
六つの丸窓が特徴のこちらのお茶室
実はこのお茶室、昭和に塗り直し工事が行われているのですが、この土壁を施工されたのがこちらのお方。
青いセーターを着られている方、どなたかおわかりですか?
なんと久住章さんなのですーーー
そして後ろで壁を塗っている方は
荒木富士男さんなのですーーー
荒木さんは「桂の仕事は荒木さんの将来に役に立つはずだから」と久住親方に声をかけられたとおっしゃっていました。
その壁を間近で見られて感激でしたーー
こちらのお茶室からは、裏の畑を耕す農夫の風景を見ることができるそうです。
すべてのお茶室に共通しているのが、普通じゃないことをたくさんしているということ。
上の写真の腰のデザインも面白いでしょ?
下の写真の奥に見える建具の波波のデザインも面白い。
襖の取っ手も、使いづらそうだけど面白い。
そして四つ目は「秋の月波楼」
秋といえばお月見。
名前の通り、観月の茶室として建てられたそうです。
下の写真の正面に見えるのが桂離宮の紅葉山と呼ばれる紅葉が植えられている高台で、残念ながらこの時はある程度散っていました。
そしてお月見をする方角に目を向けると、大きな池がありまして、きっとこの水面に月が美しく映るのでしょうねー
さらに、正面に見える建物が一番最初にご紹介した松琴亭。
前回お伝えした大きな市松模様の障子は、ここ月波楼から見て美しく見えるようにデザインされているとのこと。
おどろきーーー
昔の建築のデザインは自然との調和が多く見られますね。
「どんなものも自然の美しさにはかなわない」と私は思っているのでとても納得できます。
そして自然のものを組み合わせて下の写真にあるように、例えば床を作り、同時に美を生み出す
素晴らしいーーーー
こちらの石で埋め尽くされた床、水が溜まらないようになのか真ん中が少し高くなっていてむくりがつけられている。
この床、「あられこぼし」という名前がつけれらています。
上の写真の右に見えるちょっと長細目の石をなんと、縦に埋めているんです。
断面模型がこちら
どれだけ手間がかかるのか・・石選びをして、それをひとつひとつ隙間なく埋め込んで・・・想像を絶するほどの手間と時間がかかったのでは?
桂離宮、隅々まで美にこだわり、仕事にこだわりという姿が見て取れました。
なのでただなんとなく撮った写真も美しい。笑
実は撮影した写真が少ないんです。
実物見て感激していると写真を撮るのを忘れてしまい、「なんでもっとたくさん映さなかったんだろう!」といつも反省しています。
しかし、心の中にたくさんの「感動」を落とし込むことができました。
「日本の美 桂離宮」大変多くの学びをいただきました。
ありがとうございましたーーー