現場テラゾーが流行り?
ここ最近、現場テラゾーのお問い合わせ、見積り、サンプル作成が増えています。
過去ブログでもお伝えしましたが、現場テラゾー仕上げとはセメントに大理石などを細かく砕いた砕石を練り混ぜ塗りつけし乾燥させた後、表面を研ぎ出して石のように見せる擬石工法で昔からイタリアなどで多く使われてきた技法です。
イタリアの宗教建築の床などでは、下の写真のようにテラゾーで模様を作っている建物が比較的多いです。
拡大するとこんな感じです。
20世紀半ば以降の現代建築でもテラゾーは使われていて、日本でも戦後高度経済成長時代、銀行のロビー床等でも多く採用されていました。(当時の写真がなくてすみません)
そしてこの時代のテラゾーでは新しいディテールも生まれました。
下の写真はヴェネツィアにあるオリベッティと言うタイプライターのメーカーのショールームですが、この床にはタイプライターをモチーフにしたテラゾーがあります。
拡大するとこんな感じ
ひと昔の現場テラゾーといえば床に採用されることがほとんどでした。
この現場テラゾーが今また流行りを迎えつつあるようです。
最近の見積もり依頼で多いのは床ではなく、ほぼほぼカウンター天板のお仕事です。
下の写真は昨年施工させていただいたバームクーヘンの専門店のお仕事。
商品を陳列するカウンターの天板を現場テラゾーで施工させていただきました。
長さ5メートルほどあり、端部が丸くなっています。
こんな長いカウンターの一枚板、トラックで運んでくることも、お店の中に入れることもできません。
しかし現場テラゾーは名前の通り現場で施工するので、つなぎ目なしの一枚板で制作することが可能です。
こちらはお店のカウンターの天板
こちらも変わった形の一枚板ですが、同じようにつなぎ目なしの一枚もので作られています。
お店情報 北海道発、米粉のバウムクーヘンring ring(リングリング)
こちらは真っ黒のロングテーブル
色も形も自由自在にデザイン出来るのが現場テラゾーの良いところです。
さらに最新の現場テラゾーは材料も進化しているんです
昔のセメントテラゾーはひび割れが発生することもあり、3メートル内ごとに目地を設けるのが一般的でした。
しかし材料も進化し、今当社で使っているビールストーンという材料を使うことで、ひび割れの可能性が圧倒的に低減されました。
これにより、ここまでご紹介したような、長ーーーい一枚もののカウンターやテーブルなどが自由に作られるようになったのです。
最近の面白いサンプルをちょっとだけお見せしまーーす
こちらは丸みを帯びた石をアクセントに入れているテラゾー
下の写真はガラスの瓶を割ったものを骨材にして作っています。
こちらは木が埋め込まれているテラゾーです。
来年はテラゾーの現場リポートが増えそうな予感ですーー
お楽しみに