現場テラゾーのメンテナンス
札幌すすきのに「THE LONG BAR」というバーがあります。
ここには全長11メートルもあるバーカウンターがあります。
今から5年以上前、その長ーーいシームレスのカウンターを現場テラゾーで仕上げました。
丸型テーブルのところは真ん中部分が盛り上がっている特殊な形状という難しい仕事でした。
さらにこちらの仕事はテラゾーの仕上げだけではなく、カウンターそのものを何にもないところから作り上げました。
鉄筋を打ち込み、コンクリートブロックで立ち上がりを作成し、
その上に型枠を組み上げ、
その中にコンクリートを流し込み
カウンターの下地が出来上がり〜
その上に現場テラゾー(ビールストーン)を塗りつけて、
10行程の研磨作業を繰り返し、
お店の主役とも言える、存在感のあるカウンターが出来上がりました。
とてもやりごたえのあるお仕事でした。(詳しくは過去ブログをご覧ください)
あれから丸5年が経ちました。
こちらの現場テラゾーのカウンター、お店が年中無休だったこともありノーメンテナンスでした。
ところがこの緊急事態宣言の影響でお店も休業を余儀なくされました。
そしてこの度、お店の方から「この時期を利用してカウンターをメンテナンスして欲しい」とのご依頼をいただきました。
現場に行ってみると5年経ってカウンターの表面は結構傷んでいました。
お客様が定期的にワックスをかけられていたのですが、そのワックスが固まったり剥がれたりしているところがありました。
しかし、11メートルものつなぎ目のないカウンターですが、クラックは一本もありませんでした。
在来工法でこれだけ大きいものをつなぎ目なしでやればクラックは必ずといって出そうなものですが、ビールストーンはやっぱり凄いですね
まずは古いワックスを全て研磨して落とす作業からスタート
まずは目立たないところでテスト施工をして、上手くいくことを確認しながら行いました。
続いては「研ぎ直し」という作業です。
公園の滑り台などもそうですが、現場テラゾー仕上げは、表面が傷んだり汚れたりしたら「研ぎ直し」することで元通りの姿に戻ります。
傷んだ表面部分をうすーーーく削ることによって、その下から健全な部分が出てくるのです。
表面を削った後、艶がなくなったのが写真からもわかります。
粗めのレジンパッドから徐々に細かいパッドで研ぎ上げていきます。
そうすると上の写真のように、再び艶が戻って来るのですーー
そして撥水剤を塗布して出来上がりですーーー
そしてこの通り
綺麗な姿に戻りましたーー
現場テラゾーはこのように年月が経って傷んでもメンテナンスで新品同様に蘇るのです。
カウンターもスッキリ綺麗になり、心機一転
来週から営業再開とのことで、再びこのバーが賑わうことを願ってやみません。