ダミアン・ハースト×安藤忠雄
一昨日の続き。
現代アートの巨匠ダミアン・ハースト展
一昨日は2ヶ所の展示会場のうち、palazzo grassiの展示をご紹介しました。
今日はもう1ヶ所の「Punta della Dogana」の方をご紹介します。
「プンタ・デッラ・ドガーナ(税関岬)美術館」
こちらの建物は17世紀に作られた歴史的建造物で、世界最古の税関があったらしい・・・
じつはなんとこの建物の修復と保存のお仕事をしたのは日本人建築家「安藤忠雄」さんなんですよ〜
仕事の依頼者はアート界で最も影響力のあると言われている美術収集家のフランソワ・ピノーさん。
でもこの歴史的建造物の修復をなぜ日本人が?とヴェネツィア住民からの反対もあって、街のいたるところに
「ダタオアンドウ反対」というポスターが貼られていた事もあるそうな。
そんな安藤忠雄建築とダミアンハーストのコラボレーションがこのプンタ・デッラ・ドガーナ」で実現
なんと安藤忠雄さんとダミアンハーストは仲良しらしく、安藤忠雄さんの事務所にはダミアンハーストから送られた
絵が飾られているんですって。
安藤忠雄とダミアンハーストのコラボ、早速見てまいりましょう!
会場前にいきなりダミアンハーストの作品が登場
わくわくしながら玄関に到着〜
中に入りま〜す
安藤忠雄さんと言えばコンクリート打ち放しです。
エントランスまわりはコンクリート打ち放し調のスタッコ仕上げ。
実は丁度、近々安藤忠雄さんの作品にちょっと関わる案件があり、ほんと、ほんと
チョベリグーなタイミングでこの壁を見られました。
ついてる〜
中に入って行くとまたまたダミアンハーストの世界に巻き込まれま〜す
でかーーい吹き抜け空間にどっかーんとダミアンワールド。
でもね、ここで感じた事は、同じ作品でも置く場所や空間によって印象がとても大きく変わるんだな〜ということでした。
これが狭い空間に置かれているのと、この壁、天井の大きな空間に置かれているのとでは違うような気が・・・
でもって、また床のコンクリート仕上げが均一で素晴らしく、それもこの空間の雰囲気を出しているような気が・・・
思わず写真撮っちゃいました。
床の目地切りも一発できっちり決まっていて、素晴らしい仕事でした。
来年当社は床のコンクリート仕上げ重点年間の計画をしていて、これまたバッチグーなタイミングでお手本の仕事を
見せていただけました。
これまたラッキー
今日は、ダミアンハーストの作品に焦点を当てるのではなく、安藤忠雄建築とのコラボという作品と空間の関係性に焦点を当ててお伝えしていこうと思います。
ご覧下さ〜い
コンクリート打ち放しの高い壁に囲まれたホール、レンガ仕上げの柱とのコンビネーションがキレイ。
上の写真の二階の高さに見える、四角いガラス張りのエリアから見るとこんな感じです。
作品を二階から違った視点で見る事ができて面白い。
コンクリート打ち放し仕上げが作品を際立たせるような気もします・・・
床のツヤ具合と均一さが緊張感を高めているように感じます。
大きな空間がシンプルでとてもカッコイイ
左側に見える階段もカッコイイ
ディズニーとミッキーマウスもいました。
置かれる空間によって作品の印象も変わりますね。
最後は少し、安藤忠雄ワールドをご紹介します。
両サイドの壁が対比されているようで、カッコいいんですよね〜
Pコンも安藤忠雄モデルなんだそうで、大きさも大きく、Pコンのボルトが見えず、奥が深くなっていて
それがまた打ち放し壁のアクセントになっています。
ざ・安藤忠雄ワールド
デザインはもちろんですが、何よりも素晴らしい施工精度で驚きました。
ヨーロッパの建築の技術は日本より優秀なのではないか?そんなことも感じる次第。
専門的にいうと、細かいジャンカも、目違いも、コールドジョイントも全くといってない。
高さ7メートルくらいある壁がぐるーっと一回りしていて、おまけに裏表がすべて打ち放しで丸見え。
それをこれほどキレイに、角も水が抜けた砂地も一切ない。
水量の少ないコンクリートで打った事が予想され、日本でいえば建築と言うより土木に近いかな。
今回すべての作品の中で、私の一番のお気に入りがこちらでした。
というわけで、現代アートをきっかけに建築の新たな価値を教えていただきました。
ありがとうございました。
つづく・・・