技術を解析する力 | 中屋敷左官工業(株)

技術を解析する力

先週のつづき。

札幌左官高等職業訓練校冬期集中訓練。
技能検定課題についての問題、第2問

「ではつづいて、かど測りについての質問です。かど測りの施工手順は?」

すると生徒「水湿しをして、下ごすりをして、2回で塗り付けて、正面に定規を張ります・・・」

「おぉ~・・ほんとみんなちゃんと勉強してるんだね~。そうだね、2回で塗り付けて正面に定規を張って、小面の幅を決めて側面をはっかけに塗るんだよね~。」 
「では、2回目で塗り付ける厚みはどのくらい?」
1

「???????」また7名の頭にクエスチョンマーク。
「何㎜でもいいの? みんななんとなくで塗っているんだ!?」
7
またまたシンキングタイム。

答え。
およそ仕上がりの寸法線程度に塗り付ける。
12
「何故そうするかわかるかな~? 塗り厚が極端に少なかったりすると正確なものができませ~ん!」

「はっかけに塗った後、定規を貼り返すよね? もし小面正面の塗り厚が薄かったら、最終的に小面幅の寸法がおかしくなる。ということわかる人ないかな~?」

すると1人、2人とわかってきたようです。

「はい竹崎君、黒板に書いてみんなに説明して!」
かど測りの施工手順を絵にして書いていきます。
5
「2回で塗り付けて~」

6
「正面から定規を貼って、左、右と幅を決めて・・・定規を張り替えして・・・」

すると、みんな意味がわかってきたようです。

「ね、みんなわかったよね。はっかけにして定規張り返すから、そこから小面に材料をたくさん付けなければならないようだと、小面幅が広くなっちゃうんだよね!」

すみません、マニアックな内容なので、左官職人さんしかこのネタわからないと思いますが、ようは技術をきちんと絵や言葉にできるということがとても大事だということなのです。

「技術を解析する力」

「こうしてみると、墨出し作業がとても大事だということがわかりますね。その寸法線は何のために必要なのか? そういうことをきちんと理解して墨を出すことはとても大事なのです。」

私の授業はこんな風に「技術をきちんと理解する」ことに重きを置いています。

休憩をはさんで、次の授業がこれまた本当に面白かった!!
「先週、他県の青年部の方達が僕たちの授業を見学に来たよね?その人達から聞いた話なんだけど、1年間に30人近く採用して何人残っていると思う?」

すると「10人」、「3人」、「5人」と生徒達の反応。

「ふ~ん・・・君たちから見ても30人近く採用してそれしか残らないと思うんだ~」
「正解は3人です!ほぼ1割。」

「入社した人達は、最初から辞めるつもりで入社したわけじゃないと思うんだ。でも、君たちの予想どおりなんだよ。」

「なぜ? 君たちに教えて欲しいの。 せっかく希望を持って入社して、1年も経たないうちに9割の人が辞めてしまう理由」

生徒達がその理由を教えてくれました。

同業社のみなさん、聞きたいでしょ~~(^^)

つづく・・・。