2001911日に起きたアメリカ同時多発テロ事件において、日本人24人を含む合わせて2977人が犠牲となりました。あらためて犠牲者の御霊に深い哀悼の意を表し、衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。テロ行為とは、自由、平和、民主主義に対する重大な挑戦であり、世界の国々とともに毅然と立ち向かって行かなければなりません。




テロとの戦いにおけるひとつの節目であるこの機会に、考えておきたいこと。



立ち位置によって異なる戦争の概念とテロの概念。

20年経ったいま大きく違ってきているのは、戦争の方式であるということを認識しなければなりません。戦闘地域と非戦闘地域、軍事と非軍事、武力と非武力、殺傷と非殺傷などを含むあらゆる手段を用いて自分の利益を敵に強制的に受け入れさせることは、私達が認識している「テロ」という言葉の範囲をはみ出し始めているのかも知れません。テロはもはや準戦争、第二種戦争であるとの認識も必要な時代だと思います。


武力と非武力、殺傷と非殺傷。

陸、海、空と言う伝統的な戦闘領域とは全く異なる、宇宙、サイバー、電磁波など新たな戦闘領域が出現しています。軍事と非軍事をサイバーという戦闘領域と重ね合わせて考えてみても、国家対国家の戦争以外に、例えば1人のハッカーが、ひとつの国家を相手に戦争を挑むことができる時代です。即ち仮にそうであっても原理は戦争の原理であるということを、理解しておかなければならないと考えます。


そしてさらに強く認識しておきたいことは、ルールのある世界に生きる者と、ルールのない世界を生きる者とでは、自ずから戦い方は異なってくるということです。そして、どちらが有利になるのかということについても当然その対策も含め考えておかなくてはなりません。




あらためて、テロによる犠牲者の御霊のご冥福を衷心よりお祈り申し上げます。



中山泰秀


https://www.wsj.com/livecoverage/9-11-20th-anniversary