【クリスマスムード漂うニューヨーカー達の、"心の緩み"を引き締めた今回のテロ事件。】



おはようございます。


昨年の10月に引き続きニューヨークで、再びテロが発生した。けが人は5名、いずれも幸い軽症である。


今回の犯人は、バングラディッシュ出身のアカエド・ウラー容疑者、27歳。


米国ホームランドセキュリティーよれば、2011年に移民ビザで入国、永住権を持ち、合法的に米国に居住している。


情報筋によれば、いわゆるISILに忠誠を誓っており、犯行動機としては、イスラエル政府がガザ地区において、最近取っている行動のせいだと話していると言う。



【旅客機を乗っ取り、マンハッタンのビルに突撃すると言う衝撃。】



過去にニューヨークで起きたテロで、特に忘れられないものと言えば、ウサマ・ビン・ラディンによる911テロであろう。


メディア等の映像を通じて、世界中に恐怖そして震撼を与えた事件であった。


911テロ事件から私達が学んだ事は、「戦闘は、戦闘地域で起こる」と言う常識を覆した事だ。


即ち、現代における戦闘は、非軍人により、非戦闘地域で引き起こされているのだと言う事。


しかし、戦場等が変化していても、本質的な戦争の意味には何ら変化は無い。


また911テロ事件当時、ウサマ・ビン・ラディン達は既存のマスメディアを、恐怖を世界中に伝える為のツールとして利用したが、時代の変化とともに通信技術の進化、発展、普及が、テロリスト側のマスメディアに対する価値観の認識を変化させたのも事実であろう。


私達は、今までの伝統的な意義とは全く異なる戦闘領域が、特にあの事件以来存在していると言う事を、深く認識しなければいけない。



【そこには、時代とともに移り変わる、テロリスト、ウサマ・ビン・ラディンと、アル・バグダディーの宣伝に対する価値観の違いがある。】



この度、プーチンロシア大統領が電撃訪問を行った、シリア領内における、いわゆるISILの勢力は衰えは見せ始めているものの、世界中に散らばりを見せている元ISILの戦闘員やISILによる宣伝、煽動等に洗脳された人々=準ISIL戦闘員による「テロのフランチャイズ化」は、衰えを見せていないとの認識を持ち、危機意識を共有すべきである。


折しも米国トランプ大統領が、エルサレムがイスラエル永遠の首都であり、在イスラエル米国大使館を、テルアビブからエルサレムへ移転すると宣言し、中東地域を中心に、その影響が懸念されている時節でもある。


他方でこの宣言により、北朝鮮関連の話題から、一挙に中東関連の話題に、まるですり替えられてしまった様な気がする。


だからその分逆に、北朝鮮関連の動きを注視する必要性が増したとも言える。


話を戻すが、インターネットの普及により、ウサマ・ビン・ラディンが既存のメディアを攻撃しなかったやり方とは違って、いわゆるISILの指導者アル・バグダディーは、メディアの記者までもを拉致、監禁し、斬首等のやり方を使用し、繰り返し殺害を行なっている。


これはインターネットの普及により、各々が放送局になる事が可能な状態となっている現在において、最早既存のマスメディアは、彼等にとってのツール的価値を見出せないものとなってしまったと言う事だ。


即ち、「戦場の血生臭さ」をマスメディアを媒介させ、お茶の間まで送り届けていた時代から、個人が手にするスマホの画面にまで、ただで、即座に行き渡らせる事が可能になった事が、「テロのフランチャイズ=テロの拡散」を助長させていると言う事実を、全否定する事は出来ない。



【現在の常識的戦闘領域は、宇宙とサイバースペース。そして、最もリスク高きターゲットは「ヒト」と「ヒトの脳」。】



皆が平和だと思い、日常生活を送っている今の日本。その隙間を突いてくる攻撃は、既に始まっている。


サイバー攻撃だとか、ミサイル発射だとか新聞に文字がおどる脅威は皆が認識を可能とし、その効果は別としても、何らかの対処方法も皆無ではなく存在するが、文字にならない攻撃であるフェイクニュースによる人心への煽動、印象操作、洗脳などの「直接及び間接的攻撃」には、ヒトに対してセキュリティーソフトウェアをインストールする事が出来ない分、最もリスク高きターゲットとであると言わざるを得ない。


偽情報を信じ動かされてしまう程、情けない事は無いのは承知していても、見極める為の「常識」と言うセキュリティーソフトウェアしか備わっておらず、その常識ですら不安定極まりないのが現実であり、歴史が証明している。



【子供達の時代の為に、何が出来るか。】


常識と言うセキュリティーソフトウェアをインストールするのは、家庭や学校における教育もそのひとつだろう。


ヒトは、人生におけるその人それぞれの体験や経験によって、それぞれの価値観や常識を備えて行くものだ。


今よく話題になっている、いわゆる教育無償化の話。


私なら、日本を飛び出して海外で留学経験を積みたい全ての国民に、教育無償化ではなく、留学無償化をやってみたいと思う。


私自身にもフランスでの3年間の留学経験があるが、寮生活をし、外国の地で様々な体験や経験を通じて培われた私なりの常識は、それなりに面白い。


何よりも日本に帰国した時に、この国に生まれて本当に良かった。


愛する国、日本。


日本人である事に、より一層強い思いで、誇りを持てる事、その教育が出来るのは、「海外留学」と言う経験であり、そのチャンスだと思う。


全ての国民が、海外留学のチャンスを掴める、機会の均等を有する制度をつくり上げてみてはどうだろうか。


これからの子供達が育って行き、大人になる時代を、世界を視野に入れ考えて行くと、非常に重要な観点からの発想ではないだろうか。


日本の常識は世界の非常識、世界の常識は、日本の非常識と言う言葉を聞くにつけ、様々な事を思う。


昔から言う。


可愛い子には、旅をさせようと。




中山泰秀