【 大阪城で行われている「集客イベント」を観ていて、個人的に思う事。 】

この写真は、京都にある「豊国廟」の中門で撮影したものです。
「豊国廟」と言えばそうです、現代の大阪の基礎をお造りになられた「太閤さん」として、今でも大阪人に親しみを持って呼ばれている「豊臣秀吉公」のお墓であります。

大阪城が最後に焼けたのは、実は維新の時でした。
大政奉還が既になされていたのにも関わらず、勢い余った維新の連中が大阪城に火をつけて、天守閣を焼失させてしまったのでした。

今、大阪城では「大坂夏の陣400年」と言うイベントが行われています。
観光客がやって来る事は歓迎すべき事だとは思うのですが、人気のあるイベントの一つに「プロジェクションマッピング」と言うのがあります。

とても珍しく、ユニークなものであり、私自身も大変興味をそそられるものではあるのですが、1つだけ大阪生まれ、大阪育ちで太閤さんがお建てになられたお城を観ながら学校に通った者として、心が悲しく、これは少し問題があるのではないだろうかと思う事があります。

それは何かと言うと、大坂夏の陣は豊臣秀吉公亡き後、淀君と秀頼が自害し、事実上豊臣家が滅びた時であります。例え400年が経過しているとは言え、豊臣秀吉公が建立されたお城で、ご自身の妻や倅が自害して亡くなった時の400周年を、まるで忘れたかのようなお祭り騒ぎを行うと言う事に、いささか違和感を感じています。

同時にプロジェクションマッピングの映像の中に、日本刀で大阪城が斬られて、崩壊するシーンや、炎上のようなシーンが出て参ります。
これは、あまりにもショックを受けてしまいます。

先程も記したように、大坂城天守閣が最後に焼失したのは維新の時です。
今回は、またもや大阪の首長が「維新」の時に、例え映像とは言え、自分が建てた城の上にスクリーンをさげて、キレイな映像を映し出すだけならまだしも、よりによってお城が崩れたり、炎上したりのシーンは豊臣秀吉公の心中を察するに、許し難い事なのではないだろうかと、私は「太閤さん」が気の毒でならないんです。

せめて、あのシーンを外してもらう事は出来ないのでしょうか。

昨日は申し訳ない気持ちを胸に、またいつかやって来るであろう闘いの日に備えて、豊臣秀吉公の御霊とお話をさせて頂く気持ちで、倅や娘達と京都の豊臣秀吉公の墓参に伺って来た次第であります。

皆様、ご多忙かとは存じますが少しのお時間でも結構です、秀吉公の気持ちになって、考えてみて頂けるお時間をおつくり下さい。

どうぞよろしくお願いします。


中山泰秀