【 元「キャンディーズ」の田中好子さん死去 】


産経新聞 4月21日(木)22時51分配信



アイドルグループ「キャンディーズ」のメンバーとして人気を博した女優の田中好子(たなか・よしこ、本名・小達好子=おだて・よしこ)さんが21日夜、乳がんのため東京都内の病院で死去した。55歳だった。通夜は24日、葬儀は25日で、時間と場所は未定。



 伊藤蘭さん、藤村美樹さんと「キャンディーズ」で昭和48年に歌手デビュー。スーちゃんの愛称で親しまれ、「年下の男の子」「春一番」「微笑がえし」など多くのヒット曲を送り出した。時代を象徴するアイドルとして熱狂的な人気を集めたが同53年、「普通の女の子に戻りたい」とグループを解散した。



 その後は、女優業に専念。平成元年公開の映画「黒い雨」では、原爆の悲劇に見舞われたヒロインを務め、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など多くの賞に輝いた。その他の出演作に映画「ひめゆりの塔」「明日への遺言」、テレビドラマ「家なき子」「ちゅらさん」など。同3年、女優の故夏目雅子さんの兄、小達一雄さんと結婚。同4年に乳がんと分かり、治療を続けてきたが、昨年秋に体調を崩し、入院していた。3月上旬にはテレビのナレーションをこなしたが、今月21日午前に容体が急変したという。



 伊藤蘭さんの所属事務所の担当者は「突然の訃報で本人はショックを受けており、コメントを出せる状態ではない」と話した。








【 なんか、一つの時代が過ぎ去ったような気がした。】




ザ・ドリフターズのいかりや長介さんの「おいーっす!」からいつも始まった「8時だよ!全員集合!」。



その出演者の中で、ひと味違う落ち着きを放っていた事を幼少期の私ですら感じる事が出来たキャンディーズのすーちゃんこと田中好子さん。



美人薄命とは言うが、本当に彼女の死は、悲しみを誘う。



現職衆議院議員時代、日本に住むアメリカ人で、日本でピンクリボン運動に関する初めてのNPO法人「ランフォーザキュアファウンデーション」を設立したビッキー・グリーンさんと協力し、「女性に乳がん検診を受診して貰おう」と言う「ピンクリボン」運動を行った。現在私が勤務しているパソナグループの南部さんにもビッキーさんをご紹介申し上げ、協力を願い出てご指導とご支援を頂いた。



ビッキーさん自身も「ブレスキャンサーサバイバー」。
自らの経験をもとに、癌の撲滅と早期発見、早期治療の啓蒙活動に取り組んだ。




男性も別ではない。
当時の数字で男性にも約2%乳がんで亡くなる実情があった。



発見された時は、胃がんや肺がんであったとしても、気が付かないだけで最初癌が出来たのが乳がんで、その後他の部位に転移したと言うケースも少なくないと言う。




「男性にとって乳がんは無関係」「あれは女性の癌だ」と思っている男性陣は多いのかも知れないが、そんな事は決して無い。



愛する女性が、姉、妹、母親、友人が。


もしも愛する女性を癌で失ってしまう事が、可能性があるのだとすれば、それをもし予防できるのであれば「素直に予防したい」と思うのは当然の事だと思う。




私も祖母マサを咽頭癌で亡くしており、また母も子宮癌を煩っている事もあり、人ごとではなく、癌撲滅に積極的に取り組んで行きたいと常日頃から考えている。








【 社会的に意義のある問題点を、女優として取り組んでおられた印象がある。】





塩屋監督の「ゼロからの風」に、実在する母親役の主人公として出演し、そして見事に演じきった田中好子さんを尊敬している。



映画「ゼロからの風」は、現職衆議院議員時代に「危険運転致死傷罪」を成立させる事に対して、国民に大きな論点を投げかけた素晴らしい作品であった。


監督からは「田中好子さんが大きく貢献してくれた」と聞かされ、殆どボランティアで、素晴らしい演技をみせて下さり、観るものを引き寄せ、何が世の中の正義であり、何が不正義なのかをはっきりと示してくれた、感動の素晴らしい筆舌尽くし難い映画作品であった事を思い出す。


当時、無料の上映会を塩屋監督と相談し、私もボランティアで執り行った思い出がある。




田中好子さん。

女優さんは女優として、政治家は政治家として、餅屋は餅屋。

お会いした事は無かったが、その作品を通じて「演じる事によりアピールする」と言う彼女の思いと、「正義を世の中に伝播する」と言う政治家の思いが、つながっていた様な気持ちが私の中にはあった。



映画「ゼロからの風」は、私にとって、忘れられない作品となる。




そんな「女優魂」を持つ彼女の死を、哀しく思う。





「すーちゃん、すーちゃん!」と私達の世代に呼ばれて、昭和の高度成長期に「歌謡」と言う場面で一大ブームを巻き起こした彼女。



5歳上の姉達は、いとこの家でプラスチックのマイクを振りかざしてはソファーを舞台代わりに、いとこ同士で「キャンディーズごっこ」をしていた事を思い出す。




良いお歳におなりになられた頃からは、素晴らしい優しさを感じさせて下さる、また意義のある作品に出演され、役柄を演じておられた田中好子さんに思いを寄せ、ここに慎んで哀悼の誠を捧げたいと思う。






心からご冥福をお祈り申し上げ、安らかにご永眠されます事を重ねてお祈り申し上げる次第であります。












合掌
中山泰秀