【「おクスリ内閣」のリスク。】


相次ぐ民主党に対する、吹き荒む風の様な厳しい国民からの批判。
それ以上に毎日竜巻が発生している様な雰囲気の民主党菅政権。

今回の内閣改造に際して。。。

「与謝野馨」と言う「妙薬」を自ら服用する事を決断した菅総理。
妙薬はその薬効こそあるだろうが、反面、副作用もキツイかも知れない。

「薬効」よりも、「副作用」の未知数を飲み込んだ今後、2012年が世界中で政治的惑星直列が起こる様な年の前年の日本を一体どの様な方向性に仮免許で我々国民を後ろに乗せて走って行くのだろうか?


菅改造内閣が発足し、内閣支持率がもっと伸びるのかと民主党の面々は期待をしていたようだが、残念ながら厳しい結果となっているようだ。

マスコミ各社の内閣支持率の数字をみていると、平均で約5ポイントの伸び。

有権者である国民も、あまり期待をしていない事実が、占星術の結果の様に導き出された。

占星術とは、統計学の途中経過と現時点でのその結果をはかり、これからの推移を予測するもの。

箱に入れる数字が悪ければ、占いの結果もそれ相応のものになるのかも知れない。

「内閣改造」すると、もう少しは伸びると思われた数字が、中々伸び悩んだ原因とは一体なんだったのだろうか?


【「政治とカネ」】

先ずは政治とカネの問題は、現在の民主党政権からは、避けて通れないだろう。
国民から選ばれた政治家が、政治を行う以前の問題だ。

政治資金の問題は、その複雑怪奇なシステムによる弊害もある。

以前にも政治資金に関してブログで触れたように、「政治とカネ」の問題のせいで、重要な法案が審議されない程いい加減な税の無駄遣いな議会も無い。

政党助成法や政治資金規正法等、非常に複雑な事も理解出来るが、政治とカネの問題を1日でも早く片付け、国民生活にとって有意義で必要な法律や政治をつくる為にも、与野党一緒に超党派で政治資金の出納を管理できる「センター」をつくるべきだと思う。

現在のままでは、各政党同士の党利党略や政治的陰謀のような世界の中で、切った張ったの「カネ」にまつわる「イヤラシイ論争」が行われるだけだ。


テレビのドラマを観ても時代劇を観ても、劇に出てくる政治家の配役とそのキャラクターを観れば、国民の政治家に対するイメージが一目瞭然だ。

今までで一番マシに政治家を扱っている映画だなと思ったのは、「チャリーウィルソンズ ウォー」位ではなかったか。

すなわち、有権者・国民から観れば政治家同士など所詮は何か必ず裏があり、悪さをしている。だから政治家のクリーンなイメージ戦略なんてなんの意味も無いだろうと。

しかし、そう気が付いていないのは当の政治家達だけだ。


政治家同士が政治資金問題で罵り合い、国民は「もっとやる事やってくれ!」と思っている中で、これ以上無駄な議論をするのであれば、全党あげて「(仮称)政治資金管理センター」をつくり、国民や企業からの献金を、党派関係なく一手に管理する第三者機関を立ち上げ、本来の政治家が国民の為に必要な良い立法を考え議論し、つくり出す事が出来る、国会運営に集中出来る環境を作り上げる事こそが、政治家全体に求められている急務であると思う。

問題をほじくり出して追求し支持率を得る様な旧態依然とした政治手法から、
「どうやってよりクリーンな信頼の出来る政治に変えて行けるのか。」を、アイディアを作り出して国民に提案し、賛同を得て行く時代に政治は生まれ変わって行かなければ、国民の期待や支持率にポイントの伸びや成長は無い。


【 スライド人事 】


もう1つは「横滑り人事」が多過ぎる事。
鳩山内閣の時からみていても、閣内で閣僚が次から次へと他の省庁の大臣にまるで渡り鳥の様に飛び歩く様な人事を行っている事だろう。

内閣における「大臣」と言う名のポストも、安くなったもんだ。
これだけ「たらい回し」や、「リサイクル」状態になっていると、大臣に威厳も何もあったものでは無い。

政治におけるミランダ性が、徐々に消えて無くなってしまうだろう。


この前まで国土交通大臣をしていたと思ったら、今度は外務大臣。この前まで経済産業大臣をしていたなと思ったら、今度は国土交通大臣。この前まで経済担当大臣をしていたなと思ったら、今度は経済産業大臣。

当然、「俺もそろそろ大臣の声が掛かって来るだろう。」と期待をしている者、身の程知らずで勘違いによってあらぬ期待を抱く者からすれば、ストレスがどんどん溜まり、嫉妬心が段々宿って来る政治家も、これだけの人数が政権与党内におれば、それに比例して多くなっている事は確実だ。


【同時に民主党のジレンマ問題点はズバリこれだ。】


簡単に言えば【若者をルールなく乱取りの様に登用する事】により、隣にいた若い政治家が突然出世して行く事に慣れていない周りの政治家の内、若い人は「あの人も選ばれたのだから私も選んでもらえる。」だとか、若く無い政治家は「あんな若いのが大臣になったのだから、俺も必ず何かのポストに就けるだろう。」とか。
年齢と当選回数にもよるが、国会、議会は当選回数が年齢に比例するとは限らない。
すなわち1年生議員でも、65歳の1年生もいれば、25歳の1年生議員もいる。
嫉妬心がストレスとなり、
エリートな経歴を有しているもの達ほど、やがて党内外で自身の政党の足を引っ張る事になる。
しかも大衆迎合型ポピュリスト政治家が、
小選挙区制度の弊害で増加し、90%の議席を占めている様に思うからだ。


すなわち、いい意味での「年功序列」が無いところが、民主党の統率がとれない1番の原因である。

軍隊や警察組織のように、ある一定の能力に達したから、そのランクにおさまる。
あそこに至るまでには、この様な知識や経験が無いとダメなんだか。

そう言う自然に理解出来る党内環境が存在しない。
スキャンダルがあっても、逆に人材不足なので、スキャンダル済みの人を登用した方が安心だと思っているところも正直あるように観て取れる様な人事しか出来ないのが、今の民主党の姿だ。


そうなると民主党内の内紛が酷くなって来るのも、理解し易い。


「民主党は人材が豊富だ」と自慢していた総理大臣。
政党代表の立場としての宣伝文句だけに終わってしまった事を、明確化させている。

つまり、学歴やナントカ塾とか、経歴をみていると一見ご立派に見えるが、「人間」としての性分と言うか性格と言うか、ごまかしきれないところにおいては、
逆にそう言った「何であんな人が、よく当選して来たものだよ」と言う議員同士の外には言えない会話から、人間としての協調性に乏しく、また親分肌のような政治家も少なく、逆に船頭は多い。また小選挙区制度の弊害も有り、党の代表である菅さんから見ても「これはチョット。。。」と実は思っている、思われているような人物の政治家が増え過ぎてしまったなぁ。。。と後に出来ない後悔を今しているのだろうきっと。
そうなると、現行の小選挙区制度の中では、そんな様な議員は一兵隊にしか過ぎない。数合わせの1人1人だ。議席に座らせておけば良いだけの人形だ。

「使い古しの旧い」のか、「新しい」のを選択したのか、良く分からない改造人事になっている。


【 抜け切れぬ「左翼思想」内閣。】


①改造前の菅内閣においても、(前任の)岡崎トミ子国家公安委員長が過去に韓国国内において「反日デモ」に参加をしていた事を把握しながら、警察のトップにあえてその様な人物をそえるという摩訶不思議な人事を行っていた。


②また、現在民主党が仕切る総理大臣官邸には、
その内部に憂慮の念がある。

過日、元総理大臣と食事をさせて頂いた時に、

「外国籍だった人物が内閣にいる。外交上、日本の国益の為に尽力するのであれば理解出来るが、心配だ。」

と憂慮の念を示す言葉があった。

総理官邸におられた元総理がおっしゃられる事なので、その懸念は当然に理解する事が出来る。
政治は、日本の国益を大きく左右する場、
総理官邸内となれば当然だ。

昨年末、日本の国益を大きく損ねる事になった尖閣諸島問題と照らして考えると、憂慮の念にたえないのが正直なところだ。


③法務大臣のポストに、「死刑反対論者」の政治家や民間人を登用するべきではないと思う。

特に就任会見時に、改造人事により法務大臣に就任した江田五月元参議院議長は。。

「死刑は欠陥を抱えた刑罰だと思っている」

「死刑の事は長く考えてきた。許されない犯罪があるというのはよく分かる。しかし、人は寿命があるので、そう急ぐこともない。それ行け、やれ行けと執行する話とは違う」

「刑罰の中で、死刑だけが検察官ではなく法相が執行指揮すると法に規定されている。これはどういう意味を持つのか、しっかりと考えたい」

「省内の死刑についての勉強会の推移も見つめ、世界の潮流や世論も踏まえた上で、政治家として判断したい」

と述べた。




私から観ると、それならば法務大臣の要職を受けるべきではないと思う。

犯罪被害者の人達の前で、それを言ってみて欲しい。

物事には

「原因」があって「結果」がある。

「原因」が無いままの「死刑」は有り得ない。


日々殺人事件の報道が絶えない。


殺された人達の報道されぬ背景には、殺された被害者を、手塩に掛けて育てて来た愛する家族がいる。

殺された人達の気持ちや、残されたご遺族の思い。

それらを考えずに、殺した者の人権を殺された者の人権より重きものと考える風潮に対して私は断固として反対する。



【「死刑廃止論」とは、左翼思想である。】


フランス革命時に、革命軍が、当時パリにいて猟奇殺人事件を起こした犯罪者達を投獄していた牢獄の鍵を壊し、殺人鬼に武器を持たせ、彼らの得意とする「殺人」を好きなだけ実行せよと命じて、反権力武力闘争における「兵隊」として利活用した。

その歴史的背景から、現在においても革命思想を抱いている人達の中には、「死刑制度廃止論」を掲げている人が多いと観る。

いつの日かこの日本でも、日本転覆を狙う者達が、死刑囚が投獄されている牢屋の鍵を壊し、革命時の勢力として加担でもさせるつもりなのだろうかと恐ろしく心配になる。

加害者の人権よりも、被害者の人権に重きを置く事こそが、「政治家」が考える判断の為の基本的考え方であり、あり方、人間道なのではないだろか。


今回の江田五月法務大臣は、「政治家として判断したい」と記者会見で言った。

江田五月法務大臣は三権の長である参議院議長を経験し、各級大臣も経験、元裁判官でもあり弁護士でもある。

学生時代には自民党本部に火炎瓶を投げつけて逮捕され、牢屋に入れられた経験も持つ。

そして今回は法務大臣として入閣。


果たしてこれだけのご経歴を有しておられる政治家が、殺された人の、被害者のお御霊、残されたご遺族のお気持ち以上に殺した者の気持ちの代弁をするのであるとすれば、もう世も末であろう。


そして断固として死刑制度を堅持し、

聖徳太子の十七条憲法の中にある

「悪い者には悪いと言え。良い者は誉めろ」

という当たり前の事を実践するべきだ。


原因には結果があるという基本を忘れてはならない。

宮﨑勤死刑囚も、小林薫死刑囚も、山口県光市の母子殺人事件も、それらの犯人は死刑になって当然の事を行ってそうなっていった。

あなたの家にもいる様な、あどけない年頃の娘さんや、その娘さんを愛し、お腹を痛めて産んだお母さんを殺したのだ。

何も人を殺めなければ、死刑にはなっていない。

原因があって、結果がある。

死刑を執行する事に署名をしないという大臣は、法務大臣と言う要職にはむかない。

人の心が分かる「人間心」を持つ者に、法務大臣にはなってもらいたい。

私は犯罪被害者の「あすの会」岡村勲弁護士に師事する。

かつて私が「犯罪被害者保護救済特別委員会」の事務局長を務めていた時も、沢山のご指導を頂戴した。

岡村勲弁護士はかつてこの様にインタビューに応えている。

「じつは私も、いわゆる「人権派弁護士」の一人だった。現行の法制度に馴れてしまい、被害者の苦しみ、権利に思いを致すことがなかった。妻を亡くして、初めて常識に立ち戻れたのだ」

『Voice』2008年6月号より

岡村勲弁護士の今は亡き令夫人は、1997年10月、「山一証券顧問弁護士夫人殺人事件」で、山一証券問題に際して逆恨みした債権者にご夫人が殺害され、犯罪被害者の遺族となってしまわれた。
岡村弁護士は、それまでいわゆる「人権派弁護士」として活動していたが、
この事件を機に被害者や遺族の復讐権を提唱する立場に転じ、
この事件の被告人を死刑に処すよう希望する旨を法廷で発言するまでにに至る。
その後、光市母子殺害事件の被害者遺族である本村洋と共に全国犯罪被害者の会を設立、代表幹事となられた。

これは人間、その人の立場になってみなければ分からない。

いくら経歴が立派な、「エライ」と言われる完璧な人間でも、
人の心の持つ「痛み」に対する理解度が低ければ、
何の意味もなし得ないと言う事であると言う事の表れだろうと思う。

この様な事が起こっていても、未だに法務大臣の立場で「死刑反対」を唱える者がいる事が私は納得が行かない。

もうご高齢なのだから、更新に譲り、政治家自体をお辞めになられる時節なのではないだろうか。

良く存じ上げている分、あえてこの様に申し上げたい。

犯罪被害者の思い、
しっかりとご理解を頂きたい。


【 海江田氏曰く、「不条理なものですね。」だとか。】


まさにこれだけの問題点が、今回の内閣改造にはある。
私が先ず思うところだけでもだ。


こんな日本をダメにする人事を行う菅民主党政権。

自らの政権延命が第一。

こんな事では、日本は不幸に社会に陥る。


国民にも目を覚まして欲しい。


この間にも、2010年の中国GDPが10.3%増に。
とうとう日本を明確に抜き、文字通り世界第2位の経済大国にのぼりつめている。

大臣が単にご自身の選挙区事情を会見の場で聞かれて
そのまま「不条理なものです」なんて。

国民の方がよっぽど不条理さを今の民主党政権に対して感じているはず。

大臣は、今更ながらもっと言葉と思いを表現する事を考えられるべきではないのか?



そして日本国と日本国民は、余計にしっかりとするべきだ。









つづく