【 軍事機密へ応用の可能性。軍事からスペックダウンの可能性も。】


過日報道されたフランス大手自動車メーカー「ルノー」社における、企業・産業スパイに関する事件報道。

チョット気にしている。

理由はいくつかある。


①【CAR&PRODUCTS】

私はモータースポーツ議員連盟において事務局を務めていたほど自動車が好き。ルノーを過去にヤフオクで買ったルノー5と、ルノースポールトロフェオ(←競技用車両)を所有していた事があった。

ただし、今や潜水艦もハイブリッド車の様に電池で動く時代。
また、潜水艦の個別のパーツに関しては、民間企業からの技術供与もある。


②【SECURITY】

今回の産業スパイ事案が、日本の警戒心の薄い「情報の防衛」「情報の安全保障」等に関して、警戒の度合いを上げるように啓蒙する良いきっかけとなればとの思いから。


③【SECRET】

過日から複数回続いている政府の情報漏洩問題に鑑み、政府が主導し、
民間企業等と本当の秘密をいかにして守るかという研究を真剣に多角的な議論を行っていくべきだと思っている。


上記の様な理由から、色々と気にしている。


【ミルスペック=軍事規格】

民生品の多くには、沢山のトップレベル技術からのフィードバックがある。
例えばABSブレーキ。元々はF1のレーシングカーの為に開発され、その技術を一般車両にフィードバックを行った。今ではほとんどの車両に標準装備されている。

自動車のフロントガラスに吹き付けたり塗ったりして、雨の日にワイパーを激しく動かさなくても、ある程度の走行速度になると、フロントガラスに付いた雨水が水滴となって流れて行き、走行時の前方視界を確保出来るという便利な液体があるが、これも元々は空軍で使用されているワイパーを装備していない航空機や戦闘機のフロントガラスに塗って使用するというもの。


今回、ルノーのEV技術が産業スパイにより、ルノー以外に漏洩させられてしまったとして、その技術がどの程度のものなのか、全く知る由も無いが、もしこれが、軍事技術に応用の効く可能性が否定出来ない技術なのであるとするならば、これは非常に問題だと思う。


【 (企業情報⇆軍事情報) × (民生技術⇆軍事技術)× スパイ⇒ 流出 】


そして、テロリストや、その支援国家に対してプライシングされた上で、ブラックマーケットから販売されていくのであろうと推察する。

国家のおける裏国家なのかもしれない。
情報機関、諜報組織を有している国家のオフィシャルに認められている機関や組織以外のアンダーカバーグループによる可能性もあり得る。

思い切り、表玄関から協力して、技術を正式に正当に出してしまっている国もある。

中国のロケット技術がここ最近進化している事も、現実だ。
カナダがロケット技術で中国と協力を行っている。


【 武器輸出見直しの議論の中で。】


日本が有する武器輸出三原則に関して、米国と日本の安全保障上メリットとなるものに関しては見直しを行い、双方の安全確保のレベルを向上させる事には賛成する。

しかし、武器輸出三原則の見直しにより、日本の安全保障のリスクが高まってしまう様な改正を行うのであれば、
それを看過する事は出来ない。

国民の多くは知らないが、テレビコマーシャルを行っている企業の中にも、世界一の潜水艦の最も大切な部品の特許を持ち、製造している企業もあるのだから。

そのような事を思えば、
そして今回のルノーに起こった事案を観ていると、我が国の企業に関しても、決して心を許して手放しで見ている訳にはいかないのではないだろうかと、心の中の警戒心のスイッチが作動してしまう。


皆さんは、いかがだろうか。










つづく



以下は、メディアの記事。







【「重要情報は漏れず」ルノーCOOが仏紙に 国際組織の関与も示唆】

産経新聞 1月8日(土)22時43分配信

 【パリ=山口昌子】仏自動車大手ルノーの電気自動車(EV)に関する情報漏洩(ろうえい)問題で、パトリック・ペラタ最高執行責任者(COO)は、8日発行の仏ルモンド紙のインタビューで、「核心部分は何も漏れていない」など語り、心臓部である電池やモーターなどの重要情報は流出していないとの見解を明らかにした。

 同氏は、漏洩した情報について、「車の構造部分」とした上で、「申請済みや申請中の約200件に上る特許を含め、技術的、戦略的な核心部分は何一つない」と強調した。

 さらに、漏洩した疑いのある3人の幹部について、「国際的な組織の犠牲になった」とし、組織的な事件の可能性を示唆した。ただ、7日の仏フィガロ紙が報じた中国への漏洩の可能性には言及しなかった。

 一方で、フランス週刊誌ルポワンの8日付電子版は、ルノーの下請け業者が幹部3人と中国の自動車業界を仲介し、3人は海外の銀行口座で報酬を受け取っていたと伝えた。漏洩した情報は、「電池製造の設計図」などに関するもので、特許出願を控えた技術も含まれていたとしている。

 同社は、3人を告訴する方針を固めており、仏政府情報機関の国内中央情報局(DCRI)が本格捜査に乗り出す見通しだ。



【 中国、仏ルノー産業スパイ事件との関連を否定 】

ロイター 1月11日(火)19時11分配信

 [北京 11日 ロイター] 中国は11日、フランスのルノー<RENA.PA>の産業スパイ事件との関連を否定し、仏情報当局が中国との関連の可能性を調査中との報道を「根拠がない」とした。

 仏情報当局は、ルノー幹部が電気自動車の機密情報を漏えいしたとされる事件で、中国との関連について調べている。

 中国外務省は定例会見で「報道を認識している。中国が関与しているとの声があるようだが、まったく根拠がなく無責任だ。受け入れることはできない」と述べた。

 フランス政府の報道官は、政府は関与についていずれの国も責めていないと指摘。ラジオで「フランス政府はいずれの国にも公式に非難していない。調査は進行中だ」と述べた。

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【 ルノー、情報漏えいで12日に告訴=聴取の3幹部は嫌疑否定―仏 】

時事通信 1月12日(水)8時36分配信

 【パリ時事】仏自動車大手ルノーは11日、同社の電気自動車(EV)関連情報の外部漏えい問題を受け、司法当局に12日に告訴する方針を明らかにした。仏各メディアが報じた。罪状など詳細は不明だが、告訴によって仏政府情報機関が捜査に本格着手する条件が整うことになる。
 ルノーは11日午後、情報漏えいに関与したとして停職処分を受けた幹部社員3人に対する事情聴取を行った。仏メディアによれば、幹部らはいずれも疑いを否認したが、同社は3人を解雇する方針とみられる。
 一方、事情聴取を受けた幹部の1人の弁護士は同日、AFP通信などに対し、ルノーが匿名の手紙に基づき情報漏えいの調査を始めたと述べた。手紙は、この幹部が賄賂を受け取って倫理に反する行為に及んだらしいと示唆する内容だったとされる。