【 日本は羅針盤を失った舟になりつつあるのか。】


2010年があと数分で終わりを告げようとしている。

戦後の日本を15年間隔で時代を切り分けて考えてみると良く分かる。

昭和20年から昭和35年の15年間を「わだつみの時代=戦争反省の時代」。

昭和35年から昭和50年の15年間を「上を向いて歩こうの時代=高度成長期の時代」。

昭和50年から平成2年(昭和65年)の15年間を「伝統・文化見直しの時代」。

その先になると、日本はその進むべき方向を見失う事になるだろうと予見してみせたのは山本七平先生だった。

子供の頃、父の後援会会合に講師としてお越し頂いた時に、お会いさせて頂いた思い出が今思い出される。

今は、天国からこの日本が、自らが予見した通りの状況になっていない事を望んでおられる事であろうと思うと同時に、大変残念ではあるが、自らが予見した通りの日本になっている事に、きっと悔しい思いでおいでになられる事であろうと推察する。


【 昭和64年1月7日午前6時33分。】


まるで昭和天皇の崩御に合わせるように時代が、日本がそれ以後暗くなっていったような気持ちがする。

バブルも崩壊し、時代は平成に。

日本は、日本人は、山本七平先生の仰る通りに、その進むべき方向を見失っている。

自分が何処にいるのか、その座標すら計算出来なくなって来ているのかも知れない。

必要なのは羅針盤。

無ければ夜空にうかぶ星を頼りに、自分の位置を探し出すしかない。

星空とは、世界の事。
世界は広い。

今年、「龍馬伝」を観ながら「坂本龍馬はすごい!」と言った人達は、坂本龍馬よりも便利な時代に生きているのだから坂本龍馬以上になれるチャンスが大いにある。

なのになれないのは、そしてまるで昔を懐かしむようにただドラマとして観ているのは.......どうなのだろうか。

歴史から学べるものは大きい。
しかし歴史は、過去をます鏡のように観ながら現在を照らし、うつしながら、これからの時代に備える為にあるのだろうと思う。

経済の黒字化の前に、心の黒字化の方が重要なのではないだろうかと思う。
心の黒字が無いせいで、殺伐とした心の赤字問題が、色々な形で世間に露呈している様な気がする。


【 GDPの7%。35兆円。95万人。】


海外に流出している雇用と生産。
円高なども原因なのだろうか。

しかし成長率を比較すると、EUよりも米国よりも日本の方が良い。
それでは何故、日本は、日本人はこれだけ元気が出せない国になってしまっているのだろう。
異国の方が元気に動いている。

CNNの放送を観ていると、北東アジアの年末のリレーはソウル。
一昔であれば、間違いなく東京であったに違いない。

北東アジアには、北京とソウルしか表記が無かった。

日本、頑張れ。


【 直接発議=イニシアティブ 】


今日で、国連における日本の非常任理事国としての役目が任期ギレを迎える。

2008年の選挙でイランと争い、10回目の非常任理事国入りをした。

朝鮮半島を中心に、またレアアース等の資源外交の世界的均衡を観るのに、何よりも日本の、日本国民の生命と財産を守る為に国連の場で足場を失う事になる。他国に後れを取るばかりか、やはり国連の場での発言力も当然に低くなる。

常任理事国の中国やロシア。
そして米国からの信用と信頼を喪失しつつあるのか、現在の日本。


【 ポピュリスト政治と日本国の崩壊。】


事業仕分けにより、必要以上に政治家の「無駄なパフォーマンス」の為に「必要な予算」まで切られてしまう事になり、外交上におけるカードが1枚、また1枚と減りつつあるのも現実だ。

なにせ一海上保安官が、国境線で一体何が起こっているのか国民に対して真実の警鐘を鳴らそうとすると犯罪者扱いされるのだから「国力とは何ぞや」と政権担当者達に問いたい。

日本が、直接発議をするチャンスはますます減少するであろう来年。
山本七平先生の想像力が、正しかった事が認識出来る。
パフォーマンスで政治をされてはならない。

日本は資源の無い国に。
原点に戻るべき。
加工貿易国であり製造ありきの国。
作る為の知恵の宝庫の国、日本。
伝統文化を信じ、再度技術の応用をはかる。
サービスも、日本の知恵のサービスが世界水準以上のものが。
医療も技術も。
その知恵という資源を、資源の宝庫を失いつつある事に気付け。

それを分かっているはずの政治家達が、
一番浮世離れしている。

いつまでもいつまでも「小沢一郎とカネ」問題に明け暮れており、昭和44年当選組のオジン政治家の取り扱い方に悩んでいる。

オジン政治家は、引退の時節。
自らで、引退をするべきだ。
人間として、政治家として熟達しているのはよく理解出来るし、尊敬の念も有している。
しかし、これ以上、議席やバッジにこだわる必要性が何処にあるのかお尋ねしたい。

政界から潔く、ご勇退なさるべきではないだろうか。
変な時のみ、侍や武士道を語るなかれ。
与野党問わずいる「偽侍」。

これ以上いると、老害以外の何ものでもない。


【 来年もよろしくお願いします。】


今年1年の感謝を込め、私のブログの読者に対し、心より御礼を申しあげたい。

どうかお身体ご自愛頂き、良いご越年をお迎え下さい。












つづく