【 パンドラの箱 】
【ハリウッドの映画を思い出す。】
昔、こういうハリウッド映画があったと記憶している。
主人公は周囲の人に対して沢山のストレスを抱えている男性。
心の中ではいつも…
「この隣の役立たず上司めが!ハゲ頭のうすらトンカチ!」
とか…
「こんなアトラクティブな女性と、今晩一夜で良いからベッドで戯れたい。」
だとか…
色々とつぶやき、想像をたくましくしていた。
ところがある日、ある時、突然に、今までは思ってはいても口には出さずにいた「自分への言葉」が、口の外に出さずにはいられなくなると言うまるで魔法使いにでも魔術をかけられてしまったような、思った事を次から次へと相手に正直に包み隠さず歯に衣着せずに良し悪しをを問わず言ってしまい、大トラブルに巻き込まれてしまうというコメディータッチのストーリーが銀幕の中で展開していた。
「プーチンはバットマンで、メドベージェフは相棒のロビン」
「ベルルスコーニは軽率で自惚れが強く、無能」
「金正日は体がたるんだ年寄りで、精神的肉体的なトラウマを抱えている」
「サルコジは怒りっぽくって、独裁主義的」
「カダフィは、いつも色っぽい金髪のウクライナ人看護師を同伴している」
ウィキリークスが暴露した米外交文書は、正にまるで映画のストーリーのような効果を持っている様に観た。
だけど、実はみんな思っていたりして。
外務省の友人に聞いてみると、「既に皆がその様に思っているだろう予測可能な事だからですね。。。」と言っていた。
【しかし、シャレにならない。】
「サウジアラビア国王が米国に対して、核開発を止めさせる為に、イラン攻撃を何度も強く促したりもした。」
上記の情報は、関係者が暗黙の理解はしているものの、この様な形で露呈しては、下手をすれば双方の諍いが、恨みが酷くなり、命の代償が支払われる可能性も無いとは言えない。
【 ギリシャ神話と聖書。 】
子供の頃に、ギリシャ神話を最後まで読んで読み返すたびに、母が本の裏にサインをしてくれた事を思い出す。
大好きな本の一冊。
ギリシャ神話によって、ヒトは想像力を学ぶ事が出来る。
政治家に最も大切な要素である「想像力」。
その私の当時の座右の書物であった「ギリシャ神話」。
また、聖書の創世記に出てくる「アダム」と「イヴ」。
映画「天地創造」も幼い時、父に連れられて映画館に鑑賞に行った思い出がある。
長い長い映画だった。
人類最初の2人。
最初はアダムしかいなかった。
神様が寂しそうにしているアダムにイヴを、アダムの肋骨を1本取ってつくった。それが、イヴ。
実際に遺伝子染色体は、男性のものの方が、女性のそれより1本数が少ない。
聖書を書く時代に、よくもその様な事が如何にして知り得る事が出来たのか、不思議がいっぱいで、想像力を活かした書き物から、更にその上の想像力を創造する事が出来る。至福の時、書物である。
天文学をベースにした星座の成り立ちへの理由と、星座を考案し、今の様に人工的な霞一つ無いだろう綺麗な夜空を見上げながら、満天の星空を堪能をし、星座の神話を重ねたのだろうと。
同時に天文学とは何の為にあるのか?
それは、人間を戒めさせる為の学問が天文学である事を覚えておかなければならない。
ある日、アダムが留守にしている間に、イヴが蛇に騙されて、絶対に食べてはいけないりんごの木の実を食べてしまう。イヴがりんごを一口食べた途端に、パンドラの箱が開き、そこに閉じ込めてあった邪悪なものが箱の中から飛び出してきて、同時にイヴは急に恥を知る様になる。急に恥ずかしくなり、裸でいる事に対しても恥ずかしくてしょうがなくなってしまう。
【 恥を知る。】
今回のウィキリークスを使用した、米外交文書の情報リークを観るに、私は聖書の創世記から導き出されるある種の共通している関係を見出したような気持ちがした。
それは、恥らう事を知らない状態のイヴと恥らう事を覚える事になったイヴとの差を上手く利活用しているという事。
インターネットの世界は、蛇に騙されてりんごを食べたイヴがつくりあげたパンドラの箱が開いたそのままの状態に、現実社会においても蛇に騙されてりんごを食べ、恥らう事を覚える事になったイヴと、その影響を多大に受けたであろうアダム、その2人の子孫が現在の人類。
恥じらいは知りながら、戒める事を知らず、学ぶ事なく、自らが神にかわって他に生きている者を戒めさせる事を強いているという偽神。
正に、実社会においてパンドラの箱が開いてからはかなりの時間が経過しているが、ここ数年の間に天地創造された新たな新世界=インターネット社会の中においては、今回初めて「ウィキリークス」という「ネット社会においてのパンドラの箱」が初めて開かれた瞬間に我々「恥」の両面を知っている人類が直面しているという事なのだろうと思っている。
イヴは、世代を超えて2回目のりんごを、蛇に騙されて口にしてしまったという事。
神との戦いは、神のみ征する事が出来る。
つづく