【法相、官邸で辞表を提出 後任は仙谷氏が兼任】

産経新聞 11月22日(月)9時24分配信

 民主党幹部は22日午前、柳田稔法相が首相官邸で菅直人首相と会談した際、辞表を提出したことを明らかにした。後任は仙谷由人官房長官が兼務するという。


【法務大臣というポスト】


菅直人総理大臣のいい加減な内閣における閣僚人事のツケが、このような形で露呈した。

左翼活動家時代の友人や仲間内のみで閣僚人事を行った結果だろう。
国民が、自民党政治から民主党に政権交代を1票の積み重ねで実現させたのは、より良い政治をつくる為だったはずだが、国民の期待を見事にこの1年間をかけて、裏切り続けているのが現政権のマイナスの成果だろう。

ケチのついた法務大臣のポストを、官房長官が次いで兼務すると言う。
法務大臣のポストを、甘くみている内閣の裏の表情と考えが観えた気がする。

官房長官と法務大臣のポストを兼任させると言う判断が出てくる時点で、菅内閣の見極めの甘さを感じる。

さらに言えば、菅内閣と言うよりも、民主党自体が自分達自身の運営する政権党の未来や将来に対しての計画性の甘さを読み取る事が出来る簡単な事例だったと言える。

私が総理大臣ならば、直ぐに次の法務大臣人事を決めるだろう。

官房長官と言う過密な閣僚と、法務大臣という三権分立の中における重要な司法との関連性の強い閣僚とを兼務させる事自体を、国会運営に対応するという時間的物理的問題も含めて避けるだろう。

実に法務省も、幹部含めて職員全体が頭を抱えているだろう姿が目に浮かぶ。

逆に官僚の方が、内側から現政権のポテンシャルの低さに見切りをつけているだろうとも思う。


【「補正予算案を速やかに通す為、辞めさせて頂く。」】


「補正予算案を速やかに通す為、辞めさせて頂く。」と柳田氏は大臣を辞任する記者会見で申し述べた。

辞める時まで何故、自分が大臣を辞めなければならないのかを分かられていないと言うか、国民にわかって貰おうとしている様子がみてとれない。

結局は、本当の意味の引責辞任に対してですらご本人の自覚が足りていないと言う事だと思う。
無駄な大臣任命であり、政治的な混乱であったと言う事だけが、心に残る。

辞める理由に関しては、

「法務大臣という職責を全うするに、あまりにも軽はずみな人々の理解を得れない発言を自分のおかれている立場を忘れて申し述べてしまった事を、国民の皆様には深くお詫び申し上げたい。ついては、法務大臣の職を辞し、その責任をとらせて頂きたく、ここに今、菅総理大臣宛に辞表を提出して来ました。国民の皆様には、大臣としての自覚が足りなかったせいで政治的な混乱を招いてしまいました事を心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ありませんでした。」

とおっしゃられるべきところだったのではなかろうか。


【与党は補正予算、野党は大臣の首とり。】


与党は補正予算案を通過させる為に努力するだろう。
このところ、柳田氏の進退問題で持ちきりだったが、この人が辞めようが残ろうが、辞めた柳田氏の存在が政治に、永田町に与える影響は少ない。

それよりも柳田氏の問題により、あれほどまで騒いでいた海上保安庁の尖閣諸島ビデオ流出事案に対しての大臣や長官の責任の方が、
領土問題で国家的な不利益を被らせて仕舞っている責任はもっともっと重いと思う。

この際、内閣も締めくくりのけじめをつけて、閣僚の人事を一新なさってはいかがか。

今回の柳田発言問題よりも、もっと責任の重い尖閣諸島ビデオ流出事案に対する大臣や長官の責任をまるで回送列車が駅を通過する様に放置しておく事の方が恐ろしい。

くだらない与野党間における「首とり合戦」のせいで、更に政治的混乱が起きる事は望ましい事ではないのは理解しているが、それを考えても、国土交通大臣と海上保安庁長官の引責辞任は実行して頂かなくては、組織としてのけじめと、対中国向けのメッセージとして、国境線はしっかりと布陣をかえて守り抜くと言う内閣の覚悟を表す意味においても役立つ事に繋がる。

国益を考えると、補正予算は重要だが、国益をしっかりと確保する事は、近視眼的ではない長期の観点から直ちにその布石を打つ事を考え、実行するべきだと思う。

外務、防衛、海上保安庁を所管する国土交通の各大臣に関しての人事を早急にチームとして、また与野党間で調整をして、国会のくだらない抗争を超えた、国益を確保する為の枠組みを考え、日本国の主体的な外交の展開をはかるべきだと思う。








つづく