【石原慎太郎東京都知事が、今回の菅直人内閣の発足に関し、「ありゃ~極左だからなっ!もっとすごい事をやるかも知れない。」とコメントした。】

同時に中国・北京の報道は、【初の中国系女性大臣誕生】と声躍らせるどころか、文字躍らせている。

当の本人、菅直人総理大臣はといえば、オバマ米国大統領と電話で15分ほどの会談を行ったそうだ。

今朝は新聞を観て、なんとも言えない気持ちになった。

新聞の情報の全てが正しい情報なのかどうかは知らないが、恐らくこのような顔ぶれが来週の月曜日の組閣で発表されるのだろう。永田町政治部の記者もてんやわんやの大混乱。作業も大変だろう。



しかしそれにしてもさえない気分だ。

その理由は、菅内閣・民主党役員に内定した顔ぶれを知ったからだ。



昨日までは、共同通信社の世論調査の結果と同様、

「新首相に期待する57・6%、

期待しない37.2%、

分からない・無回答5.2%(内閣が発足していないので内閣支持率ではない)」という世論調査が国民の感触を代弁しているかのように、

私も普通に鳩山内閣のずさんさに辟易していた分、

やっと変わったと感じていたので、安堵感も含めて新首相に期待する57.6%の気持であったような気がする。

しかし、今朝の新聞をみて、ショックを受けた。

その理由は、何も変わっていなかったからだ。

な~んにも変わっていない。



新内閣の顔ぶれで変わったのは、

実質変わったのは、日本で初の中国系の大臣だけ。財務大臣の野田氏も、副大臣からの繰り上げ、国家戦略担当大臣も、補佐官からのスライド人事でしかも前回は兼任のポストを独立させただけの事だ。問題の多い農林水産大臣は、決定していない様子だ。


いわゆる【居抜き】状態で、菅総理は体制をスタートさせる




【それでは、この居抜き民主党新内閣を観て、何を思うのか。】



人材不足。この一言につきる。

菅氏と代表選を戦った樽床氏は、国対委員長に就任する見込みだそうだが、そもそもどうして、誰も知らない、民主党の顧問・渡部恒三氏ですら知らない「樽床」なる人物を代表選に戦わせたのか。

それは実に簡単だ。小沢が立たせた。

無名な者を立たせたのは、良い意味でも悪い意味でも結果何の影響ものちに出ないから。そして、小沢は樽床を使って、実際の小沢票の数字の出方を観たのだ。そして何よりも小沢が狙っている事は、菅直人へ恩を売る事。正直、樽床でなくて、田中真紀子だったらこの代表選の結果はどのようになっていたか分からない。前原であっても同じ事が言える。



要するに、今回の開かれていると言っている政党・民主党の、全く閉ざされた代表選は、最初から出来レースであり、参院選の前の政権支持率浮揚策でしかない。

小沢は、思い通りに十二分に菅総理に恩を売る事に成功した。うまくいったのだ。

そして菅総理も、その事を十分認識している事だろう。

すなわち、民主党の小沢一郎からの呪縛は、未だに解けていないのが現実だ。

裏に隠れて、見えにくくなっただけの話だ。

自民党には次の人はいないとよく言われる。

実は、民主党も同じ事ではないか。


今朝の読売新聞の「地球を読む」の小見出しはこうだ、

【小鳩政権「自民党化」で幕】御厨貴氏が寄稿している。


御厨氏は東京大学の教授。私も氏の言動には平素から注目をしているが、その尊敬する御厨氏から、悪い意味で「自民党」というキーワードが出ている事実。本当なら腹も立てるが、逆に「自民党」と言う名前を聞いただけで、自民党に勝手に嫌悪感を抱かれる方々も多いのかも知れない。「自民党化」という言葉は短く、人の持っているイメージを余計にたくましい想像力と同時にそのアクの強い部分のイメージを増幅させている。自民党員としては、忸怩たる思いだ。



では逆に「民主党化」という言葉は何を意味するのだろう?



「約束して言ったけど、約束を一切履行しない事」、

「壊し屋はやるが、ビルドアップは苦手な事」、

「人のカネにはうるさいが、自分のカネには脇が甘い事」、

「ばらまくのが得意な事」、

「極左から極右までいるのに、良くまとまっている事(本当はまとまるはずがない)」・・・・???????



本当に思えばきりが無い。「自民党化」と「民主党化」。御厨氏は、この「自民党化」という言葉で自民党を過去のものにしまいこんでくれたのだろう。自民党から観ていると、自民党の最大の悪い部分が、小沢氏を筆頭に、民主党に流れ込んで出て行ったように観える。


すなわち、現在の民主党の内部にこそ、御厨氏の言う「自民党化」がある。


今の自民党に、御厨氏の言う「自民党化」は無い。



自分の辞め時を知らず、人生の晩節を汚している者は、ある種「自民党化」なのかも知れないが。個人の問題だろう。ダメなら定年制のルールづくりをすれば良い。


最後に、なぜバブルは崩壊するのか。

株の世界では、期待値が高く、現実の価値や力量よりもその期待値の方が物凄く上回った状態を、バブル状態と言うのだ。

しかし、期待値までのパフォーマンスを出せずに、価格が実質の価値に落ち着いてしまった時に、期待値の高値でその株を購入した者は、バブル崩壊を味わう。

いまの民主党・菅新内閣は、既に「最高値」をつけているようにも感じる。



実質の力量ははからずに、期待値で膨らんでいるからだ。

小鳩政権後だから余計だろう。

だけど、良く観ると内閣は、以前のものと何にも変わっていない。



つまり、同じ内閣。

総理が変わっただけ。





しかし、やがて民主党バブルは崩壊するかも知れない。

自民党の方が、先に「脱自民党化」が起きているからだ。しかしまだ足りない。もっと自民党内で「脱自民党化」を促進させるべき必要性がある。

民主党の課題は、選挙の事ばかり考えずに、しっかり与党として、国家観を見据えた政策を練り、子供手当等のバラマキを止め、借金をこれ以上増やさないように成長戦略を構築して行く事だ。

その為には、外交と安全保障の基本だけは、しっかりと「自民党化」させた方が良い。



変な所に、自民党がやっていたからやらないではなく、自民党がやっていたものも、堂々と評価して取り入れて行ってやって行く事により、

民主党バブル崩壊は防げるかも知れない。

もはや政党の時代ではない。

日本の為に何が出来るかを、総理大臣として考えて欲しい。

いつまでも、自民党や民主党や言っていたら、国民においてけぼりを食らう。

ただし、政治家とは言えども、仁義は守るべき。

筋の通らない事は、許せない。

その気持ちが無くなった時、自民党も民主党も、政治も終わる。


つづく