先日、この本を読んだのですが、
とても興味深い内容だったので、もうちょっと記録しときます。

ニンテンドーDSが売れる理由―ゲームニクスでインターフェースが変わる/サイトウ アキヒロ

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実は、ソニーのPSに比べてニンテンドーDSが備えている
戦略優位性・・・のようなことかな?と期待して
読んだ本でしたが、実際は違いました。
この本の主題は「ゲームニクスという概念の解説」。

結果として、とても新鮮で学びのある読書となりました。

ゲームニクスとは:
日本のテレビゲーム業界が蓄積してきた、UIや操作デバイスに関する
膨大なノウハウの集合体。(本文から引用)。

そしてゲームニクスの目的は:
誰でも、マニュアルを読まなくても使い方がわかる。
誰でも、いつの間にか機能を使い込めるようになる。
これらを実現するためのUIに関する技術がゲームニクスです。

ちなみに
「ユーザーが次にとる行動を予測し、その行為がストレスなく
実行できるように、ソフトウエアで準備しておく」
というゲームニクス理論のベースは、
日本人のもてなしの文化が育んだ賜物だと。
なんだか、日本人としてこのくだりが誇らしいですよね。

さて、コンテンツはというと、
具体的なゲームソフトの動作やUIを例に挙げて、
ゲームニクスが目指すもの、その効果の解説が中心。

例えば(MECE じゃないですが)抜粋すると、
・「シンプル=使いやすい」ではない
・直感的なUIとは
・はまる演出と段階的学習効果
・ハード毎に向いているデザインは違う
・ボタンの信頼度を高める

などのCapterは、頭ではわかっていても、
具体例をサンプルにあげて解説されることはないので
非常に有益です。ここでマリオブラザーズをはじめ
さまざまなゲームソフトの具体例が登場するので、
使ったことがある人にとっては、
「そうだったのか!」という気づき満載です。

ということで、この本はゲーム業界にいる人に限らず
ウェブサービス提供者にとっても、非常に有益な内容
だと思うので、オススメです。

最後に、個人的によいまとめだと思った部分を
本の売上げと著作権侵害に触れない程度(独自判断ですが)に
抜き出します。

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推奨される10のデザイン(p235引用)
1.ボタンやアイコンの数を絞る
2.複数の操作系を導入しない
3.ハードウエアとソフトウエアの連携をとる
4.ボタンの意味をモードによって変えない
5.キャンセルボタンを省略しない
6.アニメーションや操作音を軽視しない
7.操作のリズム感を融資する
8.複数の選択を同時に強要しない
9.チュートリアルを軽視しない
10.学習効果を採り入れる
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・・・と言う具合に、ネットサービス提供者からみても
なじみのセオリーと言えるかも。

ページは図解満載ですぐ読み終わります。
ゲームニクス理論というとハードル高そうに聞こえるかもしれませんが
フォトリーダーじゃなくても1時間程度で読めそうです。
(私はフォトリーダーなので湯船につかってる間によめたww)


補足:
タイトルに忠実に"ニンテンドーDSが売れた、他社とは違う理由”
を知りたい場合は「利益の方程式」にソニーのプレステとの比較で
少しだけ書かれていました。
勝間式「利益の方程式」 ─商売は粉もの屋に学べ!─/勝間 和代

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