政治への思い | 世田谷区議会議員 中塚さちよオフィシャルブログ「世田谷の介護・福祉関係で交流!」Powered by Ameba

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世田谷区議会議員・ケアマネジャー中塚さちよの活動報告、議会報告、ケアマネのお仕事、日常など

それは介護の現場から始まりました

 

「政治の力で、福祉を変えたい」

 

 私がこのような思いを持ったのは、今から15年前、重度の障がいを持つ、人工呼吸器の難病患者の方々の在宅介護のボランティアにかかわったのがきっかけでした。

 

生きていくために24時間の介護と医療を必要としている人たちが、入院もできず、介護施設にも入れず、自宅で、家族が夜も眠れずに介護をしている。

 看てくれる家族がいる人はまだいいほうです。意思表示ができ、まだじゅうぶん生きられる年齢にもかかわらず、自らの命をあきらめざるをえない方も少なくありませんでした。

 

2000年に入り、介護保険ができ、障害者支援サービスも始まり、私もさっそくホームヘルパーの資格を取って働き始めましたが、難病患者の方々にとっては質量ともにやはり不十分な内容でした。

 患者や家族を助けるため、私たちヘルパーは、じゅうぶんな研修や報酬などのバックアップもなく、痰の吸引といった医療的ケアを行うなど、違法すれすれで働かざるを得ない状況が続き、現場の人手不足も深刻でした。

 

現場の努力だけでは解決できない課題山積の中で、大学院や民間のシンクタンクで社会福祉を専門とする調査研究に携わり、福祉の道を究めて困っている患者さんやご家族、現場の役に立ちたいと考えていましたが、法制度の壁、予算や自治体間の格差の問題に直面し、「福祉をよくするには、政治の力しかない」と痛感しました。

 

民主党政権時代に、医療的ケアに関する法律を変えることができました。医療が必要な方でも利用できるホームヘルプ、デイサービスのしくみや、介護職への研修が始まったのです。

 

 法律の改正に伴い、サービスを整備したり、研修を行うのは自治体の仕事ですが、法律に自治体の仕事が追いついていません。福祉の先進自治体といわれてきた世田谷区でも、難病の方やご家族が安心して地域で暮らせるだけの施策や人材が増やせていないのが実態です。介護の現場で働く人たちのリスクや不安も払しょくされていません。

 

 福祉を利用する側、担い手の側、その周囲の家族や地域社会も含めて、利害を超えて互いに助け合い、分かち合い、利益と負担の双方に納得のできる福祉社会を世田谷からつくっていくために、私は苦難の道でもあきらめることなく、絶えず提言や実践を続けてまいります。