「翔?具合は?」
「ん。だいじょぶ」
「MJポリスにしっかり警護してもらいなさいよ?つか、いつになったら潤くんとニノちゃんを連れて来るのよ?母さん、首を長くして待ってるんですけど?もう待ちきれなくて大変なことになりそうよ。首を長くしすぎて肩こりが…」
「ああー、ハイハイ。もう行ってきますっ!」
次の日あれやこれやと世話を焼きながらオレの顔色チェックをしつつイケメン潤と可愛いニノを連れて来いとせがむ母さんの声を聞き流しながら学校へ行く支度を済ませた。
で、安定のMJポリス(つか、母さんも普通に言ってたな、MJポリスって)とニノに警護されながら電車に揺られて高校の最寄り駅に着いた。
「おはようございます」
「「「おはようございます」」」
「具合はどうですか」
「ダイジョブ…デス…」
今朝の駅前での見守りは相葉先生だった。
いつもなら涼やかな顔での挨拶のみなのに、今日はもうひと言声をかけてくれた。
まぁ、目の前で倒れたオレを保健室まで運んでくれたんだもんな…。
ってことは、ここでお礼を言えばもう少し話せるチャンスじゃん♡
グッジョブオレ♡
頭いいぜ♡
「あの、相葉先生…」
「はい」
「昨日はありがとうございました」
「はい」
「…」
「…」
ええ?
終わり??は???
もうひと声ちょうだい!!!
めちゃくちゃ勇気を振り絞ったオレにひと声ください!!!
「翔、行くぞ」
「翔やん、行くよ」
「へ?」
ええええーーーーΣ(゚д゚;)
相葉先生の涼やかな顔はもうすでに改札口へと向けられていた。
もうこの時間帯の望みはないと踏んだMJポリスとニノに両脇を固められたオレは囚われた宇宙人のようにズルズルと引きずられながら学校へ向けて運ばれていった。
んもおおおーーーー!!
やっぱり生徒と教師の壁はベルリンの壁より分厚くて高いぜ!!(ベルリンの壁は崩壊してるというツッコミは断るぜ。あくまでも物の例えだ)
「おはよ、翔くん」
「あ、北川…おはよ」
「ふふふ。面白い顔して運ばれてるわね」
「うっせえ!もおーー!!」
晴れ晴れとした北川の笑顔がそこにあった。
お前。
マジでメンタル強え。
カッケェぞ。
「景子先輩、おはようございます♡」
「あ、おはよーーー!!」
北川はオレから見てもカッケェだけあって、共学校なのに後輩女子から相変わらずモテモテだ。