夏疾風1 | 愛すべき櫻葉の世界

愛すべき櫻葉の世界

甘々櫻葉と翔ちゃんへの愛を甘くおしゃべりしてます♡



『今吹き抜ける夏疾風  新たな息吹を告げる夏の音〰️🎶』



目覚まし代わりのお気に入りの曲を爆音で鳴らしながら、枕の下でスマホがブルった。




くっそ。

起きたくねぇ……。

つか、めちゃくちゃ眠いし。


今日から新年度。

オレは高2になる。

世間では17歳っていったらキャッキャウフフして楽しくて仕方ねぇんだろうけど、いかんせん早生まれのオレは17歳になる頃は高3に進級を控えた年明けになるっつーわけで……。

いやいや、オレ何言ってんの。

そんなんじゃなくて。

ただただ眠い。

春眠暁を覚えずってやつか。

ガッコに行くのもめんどくせぇ勢いで猛烈に眠い。



つか、なんでこんなに眠いんだっけ?
昨日は春休み最後の日だからっつって潤とオンラインでゲームしてたんだっけか。
唯一宿題のない長期休暇が春休みだからなってめちゃくちゃ遊んで…いつ寝落ちたんだ?

ああーーー。
めんどくせぇ!!

「翔ーーーーー!!!早く起きなさいよ!つか、起きてんの!?」
ガチャっ!!
「うっせぇ!ノックぐらいしろや!」

「起きてんならさっさとご飯食べなさい!片付かないじゃない!それに遅刻するわよ!」
「うっせぇ!くそばばあ!」

「そのくそばばあから産まれたワリにはめちゃくちゃイケメンなくせに!」
「はぁ?」

「そもそも数あるオタマジャクシの中からの生存競争で優勝を大はしゃぎで勝ち取ったアンタが見事受精に成功してアンタが産まれたんじゃないの。文句なんて言えないはずよ?」
「はぁ??/////」
朝からオタマジャクシとか受精とか何を言ってんだ////

「イケメンに産んであげた母さんに感謝しなさいよー!( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \」
「はぁ……💢」

さすがすぎる。
とんでもねぇぜ母さんよ。
いくらオレが反抗したりぐちゃぐちゃ文句を言っても次から次へと言葉を浴びせてきて何でも笑い飛ばしてる。
かなわねぇ。

なんならオレが暴れようもんなら一瞬にしてマウントを取られて死ぬかと思ったくらいだもんな。

オレが幼い頃に父さんが亡くなってからずっと1人でオレを育ててきた母さんには一生頭が上がんねぇんだろうな。きっと。


モソモソと起きて制服を着て。
母さんが用意してくれてた朝飯を食べて玄関に向かった。



「いってきます」

「はーい。行ってらっしゃい…なんだけどさ、私も出勤だからさ。一緒にエレベーター乗ろ!ほらどいてどいてっ」


元気だな、母さんは……。


一足先に玄関を出たオレは先にエレベーターのボタンを押して5階にエレベーターが上がってくるのを待っていた。




さぁ、新年度だ。

新しい1年が始まる。