そわそわ。
そわそわそわそわ。
そわそわそわそわそわ。
「落ち着けーい!!!」
「ウロウロすんな!仕事になんねぇ!」
「翔ちゃん、落ち着かねぇならオイラと裏庭の整備しよーぜ」
「あぁ…」
ソワソワしてウロチョロするオレに対してニノと斗真が怒り散らかし、そんなオレを見た智くんがオレを裏庭に連れ出してくれたんだ。
姉ちゃんの結婚式から1ヶ月が過ぎた。
そして今日は雅紀の夏の全国統一模試の日だ。
とにかく春の模試依頼、雅紀は全力投球してきた。
伸び代しかねぇって言ってがむしゃらに机に向かっていた。
つい先日の力試しだと言っていた模試の結果はまだらしいけど、ぎゃくにそれで良かっただろう。下手に模試の結果が出ていればその結果が良くも悪くも左右されがちな雅紀だもんな。
「っはああああああ〰️〰️」
「はははは。もうさ、仕事が終わったらすぐに電話してやれや?な?」
「…ん、ありがと、智くん…」
「はいはい。じゃあそこの雑草を抜いてしまおうか!」
暑い暑い夏の日差しの下、オレは智くんと無心で裏庭の整備をした。
仕事に没頭すればするほど不思議と心が落ち着く。
診療所が落ち着いているからこそ…だな。
「お疲れ様」
「おつかれーい」
「おつかれっしたー」
「お疲れ様でしたぁ」
仕事を終え、診療所の鍵をかけて原チャのエンジンをかけた。
〰️🎶〰️🎶〰️🎶
「どうした?」
『しょーちゃん!!!!』
「でけぇんだよ、声がいつも(笑)」
『頑張った!俺!めっちゃ頑張ったぁ!』
「手応えあったのか?」
『あったあった!春の時は手応えなんてスッカスカだったけどさ、今回は面白いように問題が解けたっ!もー、全部しょーちゃんのおかげ!』
「いやいや。オレはなんも…」
『してくれてるよ。参考書も本も。電話もLINEも。全部が俺にとっての追い風だよ!ありがとう!』
「まだ結果出てねぇけど…とにかくお疲れ様」
『うん!しょーちゃん、これから帰りでしょ?気をつけてね!浮かれポンチにならないでねぇー🎶』
「ばーか。浮かれポンチなのは雅紀だろ?ありがと。安全運転で帰るよ」
『うん!じゃあね🎶また夜に電話する!ちゅ♡』
ふへへ。
良かった。
結果はまだ分かんねぇけど、とにかく楽しそうな雅紀の声が聞けて良かった。
風呂から出る頃にまたテンション爆上がりな雅紀から電話がかかってくるんだろな。
ニヤニヤを隠しきれずにいる顔を自覚しながら原チャにまたがった。