僕らの日々15 | 愛すべき櫻葉の世界

愛すべき櫻葉の世界

甘々櫻葉と翔ちゃんへの愛を甘くおしゃべりしてます♡

ばいばい。



相葉。



修了式の日、オレは屋上からそのまま家に帰った。


帰ったけど。


どうしよう。

セーターもマフラーも写真立てもピアスも。
全部しまえない。
ホントはしわまないとダメなんだけど。

しまうことが怖い。

またあの男の夢を見そうだから。

翼がしばらく泊まっててくれるけど、それでもやっぱり怖い。

だからオレはそれを全部まとめて枕元に置いた。
オレの精神安定剤かな。
ばいばいなんだけどさ。
やっぱり心は離れられねぇんだな。
だって好きなんだもん。
初めて好きになった人なんだもん。

だから……いいよな?

ってか。
定刻通りのLINEやら電話はどーしたらいいんだろ。
きっと相葉の声を聞いたら逢いたくなる。
飛びつきたくなる。
マジでどうしよう。


……コンコン……


「翔?帰ってるだろ?入るぞ」
「ああ、いいよ」


翼が帰ってきた。

オレの部屋で相葉からもらったものを全部まとめて抱えてるオレを見て、翼は盛大なため息をついた。


「未練タラタラじゃねぇかよ」
「しょーがねぇだろ」


「ま、そんなもんだよな」
「……」






「とりあえず、明日からの新年度に向けての話が終わったあとでもさ、校長と多部先生に相談しとこーぜ。フラッシュバックのこと」
「うん」


「俺も一緒に話すから」
「うん」


翼と晩飯を食ってる時もオレはマフラーとセーターをぎゅうううってしてた。



その日。
相葉からはLINEも電話も来なかった。
ホッとする気持ち半分、寂しい気持ち半分。
なんか複雑。
二宮たちに話してるんだろな。きっと。
松本には根掘り葉掘り聞かれてるんだろな。




そしてオレは。
夜が来るのが怖かった。
またあの男の夢を見そうだったから。


翼がいてくれるのはすごく心強い。


けど、やっぱり恐怖心の方が強いんだ。




「おやすみ、翔」
「おやすみ、翼」


オレはマフラーとセーターと写真立てとスマホを全部抱きしめて頭から布団を被った。
もちろん、相葉とオソロのピアスを耳に着けて。



相葉。

相葉。


オレを守って……!!!